研究開発された技術紹介

養鶏において問題である鶏舎の消臭、ハエ発生の減少を求める生産者ニーズに答えるため、乳酸菌およびその生産物の安定的な製造方法・品質規格を決定し、大量生産のための製造工程を確立する。具体的には、新規に見出した乳酸菌株とその増殖促進技術を基盤として、培養技術・工程を確立するとともに、設備・施設を設置して、現在の小規模生産から週間3トンの製造を目標とする。あわせて家畜飼育に関する効果について評価を行う

養鶏場の悪臭防止と、ハエ発生の低減を達成することが出来る発酵飼料を開発する

(新技術)
乳酸発酵飼料を添加した飼料を養鶏に利用する

(新技術の特徴)
養鶏場における悪臭及びハエの発生を抑制できる

・養鶏場における悪臭及びハエの発生を抑制できる乳酸発酵飼料の製造（図２）
・養鶏場における悪臭及びハエの発生を抑制できる乳酸発酵飼料を生産する乳酸菌の大量培養装置（図３）

・クレーム対応に要するコストを低減
‐開発した乳酸発酵飼料を飼料に添加することで、養鶏場における悪臭発生を抑制できる
‐近隣住民の生活環境保全が可能になるため、養鶏場に対する苦情・陳情の減少に貢献する
・ハエの発生による2次災害の防止に貢献
‐開発した乳酸発酵飼料を飼料に添加することで、養鶏場におけるハエの発生が抑制されるため、ハエの幼虫によるアンモニアの発生が抑制される
‐アンモニアが原因で発生する慢性呼吸器病の増加、金属の腐食、換気コスト増加を防止できる
・卵の品質向上に寄与
‐開発した乳酸発酵飼料を飼料に添加することで、養鶏場におけるハエの発生を抑制できる
‐ハエが原因で付着する卵のシミの発生が抑えられるため、品質等級の高い卵の生産に寄与する
‐高い品質等級の卵を求める業者へ卵を提供可能になる

本事業で得られた研究成果や研究実施機関・アドバイザーとのネットワークを今後とも活用しながら、より大量の乳酸菌を増殖可能な条件の検討等、未達の目標値を達成するための研究を進める予定である。さらに鶏だけでなく、牛、豚への利用も行う。