複合・新機能材料
人体に対して無害で信頼性の高い革新的金属素材を用いた小型化低侵襲治療用医療機器
福井県
武生特殊鋼材株式会社
2020年4月20日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 低侵襲治療用医療機器に最適なチタン系高強度・高靭性素材の開発 |
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基盤技術分野 | 複合・新機能材料 |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護、産業機械、食品 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(小型化・軽量化)、高性能化(信頼性・安全性向上) |
キーワード | 高強度、高靱性、生体適合性、チタン、粉末冶金 |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中 |
事業実施年度 | 平成26年度~平成28年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
低侵襲治療への術式改善が進む中、手術器具も小型化・高精度化が求められている。しかし、従来の金属素材では小型化に伴い強度等が不足し、術者が望む器具性能が出せず、それが機器小型化の制約条件にもなっている。本件は大阪大学が有する粉末冶金技術シーズを活用し、武生特殊鋼材株式会社の持つ圧延鍛造技術を応用することで、これからの小型高性能医療機器に最適な生体親和性に優れたチタン系高強度・高靭性素材を開発する
開発した技術のポイント
小型化された手術機器において、従前製品と同様に高い機能・性能を発揮できると同時に、術者への負担も少なく、人体に対して無害で、かつ使用実績ある信頼性の高い元素のみを用いた革新的金属素材の開発を行う
(新技術)
・材料を一切溶かさない粉末冶金法
・高純度チタン粉末以外に酸素や窒素を適切量配合し、混合後、成形および焼結を行う
(新技術の特徴)
チタン内部に酸素・窒素原子を適正に配列でき、高強度・高靱性を発現
具体的な成果
・酸素固溶現象による固溶強化により、引張強さ1100MPa以上、破断伸び15%以上を達成した
・チタン素材において問題となる亀裂や割れなどの欠陥の発生はなく、良好な熱間圧延チタン素材の試作に成功した
・硬度測定や曲げ試験などの機械特性評価を行なったところ、細線形状・薄肉部品として機能を満足することを見込める評価結果を得ることができた
・洗浄・滅菌によって残留物を十分に除去可能で手術用器具用素材として使用可能なことを明らかに、試作したバイパス手術用攝子の性能に対して臨床医と検討した
研究開発成果の利用シーン
・革新的金属素材による小型化された手術機器
‐低侵襲治療の術式改善が進む中、手術機器も小型化
‐検査診断機器に悪影響を及ぼさないように、素材には非磁性
‐生体適合性の高い元素(チタン系素材)のみを素材とした治療機器
・高強度・高靱性を両立できる素材のメガネフレームやスポーツ製品、食器など日用品素材への適用
・錆の懸念がないメンテナンス性に優れる刃物製品
実用化・事業化の状況
提携可能な製品・サービス内容
素材・部品製造
製品・サービスのPRポイント
・小型化された手術機器
・従前製品と同様に高い機能・性能
・術者への負担軽減
・人体に対して無害で、かつ使用実績ある信頼性の高い元素のみを用い金属素材
今後の実用化・事業化の見通し
・高強度、高靱性であり生体適合性の高いチタン系素材は、低侵襲治療機器や将来の小型手術ロボットにも適用できるなど、幅広い応用展開が可能である
・航空機産業において、軽量化は航空機の性能や燃費に大きく寄与するため、比強度の高い素材が求められ、本事業で研究開発する素材製造技術はこのような航空機のエネルギー消費に対しても大いに貢献できる
実用化・事業化にあたっての課題
販路開拓
事業化に向けた提携や連携の希望
特色のあるチタン素材を探求している企業との連携
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 武生特殊鋼材株式会社 |
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事業管理機関 | 公益財団法人ふくい産業支援センター |
研究等実施機関 | 株式会社シャルマン 国立大学法人大阪大学 国立大学法人福井大学 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 武生特殊鋼材株式会社(法人番号:7210001011786) |
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事業内容 | クラッド材の製造販売および金属加工 |
社員数 | 52 名 |
生産拠点 | 福井県越前市 |
本社所在地 | 〒915-0857 福井県越前市四郎丸町21-2-1 |
ホームページ | http://www.e-tokko.com/ |
連絡先窓口 | 武生特殊鋼材株式会社 |
メールアドレス | tsubokawa@e-tokko.com |
電話番号 | 0778-24-3666 |
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