表面処理
“ゲル状めっき液”と“ディスペンス型塗布装置”を融合したゲル状めっきシステムの開発
埼玉県
吉野電化工業株式会社
2020年4月20日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | ゲル状めっきシステムの開発 |
---|---|
基盤技術分野 | 表面処理 |
対象となる産業分野 | 自動車、半導体、エレクトロニクス |
産業分野でのニーズ対応 | 高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮)、環境配慮、低コスト化 |
キーワード | ゲルめっき、マスクレスパターンめっき、工程短縮、コスト削減 |
事業化状況 | 研究実施中 |
事業実施年度 | 平成26年度~平成28年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
情報通信機器、ロボット等に使用される電子部品の更なる高機能化を実現するため3次元形状の微細電極やリードフレームが開発されている。これらの接合部には部分めっきが必要であるが、従来のめっき方法では複雑なマスクやエッチング工程が必要となるため、めっき加工が困難である。本研究ではゲル化しためっき液とディスペンス型塗布装置を融合させることで、任意の箇所に直接部分めっきが可能なめっきシステムを開発する
開発した技術のポイント
高速めっきおよび量産にも対応可能なゲル状めっきシステムの開発
(新技術)
・電極ノズルで吐出と同時にめっき
・ゲル状めっき液に微粒子を混合し、微粒子をめっき膜に共析させてめっきを行う
・電解質溶液中でゲルめっきする
(新技術の特徴)
・吐出ノズルの電極化
・短時間厚膜化が可能
・量産対応が可能
具体的な成果
・ゲル状銀めっき液の開発
‐開発銀めっき液による皮膜にはピットやムラ等がなく、表面粗さRa0.3μmで良好な皮膜が得られた
‐カソードでのガス発生がなく、電流効率100%を得て、膜厚3μm以上、成膜速度10μm/hr以上を達成
‐めっき液の使用条件最適化を図り、パターニング幅200±20μmで、安定的微細パターニングを確立
・微粒子混合ゲル状銀めっき液の開発
‐銀微粒子のサイズや混合比率を最適化した微粒子混合ゲル状めっき液により、均一な銀めっき膜が得られた
‐ディスペンス型塗布装置に合ったゲル化剤を選定し、パターニング幅200±20μmを達成
‐銀微粒子を高密度に共析させ成膜速度0.6μm/sec以上、短時間で厚膜3μm以上の厚膜化を可能にした
・液中ゲルめっきの開発
‐ゲル状めっき液と電解質溶液を用いて、マスクレス液中ゲルめっき技術を確立し、めっき液表面にゲル皮膜を形成することで、めっき液の溶解及びめっき液成分の溶出を防いだ
知財出願や広報活動等の状況
特許出願
「ゲルめっき方法」(特願2017-043813)
「ゲルめっき方法」(特願2017-043832)
研究開発成果の利用シーン
・ディスペンス型塗布装置によるめっきシステム
‐ディスペンス型塗布装置の吐出ノズルを電極にすることで、ゲル状めっき液のパターニングと同時に電気めっきを可能した
・微粒子混合ゲルめっき技術
‐めっき皮膜への銀微粒子の高密度共析により、短時間厚膜化が可能
・液中ゲルめっき技術
‐予めゲル状めっき液をパターニングしためっき基板を電解質溶液中でめっきすることで、ハイスループット化による量産対応を可能にした
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
有償にて試作対応、客先評価中。評価結果をフィードバックしてもらい、問題点の改善に向けて検討を継続。
提携可能な製品・サービス内容
加工・組立・処理、共同研究・共同開発
製品・サービスのPRポイント
加工プロセスの簡略化、めっき液使用量の削減
・製造原価50%以上削減
・めっき液使用量70%以上の削減
今後の実用化・事業化の見通し
・ユーザーにサンプル提供し評価を行い、開発した技術は学会誌、講演、展示会等を通して宣伝を行っている
・開発したゲル状銀めっき液および微粒子混合ゲル状銀めっき液は表面処理薬剤メーカーとライセンス契約を締結することによりライセンス先と他のめっき事業者間での受注・販売による事業拡大を目指す
・試作対応を積極的に進め、事業化を目指す
実用化・事業化にあたっての課題
人員不足
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 吉野電化工業株式会社 |
---|---|
事業管理機関 | 公益財団法人埼玉県産業振興公社 |
研究等実施機関 | 株式会社山本鍍金試験器 学校法人早稲田大学 学校法人東京理科大学 |
アドバイザー | 凸版印刷株式会社総合研究所 株式会社SSテクノ 埼玉県産業技術総合センター |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 吉野電化工業株式会社(法人番号:1030001064965) |
---|---|
事業内容 | めっき加工、金属熱処理 |
社員数 | 165 名 |
本社所在地 | 〒342-0008 埼玉県吉川市旭1-2 |
ホームページ | http://www.yoshinodenka.com/ |
連絡先窓口 | 研究開発部 多賀谷 |
メールアドレス | kaihatsu@yoshinodenka.com |
電話番号 | 048-993-1130 |
研究開発された技術を探す