複合・新機能材料
金属と同等の強度・剛性を維持しつつ、軽量化・環境配慮・低コスト化が可能な中空構造部材である
石川県
北陸ファイバーグラス株式会社
2023年2月11日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 熱可塑性樹脂FRPの革新的中空構造部材作製技術の開発 |
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基盤技術分野 | 複合・新機能材料 |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護、航空・宇宙、自動車、産業機械、建築物・構造物、工作機械 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、環境配慮、低コスト化 |
キーワード | 熱可塑性樹脂、軽量化、高強度、中空、FRP |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中 |
事業実施年度 | 令和1年度~令和3年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
熱可塑性樹脂FRPパイプを作製するためにはクローズドモールド成形が採用されているため、高額な金型費用や成形装置費用が必要となり結果として高コストとなってしまう。本事業により、熱可塑性樹脂FRPを用いた革新的な中空構造部材の作製技術(オープンモールド成形)を開発することにより、金属と同等の強度・剛性を維持しつつ、軽量化、環境配慮、低コスト化が可能となるため、自動車、航空宇宙分野への普及が可能となる。
開発した技術のポイント
・スーパーエンプラを使用した半含浸コミングルヤーンの作製手法の確立
・スーパーエンプラを使用した半含浸コミングルヤーンの高速生産手法の確立
・オープンモールド成形に適した繊維状中間材料の開発
・繊維状中間材料を用いた組物作製技術の開発
・ロボット技術を用いたオープンモールド成形技術の開発
具体的な成果
・スーパーエンプラを使用した高含浸性繊維状中間材料の開発
‐高温対応型の混繊機の開発を実施
‐スーパーエンプラを母材樹脂とした半含浸コミングルヤーンの製造方法を確立
‐加熱装置の強化等によって高速生産する手法を確立
・オープンモールド成形に適した繊維状中間材料の開発
‐繊維状中間材料の変形抵抗、低成形圧力条件下での含浸性、テキスタイル加工性および界面特性の評価を行った
・繊維状中間材料を用いた組物作製技術の開発
‐組物加工後の繊維強度低下10%以下を達成
・ロボット技術を用いたオープンモールド成形技術の開発
‐ロボットアームと加熱装置を導入した成形機を用いて、組物複合材料パイプのオープンモールド成形技術を構築
知財出願や広報活動等の状況
・スーパーエンプラを母材樹脂に使用した半含浸コミングルヤーンの基幹技術の一つとして、特許出願済み。(特願2020-18628)
・下記内容に対して特許取得を計画。
‐ロボットアームを用いたオープンモールド成形技術熱可塑性組物
‐テーパ形状やR形状を有する組物作製技術
‐スーパーエンプラを母材樹脂に使用した半含浸コミングルヤーン
研究開発成果の利用シーン
熱可塑性樹脂FRPを用いた革新的な中空構造部材の作製技術を開発することにより、自動車、航空宇宙分野への普及が可能となる。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
熱可塑性樹脂CFRPのサンプルを、自動車メーカーであるトヨタ自動車、ホンダ、日産自動車、マツダ、富士重工業、ダイハツ、スズキ等の国内メーカーおよび、BMW、VW、ベンツ、フォードなどの海外メーカーなどに出荷し、CFRTP板材の普及、事業の拡大を目指す。
提携可能な製品・サービス内容
設計・製作、素材・部品製造、試験・分析・評価、共同研究・共同開発、技術ライセンス、技術コンサルティング
製品・サービスのPRポイント
熱可塑性樹脂FRPのオープンモールド成形の開発により、金属と同等の強度・剛性を維持しつつ、軽量化、環境配慮、低コスト化が可能となる。
今後の実用化・事業化の見通し
熱可塑性樹脂CFRP技術に関しては、現在、自動車部品製造メーカーでの使用実績も多いため、これまでの販売ルート及び販売形態を継承でき、即効性かつ実現性の高い事業展開が可能である。また現在主流である成形方法に対してオープンモールド成形成形方法が採用されることにより、生産速度の大幅な向上、およびコストの低減が見込まれ、製品製造会社の売り上げアップ又は製品のコストダウンが可能となる。
実用化・事業化にあたっての課題
複合材料分野や自動車関連分野の学会や展示会で研究成果の発表を行い、認知度を高める必要あり。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 北陸ファイバーグラス株式会社 代表取締役 北村雅之 |
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事業管理機関 | 公益財団法人石川県産業創出支援機構 プロジェクト推進部 |
研究等実施機関 | 国立大学法人東海国立大学機構岐阜大学 工学部 機械工学科 仲井朝美 国立大学法人京都工芸繊維大学 繊維学系 先端ファイブロ科学専攻担当 大谷章夫 カジレーネ株式会社 イノベーション事業戦略室 本近俊裕 |
アドバイザー | サカセアドテック株式会社 KYB株式会社 |
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 北陸ファイバーグラス株式会社(法人番号:2220001012400) |
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事業内容 | 産業資材向け繊維製品加工製造業 |
社員数 | 28 名 |
生産拠点 | 本社工場、他4工場(石川県) |
本社所在地 | 〒923-0336 石川県小松市那谷町72番地 |
連絡先窓口 | 北陸ファイバーグラス株式会社 代表取締役 北村雅之 |
メールアドレス | mkitamur@eos.ocn.ne.jp |
電話番号 | 0761-65-1665 |
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