製造環境
高品質化、多数一括処理、高歩留まりの水晶振動子製造プロセス!
神奈川県
昭和真空株式会社
2020年4月11日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 極小化に対応した水晶振動子真空移載・加熱封止装置の研究開発 |
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基盤技術分野 | 製造環境 |
対象となる産業分野 | 自動車、産業機械、情報通信、スマート家電、半導体、エレクトロニクス、光学機器 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(小型化・軽量化)、高性能化(信頼性・安全性向上)、高性能化(精度向上)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮)、高効率化(生産性増加)、低コスト化 |
キーワード | 水晶振動子、周波数調整、真空中で搬送・移載、加熱封止、高歩留まり |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中 |
事業実施年度 | 平成25年度~平成27年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
水晶振動子も他の電子部品と同様、年々小型化、及び低価格化が進み、これに対応した周波数調整装置(昭和真空H22-24サポイン)を開発した。しかしながら、対応が進んでいない製造工程もあり、封止工程はそのひとつである。また、高精度に調整した水晶振動子も一度大気に戻してから封止することで周波数ばらつきが増加する。そこで、周波数調整した水晶振動子を大気に曝すことなく、真空中で搬送・移載して加熱封止する、高歩留まりの装置を研究開発する
開発した技術のポイント
真空中で処理することで、酸化、吸着、埃の影響を抑え、更に封止プロセスを最適化することで高品質化し、多数一括処理により高い生産性を得る高歩留まりの装置を研究開発
(新技術)
プロセス間部品移動、パッケージ加熱封止をすべて真空中で実施
(新技術の特徴)
部品が、大気に触れず、酸化、吸着、埃の影響を抑え、周波数ばらつきの悪化、封止不良の発生防止が可能
具体的な成果
・高歩留まり真空加熱封止装置の開発:月産400万個可能なタクトタイム0.4s/個と封止後周波数ばらつきが従来の1/2を実現
・水晶振動子の真空加熱封止後の特性変化について、そのメカニズムを解明するため水晶振動子の接合部分析、開封分析を実施
・真空中の高速昇温均一加熱ヒータは、トレー昇温特性は予備加熱設定温度到達まで3分、面内温度分布ばらつき±2℃、封止ヒータでのトレー昇温特性も設定温度まで1分弱、面内温度分布±1℃と良好な結果を得た
・真空中での低速昇降、振り落し動作等の移載動作変更により、移載成功率が85%から99.2%まで改善された
・周波数調整から封止まで真空中で一貫処理した水晶振動子特性の評価を行い、真空一貫処理の有効性(封止後周波数ばらつき低減)を検証した
知財出願や広報活動等の状況
特許出願なし。来客者向けの見学用に、加熱封止装置と未完成部の試作機を展示している。
研究開発成果の利用シーン
デジタル家電から自動車や基幹通信系などの産業インフラの電子機器に搭載される、小型低背化と高精度化のニーズに対応した水晶振動子の製造装置
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
研究開発を行った中で「加熱封止装置 SLS-401T」は完成しているため販売活動を開始している。未完成部は現在も研究開発を継続している。
提携可能な製品・サービス内容
設計・製作、加工・組立・処理、素材・部品製造
製品・サービスのPRポイント
周波数調整から封止工程まで大気に曝すことなく、処理中の酸化、吸着、埃の影響を抑え、封止プロセスの最適化を行うと共に、多数一括処理を可能とする
今後の実用化・事業化の見通し
・事業展開として、本研究で開発した高速昇温ヒータ、均等加圧機構、封止プロセスを搭載した真空加熱封止装置をH28年4月より販売開始し、3台/年を目標とする
・本研究で開発した静電吸着ピンを搭載した真空移載装置をH28年10月より販売開始し、3台/年を目標とする
実用化・事業化にあたっての課題
実用化レベルに達した「真空中での部品搬送・移載」技術を、製品レベルにブラッシュアップすること。
事業化に向けた提携や連携の希望
普遍性のある技術である「真空中での部品搬送・移載」技術に経験のある企業/研究機関との連携。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社昭和真空 |
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事業管理機関 | タマティーエルオー株式会社 |
研究等実施機関 | ワッティー株式会社 国立大学法人群馬大学 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 昭和真空株式会社(法人番号:9021001012619) |
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事業内容 | 水晶デバイス用、光学薄膜用、電子デバイス用などの総合的な真空関連装置並びに真空機器等 |
社員数 | 190 名 |
生産拠点 | 神奈川県相模原市中央区田名3062-10 |
本社所在地 | 〒252-0244 神奈川県相模原市中央区田名3062-10 |
ホームページ | http://www.showashinku.co.jp/ |
連絡先窓口 | 技術本部技術開発部 白井 修 |
メールアドレス | shirai@showashinku.co.jp |
電話番号 | 042-764-0391 |
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