立体造形
フッ素樹脂やPEEK材等の射出成形を可能にする複合流動射出成形システムにより、部品製造におけるコスト削減が可能に
茨城県
水戸精工株式会社
2020年4月11日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | フッ素樹脂の複合流動制御・ハイサイクル精密射出成形技術の開発 |
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基盤技術分野 | 立体造形 |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護、半導体、化学品製造 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(精度向上)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮)、高効率化(生産性増加) |
キーワード | フッ素樹脂成形、エンプラ成型成形、スーパーエンプラ、PFA成形 |
事業化状況 | 事業化に成功し継続的な取引が続いている |
事業実施年度 | 平成23年度~平成26年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
医療、半導体装置ではプロセスの複雑化、微細化の進展で、フッ素樹脂需要が拡大し、これのハイサイクル成形化による、薄肉・大口径製品への適用と高精度、低コストな成形技術が強く求められている。しかし本樹脂は、高温域で流動性が悪く、難度の高い成形法で、従来は汎用樹脂の一部改良技術のため、多くの問題があり切削加工で対処している。本開発は、フッ素樹脂の溶融流動抵抗を減少し、高温・高速成形を実現するハイサイクル精密射出成形を開発する。開発された技術により大幅なコストダウンに繋がり、同業者への技術的、経済的な波及効果は大きい
開発した技術のポイント
フッ素樹脂の射出成形技術を高度化し、半導体製造装置で使用される配管・継手部品等の切削加工による製造方式からの脱却、歩留り向上、高品質化を狙った技術を開発する
(新技術)
3段方式の金型温調機の開発、射出時に最適な流動性を保てる付加機能をもった高機能な金型の設計・製作、これらを複合的に精密制御可能な高機能射出成形機を開発する
(新技術の特徴)
フッ素樹脂の高温、高速射出成形が可能となり、品質向上とコスト削減につながる
具体的な成果
・複合流動射出成形システムの構築
‐特殊チラーを開発、3段方式温調機に付加し連続運転を可能とした等の応用
・試作プレート、対向ウエルド試験片を用いた複合流動射出成形実験
・L字継手による複合流動射出成形実験
・T字継手による複合流動射出成形
・Gベースによる異材(PEEK)材への複合流動制御射出成形システム
・顧客ニーズによる、チューブ出し継手のサンプル製作
研究開発成果の利用シーン
・フッ素樹脂の複合流動制御・ハイサイクル精密射出成形システム
・高温状態の機器を安定して運用するために大型のバッファータンクを装備した特殊密閉チラーシステム
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・複合流動射出成形システムは実用化に成功し、事業化に向けて取り組んでいる
・複合流動成形の異材適用実験時には、医療分野である川下顧客の技術者を交えての実験を行い、半導体川下顧客からはフッ素樹脂の薄肉成形についての高い評価をもらい、次世代継手のサンプル製作の依頼を受けるなど事業化に向けて、川下顧客へのPRも積極的に行った
提携可能な製品・サービス内容
加工・組立・処理、素材・部品製造、共同研究・共同開発
製品・サービスのPRポイント
・フッ素樹脂の射出成形技術がコスト削減に寄与
‐フッ素樹脂の高温、高速射出成形を可能とする射出成形技術により、成形化が不可能であった形状の製品を高精度に射出成形することが可能になる
‐半導体製造装置、医療分析機器等の製造にフッ素樹脂製の部品が活用することで歩留りが高くなり、コスト削減に寄与する
・PEEK材の射出成形にも応用が可能な射出成形システムが医療機器部品の製造における射出成形比率を高め、コスト削減に貢献
‐求められる精度が厳しく、射出成形化が進んでいない医療機器分野においてPEEK材の高精度な射出成形が可能になり、医療機器部品のコスト低減に貢献する
今後の実用化・事業化の見通し
今後は複合流動成形のサンプル等を各種展示会に出展し、認知度を高めて早期の事業化につなげて行く予定である
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 水戸精工株式会社 |
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事業管理機関 | 株式会社ひたちなかテクノセンター |
研究等実施機関 | 茨城県産業技術イノベーションセンター 国立大学法人茨城大学 工学部 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 水戸精工株式会社(法人番号:5050001007092) |
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事業内容 | 樹脂精密加工、高機能樹脂の射出成形 |
社員数 | 68 名 |
本社所在地 | 〒311-1251 茨城県ひたちなか市山崎71 |
ホームページ | http://www.mitoseiko.co.jp/ |
連絡先窓口 | 営業課 舘裕一 |
メールアドレス | info@mitoseiko.co.jp |
電話番号 | 029-265-8004 |
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