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複合・新機能材料

3次元編物、表面染色の新技術により、環境負荷を低減する自動車シート材を開発

富山県

富士レース産業株式会社

2020年4月12日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 ウレタン、接着剤を使用しない環境対応型カーシートの開発
基盤技術分野 複合・新機能材料
対象となる産業分野 自動車
産業分野でのニーズ対応 環境配慮、低コスト化
キーワード 環境、コストダウン
事業化状況 研究実施中
事業実施年度 平成23年度~平成25年度

プロジェクトの詳細

事業概要

現行のカーシートの表皮材はそれ自体にクッション性が無い為、裏地及びウレタンフォームが接着剤により張り合わされて使用されている。接着剤やウレタンフォームは健康面や環境面で問題があるものの、カーシートの機能を満足させるため現在も使われている状況である。3次元編物・表面染色の新技術を活用し、ウレタンフォームや接着剤を使用しないクッション性、ファッション性に優れたカーシートの製作技術の確立を目指す。

開発した技術のポイント

3次元編物・表面染色の新技術を活用し、ウレタンフォームや接着剤、バネ材を使用しない、クッション性やファッション性に優れたカーシートの製作技術を確立する
(新技術)
ウレタンフォームや接着剤を使用しないカーシートを製作する
(新技術の特徴)
・3次元織物・表面染色の新技術の活用により、環境負荷の低減と軽量化を実現する
・容易にリサイクルが可能である

具体的な成果

・3次元編物・表面染色の新技術を確立
‐クッション性を持ち、起毛作業がしやすい3次元編物の作成を達成した
‐厚みのある3次元編物においても、起毛が可能な起毛技術を開発した
‐染色工程以降において起毛した表面のみを加工する技術を開発した
・カーシート製作技術の開発
‐カーシートの評価を行い、強度、圧縮耐久性において良好な試験結果を確認した

研究開発成果の利用シーン

・クッション性を持ち、起毛作業がしやすい3次元編物
・厚みのある3次元編物においても、起毛可能な技術
・起毛した表面のみを染色加工する技術

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

・3次元編物・表面染色の新技術を確立し、製作したカーシートの表皮材としての高い評価を得た
・今後はファブリックメーカー及び椅子メーカーに対してコストメリットを提示する必要があることと、生産体制構築にはかなりの資金調達が必要である

提携可能な製品・サービス内容

製品製造、技術ライセンス

製品・サービスのPRポイント

・良好なクッション性とファッション性
‐現行のカーシート表皮材は厚みが薄く、単体ではクッション性が無い為、ウレタンフォームを張り合わせてクッション性を保持している
‐開発品の3次元編物は厚みがある立体編物であり、ウレタンフォームを使用することなく、クッション性は良好でソフトな着座感がある
‐且つ3次元編物の表側編地には均一な起毛が施せる為、ファッション性に優れている
・製造工程の短縮化と座席シートの軽量化
‐裏地やウレタンの接着工程がなくなるため、全体工程が短縮され、軽量化にも貢献する
・100%リサイクルが可能
‐従来のウレタンフォーム製品は、焼却時の環境不可が懸念されていたが、有害物質を含まず環境に優しく、リサイクルが100%可能であるポリエステル製品を開発した

今後の実用化・事業化の見通し

・現在、自動車メーカーに販促及びプレゼンテーションを実施中である
・有害物質を使用していない環境に優しい材料であることは認知されてきているが、コスト面と椅子に組み込むアッシ作業等を含む生産性の検証に入っている
・今後は自助努力による生産性の向上と自動車メーカーのコンセプトでもある椅子の軽量化を提案することによって新しい展開に持ち込んでいく
・椅子の骨格をCFRP(炭素繊維強化プラスチック)で製作し、3D編物と一体化させることによって本製品の事業化は近いものとなる

実用化・事業化にあたっての課題

生産設備の構築

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 富士レース産業株式会社
事業管理機関 公益財団法人富山県新世紀産業機構
研究等実施機関 ハクサン染工株式会社
富山県産業技術研究開発センター

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 富士レース産業株式会社(法人番号:7230001009192)
事業内容 ニット(経編)製造業
社員数 27 名
本社所在地 〒932-0121 富山県小矢部市矢水町355
ホームページ http://www.str.or.jp/
連絡先窓口 紺谷
メールアドレス n.kontani@str.or.jp
電話番号 0766-61-3133