研究開発された技術紹介

小型EVが普及するための課題は、車載用小型充電器の開発と充電時間の短縮である。小型化では内部の実装密度の向上、充電時間短縮には充電効率の向上が不可欠である。そのために、まず内部モジュールを高耐圧・高放熱粉体樹脂でコーティングすることで高密度集積技術を高度化する。さらに、独自技術であるワンコンバータのデジタル制御により充電効率の向上と部品数の削減を図り、小型化と充電時間短縮の技術を確立する

小型EVが普及するための課題である、内部の実装密度の向上による小型化、充電効率の向上による充電時間短縮を図る
(新技術)
入力フィルタの設計技術とデジタル制御技術、実装技術、高耐圧・高放熱紛体樹脂によるサブ基板モジュールの小型化、ワンコンバータ

(新技術の特徴)
大幅に小型化され、力率は保持したままで、電力効率を改善、充電時間を短縮したワンコンバータ方式の充電器

・粉体樹脂の構成成分であるエポキシ樹脂・充填剤・添加剤の選定・配合により、新しい成分の粉体樹脂開発を行い、2種類の樹脂開発に成功した
・2種の開発樹脂両方において、ピンホール発生有無確認については、マシン条件の最適化によりピンホール発生ゼロを達成し、塗装厚みバラツキは目標値を満足し、モジュール信頼性に関し、問題ないことを確認した
・導入した回路シミュレーションを用いて、ワンコンバータの制御方式や二次側の整流方式を検証し、制御プログラムを作成した
・小型充電器について、出力電力に対する体積比49%の充電器を設計・試作を行い、車両搭載機器として必要な信頼性試験を実施し、問題なきことを確認した
・試作した充電器を車両に搭載し、異常動作や破損無き事を確認した

・小型EV用の車載小型充電器
・高耐圧・高放熱紛体樹脂
・産業機器用電源

事業化に関しては、まだ引き合いない。発生技術として220V,1.5kW充電器を客先提供中。

小型EV車載用の充電器を、サブ基板モジュールの高密度・狭隣接実装により小型化、コンバータ回路を2回路から1回路化(ワンコンバータ)することで効率を高めて充電時間短縮

・高耐圧・高放熱紛体樹脂においては、樹脂性能は問題なく、コストが最終的な製品実現化の課題としてあげられるが、放熱フィン価格と開発樹脂品をコーティングした製品の樹脂付着量を加味した樹脂価格とでは、コーティングした場合が低コストとなり、製品実現性があるものと考える
・充電器においては、ワンコンバータ制御技術を個別の顧客に向けた製品への設計落とし込みが課題となり、また、充電器のみならず、他のAC/DCコンバータ、DC/DCコンバータへの応用も課題となる
・小型EVメーカーならびに産業機器メーカーに対し、PR・受注活動を行っていく