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材料製造プロセス

従来プロセスでは実現困難であった感熱紙+RFIDタグを環境負荷の少ないインクジェット技術で実現する。

大阪府

ゼネラル株式会社

2025年1月27日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 世界初・銀ナノインクアンテナを有する感熱紙印字タイプRFIDタグの研究開発
基盤技術分野 材料製造プロセス
対象となる産業分野 医療・健康・介護、スマート家電、食品、印刷・情報記録、物流・流通
産業分野でのニーズ対応 高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮)、環境配慮
キーワード 紙RFID,金属ナノ粒子,導電性インク,プリンテッドエレクトロニクス,脱プラスチック
事業化状況 研究実施中
事業実施年度 令和2年度~令和4年度

プロジェクトの詳細

事業概要

銀ナノインクをインクジェット印刷にて感熱紙に直接アンテナを印刷し、焼結を必要としない導電性を発現する受容層を付与し、感熱紙裏面へ直接アンテナを形成し、プラスチックフリーで環境にやさしい世界初の感熱紙を使用したRFIDタグを開発した。

感熱紙RFIDラベル
銀ナノインク
開発した技術のポイント

・銀ナノインクジェットインクの開発
‐描画後のアンテナパターンにおいて、導電性を発現させることが可能な銀ナノインクジェットインク及び、その製造プロセスを開発した。
・受容層感熱紙の開発
‐銀ナノインク中の溶媒等の成分を吸収し焼結工程を行わず導電性を発現させる受容層インクと、それを感熱紙裏面に構築する技術を開発した。
・銀ナノインクアンテナ印刷感熱紙 製造プロセスの開発
‐感熱紙の裏面に銀ナノインクを用いてアンテナパターンを速度5m/minでロール状に印刷可能な設備、プロセスを構築した。

具体的な成果

・銀ナノインクを用いた感熱紙RFIDタグの開発に成功し、7×7mmアンテナサイズにて通信距離4.2メートルを達成。
・高温高湿環境下や冷熱衝撃試験において、通信距離や性能に大きな変化は見られず、信頼性を確保。
・ロールtoロールで5m/minの速度で銀ナノインクを印刷可能なプロセスを確立し、日産10万個の生産能力を達成した。銀ナノ分散体については1.5kg/日採取可能、また、銀ナノインクジェットインク作製は3kg/日作製できることを確認済。

知財出願や広報活動等の状況

・銀ナノインクジェットによる導電性発現機構に関連する技術の特許を出願中。
出願番号: 特願2022-68163
2024年は以下の広報活動、展示会への出展を行った。
1/31~2/2 nano tech 2024
2/5 ZTV 取材対応
2/13 ピッチイベント
3/4~3/6 Sino-PACK(中国)
6/12~6/15 PRO PAK(タイ)
10/9~10/12 ALL PACK(インドネシア)
10/23~10/24 TOKYO Pack(日本)
10/28~10/29 JITF2024(日本)

展示会出展風景(RFIDアンテナ)
展示会出展風景(銀ナノインク)
研究開発成果の利用シーン

開発された感熱紙RFIDタグは、プラスチックを使用せず、環境に優しい特性を有するため、スマート物流や医療分野での利用が見込まれる。物流においては、スマート物流の進展に伴い、短納期かつカスタマイズ可能なRFIDタグが求められており、このタグはそのニーズに応えるものである。また、医療分野では検体管理の正確性向上に寄与し、特に感染症対策としての迅速な検体検査を実現する。

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

物流業界や医療分野での市場導入に向けて、事業化が進められている。令和5年度は補助事業内で作製したサンプル品で市場調査及び、マウント加工可能な協力会社を探す。令和5~7年にかけてICのマウントが可能な協力会社を模索し、ICマウントに関わる追加研究を実施する。

提携可能な製品・サービス内容

共同研究・共同開発

製品・サービスのPRポイント

感熱紙RFIDタグの最大の特徴は、プラスチックを使用せず環境に優しい点にある。また、短納期対応が可能で、少量多品種生産に適しているため、カスタマイズ性が高い。さらに、通信距離の向上や耐久性の強化が施され、物流や医療分野での活用が期待されている。この技術は、持続可能な社会への貢献として、企業の環境対応戦略にも合致している。
銀ナノインク技術においては、焼成が不要で導電性が付与できるという点から、他銀ナノインクメーカーとの差別化が可能である。

今後の実用化・事業化の見通し

本技術は、今後さらに多様な分野での展開が期待されている。物流分野では、スマート物流に対応したソリューションとして、RFIDタグの活用が進むと見込まれている。医療分野では、検体管理の精度向上や迅速な検査対応が求められており、この技術が貢献する。さらに、コスト削減や技術の進化により、幅広い産業での利用が可能となる見通しである。
銀ナノインク技術としては、RFID以外にも回路形成や電波遮蔽等の使用用途を模索中であり、今後も展示会等に出展し情報収集と企業とのマッチングを狙う。

実用化・事業化にあたっての課題

・銀ナノインクジェットインク
-銀ナノインクジェットインク製造工程において、コスト削減を目的として銀の回収率向上を検討する。
・受容層感熱紙の内製化
-ゼネラル社内にはナイフコーターが無い為、外注加工を想定しているが、製品の取り回しの関係、品質担保の関係から極力内作化を進めたい。よって今後、ゼネラル社にあるバーコーターで塗工試験の実施を試みる。
・ICタグのマウント及びラベル化
-コストダウンのため、ICタグを使用しない、生のICをマウントできるかの検討が必要。

事業化に向けた提携や連携の希望

特殊RFID(紙ベース等)の開発を検討している企業との提携
生ICのマウント技術を擁する機械メーカー、実装技術を持つ企業との提携
銀ナノインクを用いた新規商品の開発を目指している企業、プリンテッドエレクトロニクスについて研究を検討している企業との提携

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 ゼネラル株式会社
事業管理機関 公益財団法人滋賀県産業支援プラザ 連携推進部 プロジェクト管理室
研究等実施機関 滋賀県工業技術総合センター
アドバイザー 大阪シーリング印刷株式会社

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 ゼネラル株式会社(法人番号:6010501029473)
事業内容 プリンティングメディア事業・OAサプライ事業
社員数 267 名
生産拠点 滋賀工場 〒528-0062 滋賀県甲賀市水口町さつきが丘18番地、マレーシア、中国青島にも工場を保有
本社所在地 〒536-0005 大阪府大阪市城東区中央二丁目15番20号
ホームページ https://www.general.co.jp/
連絡先窓口 商品開発部 副課長 滝川永一
メールアドレス hisakazu_takikawa@general.co.jp
電話番号 0748-63-5661