立体造形
強化プラスチック(GFRP)と粘土膜(クレースト)の複合化により不燃性と透明性を両立させた高付加価値照明カバーが誕生
宮城県
株式会社宮城化成
2020年4月13日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 不燃透明複合材とそれを用いた照明カバーの製造技術の開発 |
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基盤技術分野 | 立体造形 |
対象となる産業分野 | 航空・宇宙、自動車、建築物・構造物、鉄道車両 |
産業分野でのニーズ対応 | 高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(小型化・軽量化)、高性能化(信頼性・安全性向上) |
キーワード | 不燃性、光透過性、軽量性、安全性、光拡散性 |
事業化状況 | 事業化に成功し継続的な取引が続いている |
事業実施年度 | 平成23年度~平成25年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
ガラス繊維強化プラスチック(GFRP)の表面層に、粘土膜(クレースト)をコーティングし、透明性、不燃性、軽量性、安全性、光拡散性の全てを併せ持つ新規複合材を開発する。さらに、それを用いた照明カバーの製造技術の開発を行う。真空含浸工法によるGFRP成形技術、クレーストを塗装する為の低粘性粘土ペースト及び塗装技術を開発する。さらに、試作した照明カバーの強度、光拡散性、耐久性等を評価する
開発した技術のポイント
光透過率60%以上を示し、かつ鉄道車両用材料の燃焼判定試験などの試験において不燃材の基準値をクリアする不燃透明材を開発し、その量産化プロセスの確立及びそれを用いた試作品の製作を行う
(新技術)
GFRPの難燃化技術と不燃である粘土膜(クレースト)技術とを複合させた技術を開発する
(新技術の特徴)
GFRPの表面を粘土膜(クレースト)でコーティングすることにより、不燃性と透明性を両立した不燃透明材の提供が可能になる
具体的な成果
・不燃透明材の製作及び量産化プロセスの確立
‐板材の充分な不燃性の確立、透明性(光透過性)の向上、照明カバーの量産が可能なプロセスの確立が実現した
・厚膜塗工に適した粘土の開発
‐低粘性合成粘土、耐久性に優れた粘土、スプレー塗工に適した粘土の開発に成功した
・LED照明器具の試作と評価
‐LED照明器具の試作品を製作し、各種評価を行った
‐照明用カバーとして問題のない光拡散性及び耐久性を示した
知財出願や広報活動等の状況
・特許 登録番号 第5589227号 「透明不燃材料及びその製造法」
・日本工業出版 「プラスチックス」 2017年7月号に掲載 (新しい難燃技法によるFRP成形品の開発)
・日刊工業新聞 2017年6月15日号に掲載
・日本、香港、中国、台湾に「EXVIEW」で商標登録済み
研究開発成果の利用シーン
・鉄道車両や航空機などの不燃性を必要とする乗り物の照明カバーや電照材のカバー
・地下街、公共施設、エレベーターなどの安全性を必要とする場所の照明カバーや電照材のカバーおよびパネル
・建築基準法で不燃材を求められる場所での照明カバーや電照材のカバーおよびパネル
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・観光列車などの鉄道車両の照明カバーとして採用されている
・2019年2月に建築材料の不燃認定も取得し、現在マーケティング活動中
・大型施設のデザイン照明に採用
提携可能な製品・サービス内容
製品製造
製品・サービスのPRポイント
・各分野にて不燃認定を取得
鉄道車両用材料燃焼試験(国内):アルコール燃焼試験およびコーンカロリーメーター試験にて不燃合格、溶融滴下なし
ヨーロッパ鉄道車両防火規格:EN45545でHL2レベルに合格
建築基準法:不燃材料として認定 認定番号 NM-4900
・不燃認定取得済みで光透過性を併せ持つ素材であり、今までガラスしか使えなかった場所に利用がが可能になり、新規市場開拓と売上増加に貢献
‐上記の素材は光透過性、不燃性、軽量性、安全性の4つを同時に併せ持つという従来の素材にはない性質を持つため、不燃性や光透過性の要件 をクリアできないがために提供が困難であった製品の開発が可能になり、新規顧客ならびに新規市場の開拓につながる
・デザインの観点からも、製品ラインアップの拡大による売上向上に貢献
デザイン性に優れた不燃性の高い照明器具や電照器具を製作することができる
今後の実用化・事業化の見通し
・既に事業化に成功し、鉄道車両の照明カバーや公共施設のデザイン照明として受注済み
・平板の製作可能サイズ 3500×950
・建材の不燃認定を取得したことにより、建築分野からの問い合わせが増えて来ている
・国内、中国、香港、台湾で商標登録済み
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社宮城化成 |
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事業管理機関 | 公益財団法人みやぎ産業振興機構 |
研究等実施機関 | クニミネ工業株式会社 梶原電気株式会社 公益財団法人岩手県南技術研究センター 東北センター 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
アドバイザー | ナガセケムテックス、中川ケミカル、日本車両 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社宮城化成(法人番号:1370201003160) |
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事業内容 | FRP(強化プラスチック)製品の製造、販売 |
社員数 | 56 名 |
本社所在地 | 〒987-2304 宮城県栗原市一迫北沢半金沢15-4 |
ホームページ | http://www.miyagi-kasei.co.jp/ |
連絡先窓口 | FRP製造課 課長 伊藤佑輝 |
メールアドレス | itou.y@miyagi-kasei.co.jp |
電話番号 | 0228-52-3931 |
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