表面処理
「塗装コスト削減」と「環境対応」の両立を可能とするこれまでにない塗装ブースの開発
新潟県
有限会社田辺塗工所
2020年4月20日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | VOC排出量削減と塗装コスト削減を同時に実現する「泡と微生物を利用したVOC高効率捕集・高分解塗装ブース」の開発 |
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基盤技術分野 | 表面処理 |
対象となる産業分野 | 環境・エネルギー、自動車、産業機械、建築物・構造物、工作機械 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(精度向上)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮)、高効率化(人件費削減)、高効率化(生産性増加)、環境配慮、低コスト化 |
キーワード | 不良率改善、塗装コスト削減、VOC削減、環境対応 |
事業化状況 | 事業化に成功し継続的な取引が続いている |
事業実施年度 | 平成26年度~平成28年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
塗装工程におけるVOC削減は製造業にとって喫緊の課題である。本事業では泡によるスクリーンと微生物を利用したVOC高効率捕集・高分解塗装ブースを開発する。従来の水膜による補修と異なり、ブースと別にVOC処理設備を導入する必要がなく、スクリーンの両面配置と上下圧送式により粉体塗料も使用できる構造とし、導入コスト、汎用性で優位性を持たせる。加えて、消費電力を従来比1/2以内とし塗装コストの削減を実現する
開発した技術のポイント
泡によるスクリーンと微生物を利用したVOC高効率捕集・高分解塗装ブースを開発する(スクリーンの両面配置と上下圧送式により粉体塗料も使用できる構造で、導入コスト、汎用性で優位性を持たせる)
(新技術)
・バブルスクリーンで泡による捕集
・上下圧送構造の導入
・微生物によるVOCの分解
(新技術の特徴)
・泡生成の制御
・消泡器の制御
・バブルスクリーンの形状
具体的な成果
・塗料ミスト・塵埃・VOCを効率的に捕集する泡の生成条件と破壊手法の検討で次の点が明らかになった
‐レプリカ用泡ブースの運転条件、各種条件と泡径の関係性
‐泡による塗料ミスト・塵埃・VOCの吸収性能
‐消泡前後の泡液密度を測定し、最適な運転条件を把握
‐VOCの捕集は目標に届かなかった
・溶存VOCの効率的な微生物分解を検討し、増殖する微生物を確認したが、装置への適用はできなかった
・泡発生器、スクリーン、移送機構、消泡器、VOC処理槽設計技術
‐泡発生器形状の最適化、シミュレーションによる捕集効率の高い遮藪板の改良等を実施した
‐メンテナンスにかかる工数削減のため、VOC処理槽の仕様を開放型+フィルター機構へ改良
・開発した機器と上下圧送構造を用いた試作機開発と実使用環境下での性能評価
‐開口面積当りの消費電力では、対ベンチュリーブースで最大約85.5%、対水洗式ブースで最大約77.6%削減
知財出願や広報活動等の状況
販売特約店契約の進捗が予定通り進まない。
研究開発成果の利用シーン
高効率塗料ミスト捕集ブース
・バブルスクリーンの採用
・スクリーンへの塗料付着防止対策
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
サポイン終了から2年間市場に合わせたバージョンアップを図り販売と納品に至る
提携可能な製品・サービス内容
設計・製作、加工・組立・処理、試験・分析・評価
製品・サービスのPRポイント
・塗料ミスト捕集率
‐98.5%(従来機のミスト放出量を1/2に低減)
・ランニングコスト低減
‐消費電力:81.5%減(対水洗式)、91.5%減(対ベンチュリー式)
‐廃棄処理費:80%削減
・作業環境改善
‐作業者の有機溶剤被ばく量1/4に低減
‐稼働時騒音1/5~1/10
今後の実用化・事業化の見通し
・販売特約店網を構築していく
実用化・事業化にあたっての課題
細部の改良を必要とする。
事業化に向けた提携や連携の希望
販売特約店網の構築
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 有限会社田辺塗工所 |
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事業管理機関 | 公益財団法人新潟市産業振興財団 |
研究等実施機関 | 株式会社吉田工業 津島屋鐵工所 学校法人新潟工科大学 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 有限会社田辺塗工所(法人番号:7110002004048) |
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事業内容 | 金属焼付塗装 |
社員数 | 14 名 |
本社所在地 | 〒950-0881 新潟県新潟市東区榎町20番地 |
ホームページ | http://www.syaga.co.jp/index.html |
連絡先窓口 | 代表取締役 田辺直 |
メールアドレス | info@syaga.co.jp |
電話番号 | 025-273-0011 |
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