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材料製造プロセス

「パワー半導体に使用可能」、「鉛フリー化」を両立する特殊マイクロ銀焼結ペースト

大阪府

化研テック株式会社

2022年1月28日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 パワー半導体の鉛フリー化を実現する特殊マイクロ銀焼結ペーストの開発
基盤技術分野 材料製造プロセス
対象となる産業分野 環境・エネルギー、自動車、情報通信、半導体、エレクトロニクス
産業分野でのニーズ対応 高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(小型化・軽量化)、高性能化(信頼性・安全性向上)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮)、高効率化(生産性増加)、環境配慮、低コスト化
キーワード 銀ペースト、低温硬化、低コスト、特殊形状、毬栗
事業化状況 事業化に成功
事業実施年度 平成26年度~平成28年度

プロジェクトの詳細

事業概要

マイクロ銀粒子の形状、サイズ及び表面処理剤を最適化して目的のマイクロ銀ペーストを開発する

開発した技術のポイント

【本開発技術】
独自に培ってきた特殊形状銀粉の製造技術、表面処理技術を活用し、ナノサイズ粒子を用いず、マイクロサイズの銀粒子のみで、「窒素雰囲気下、無加圧焼結可能なパワー半導体接合用銀ペースト」を開発することができた。

派生技術として焼結タイプ以外の銀ペースト技術より低銀濃度で抵抗値を低下できる様になった。

具体的な成果

【本開発技術】
・0.3μm以上の任意の粒子径および形状の銀粒子が作製可能となった
・窒素雰囲気下、300℃×1HR加熱で収縮率が小さく99%以上の表面処理剤が脱離するマイクロ銀粒子を開発した
・銀含有率93Wt%でディスペンス塗布可能なマイクロ銀焼結ペーストを開発した
・窒素雰囲気下(酸素濃度100PPM)300℃×1HR加熱後に、ダイシェア強度が60MPa、比抵抗5×10-6Ω・cm、熱伝導率170W/m・Kの性能を有している
・恒温恒湿放置前後(85℃/85%RH/168HR)の接合強度に低下がみられずSAT観察や断面観察による剥離やクラックの伸展がみられないこと、260℃×10sec加熱後のリフロー耐性を確認した
・窒素雰囲気下230℃×3HRでも、300℃×1HR加熱と同様の良好な焼結接合が得られることを確認した

【派生技術として焼結タイプ以外の銀ペースト技術】
・多彩な銀粒子製造技術を用い、焼結タイプ以外の銀ペーストへの応用を検討。より低銀濃度で抵抗値を低下できる様になった。

本技術銀粉
本技術接合部
派生技術薄片銀粉1
派生技術薄片銀粉2
派生技術毬栗銀粉
知財出願や広報活動等の状況

本サポイン事業の研究開発成果については、論文発表・知的財産の取得には至っていない。
展示会への出展を行っている。(インターネプコンジャパン、JISSO PROTEC、電子デバイスフォーラム京都)

研究開発成果の利用シーン

【本開発技術】
パワー半導体におけるダイボンディング等のシーンにおいて利活用が可能である。

【派生技術として焼結タイプ以外の銀ペーストへの応用】
本技術を用いることにより、低銀濃度ペーストや、低温硬化の銀ペーストにおいても、安定した導電性が得られている。
耐熱性の低いLED接合、部品実装、アース、配線等のシーンにおいて利活用が可能である。

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

電子業界の複数企業から引き合いがありサンプル提供中
採用に向けた信頼性試験が進んでおり、引き続き事業化に向け注力して行く。

提携可能な製品・サービス内容

製品製造

製品・サービスのPRポイント

低温(250℃)焼結する高導電・高伝熱銀ペースト
ダイボンディングに最適な高導電銀ペースト(高導電性・高伝熱性)
コスト1/2を実現した低銀ペースト(銀含有量50wt%、ペースト比重2.1)
常温乾燥! 一液常温乾燥型銀ペースト(熱に弱い電子部品に最適)
弱耐熱樹脂が複合されたスマートフォン用電子部品向けの低温(100℃)硬化の高信頼性導電性接着剤

今後の実用化・事業化の見通し

サポインで培った技術からの派生技術をベースに、製品開発と事業化に注力。
現状の開発品の性能にあった用途を幅広く開拓する予定である

・電子業界の企業から引き合いがあり、サンプル提供中。採用に向けた信頼性試験が進んでいる。
・販路拡大に向けインターネプコンジャパン、JISSO PROTECに出展 

実用化・事業化にあたっての課題

弊社技術にマッチングした顧客の探索

事業化に向けた提携や連携の希望

大学と連携して進めている。

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 化研テック株式会社 研究開発2部
事業管理機関 公益財団法人滋賀県産業支援プラザ
研究等実施機関 滋賀県東北部工業技術センター 有機環境係 主任主査 平尾 浩一 脇坂 博之
アドバイザー 公立大学法人兵庫県立大学大学院 工学研究科 化学工学専攻 教授 岸 肇
田中貴金属工業株式会社 執行役員 化学回収カンパニー 湘南工場 工場長 奥田 晃彦
田中貴金属工業株式会社 グローバル30 ビジネスユニットAg接着剤BU マーケティング部チーフマネージャー 田中 壯和

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 化研テック株式会社(法人番号:5120001146957)
事業内容 製造業:国内トップシェアの電子回路用フラックス洗浄剤・洗浄装置や独自開発した特殊形状銀粉を用いた導電性接着剤の開発・製造
社員数 89 名
生産拠点 滋賀工場(滋賀県) 2つの工場を保有
本社所在地 〒576-0036 大阪府交野市森北1丁目23番2号
ホームページ https://www.kaken-tech.co.jp/
連絡先窓口 研究開発2部   古井 裕彦
メールアドレス furui@kaken-tech.co.jp
電話番号 0748-25-7510