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複合・新機能材料

高機能インク、化粧品、塗料、透明フィルム等への展開が可能な酸化亜鉛単結晶ナノチューブの製造技術

愛知県

ツカサ工業株式会社

2020年4月10日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 酸化亜鉛単結晶ナノチューブの低廉な量産技術の開発
基盤技術分野 複合・新機能材料
対象となる産業分野 医療・健康・介護、環境・エネルギー、農業、印刷・情報記録、光学機器、化学品製造
産業分野でのニーズ対応 高機能化(新たな機能の付与・追加)、環境配慮
キーワード 高機能インク、化粧品、塗料、透明フィルム
事業化状況 研究中止または停滞中
事業実施年度 平成21年度~平成22年度

プロジェクトの詳細

事業概要

カラーハードコピーの高画質化、高画像保存性の時代的ニーズによりインクの高性能化の要求がある。顔料系では粒子の微細化とその凝集対策が重要であり、マイクロカプセル化が研究されている。高保存性は顔料系、染料系共に紫外線対策が有効であり、本テーマの材料は、係るニーズに最適である。H21年度事業で導入した装置により製作を開始、現在プロセス完成の為補完研究を行っている。本事業により、目標到達へ一層の促進を図る

開発した技術のポイント

用途・部材ごとに耐光性、耐熱性等を向上
・インクジェット用インク→耐光性、画像保存安定性、微分散性、耐水性、耐ガス性、鮮明性、透明性、耐熱性の向上
・カラー印刷部材→耐光性、画像保存安定性、耐水性、耐ガス性、鮮明性、透明性、耐熱性、解像性の向上
・記録部材→耐熱性、耐光性の向上
(新技術)
(特徴)
・単結晶ナノチューブによるカプセル化
・廉価なナノチューブの製造が可能
・チューブ破砕により均一な薄片化が可能
・薄膜オーバーコートが可能

具体的な成果

・ZnO単結晶ナノチューブ製造プロセスの開発
‐過去の研究開発で製作した合成装置により前駆体を合成し、チューブ含有率向上のための適正な熱処理条件の探索を実施
‐加圧脱水後の水分含有率を安定させ(30~40%)、水分を60~70%添加量した後90℃×24Hrのチューブ成長処理をして、含有率を従来の約30%から55~65%まで向上
・ZnOナノチューブ製造装置の設計・製作
‐ろ過液を中和する再処理で得られた析出物は、酸化亜鉛単結晶ナノチューブの前駆体と同じ回折パターンを示した
‐ろ過液中のZnイオン残存量は第1段処理で.3mol/Lから0.00715mol/Lとなり、前駆体の回収率が大幅向上
‐簡易的にチューブ処理を実施したところ、一部ではあるがチューブ化の進行を確認し、製品化可能であることが判明
・ZnOナノチューブの基礎技術面の充実
‐先に導入した水分計を用い、前駆体溶出時の水分量を詳細に調べチューブ形成メカニズムと関連づけたところ、湿度を適正に制御することによりチューブ成長のための乾燥時間を10Hr程度まで減少させることができることが判明した
‐ZnOチューブを用いた薄膜の作製では、PVA添加により分散性の向上が認められた。膜厚6μmの場合、高い透過率を保持しつつ蛍光特性を示すことが判明
・作製された単結晶ナノチューブ
~析出物をろ過(ケーキ水分含有量50%)、90℃×2Hrでオーブン乾燥したときの、単結晶ナノチューブ~

知財出願や広報活動等の状況

・特許:「蛍光体粒子およびその製造方法」(特願2012-175253)
・新聞:「けいはんな新産業創出ニュースレター」第8号
・論文:Seiji Yamashita,M.Fuji,C.TakaiandT.Shirai,“Investigation of themorphological change into the fabricationof ZnO microtubes and microrods by a simple liquid processusing Zn Layered Hydroxide precursor”,Ceramics Transaction,2012
・発表:山下誠司、白井孝、高井千加、藤正督「Zn層状複水酸化物を利用した酸化亜鉛マイクロチューブの湿式合成」、日本セラミックス協会秋期シンポジウム(H23.9)
・Seiji Yamashita,T.SHirai,C.Takai,M.Fuji,“Morphological transformation from Layered ZincHydroxide to ZnO micro rod arrays by a simple wet process”ICCCI2012

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

・平成27年度末をもって研究開発を中止、実用化を断念した。

提携可能な製品・サービス内容

なし

製品・サービスのPRポイント

・新素材→酸化亜鉛単結晶ナノチューブは構造的にカプセル化が可能な材料である。現時点では薄片化により透明な紫外線遮蔽材として化粧品、塗料への適用に見通しが立ちつつある。また、黄色蛍光フィルムとしての用途の見通しも立ちつつある
・耐久性→インク及び塗料への適用により紫外線遮蔽による劣化防止や、透明性を活用したオーバーコートによる擦過摩耗防止を通じた寿命向上テストを実施中

今後の実用化・事業化の見通し

・品質安定化とユーザー評価のスピードアップに努力中
‐川下企業に試作品を提供し性能評価を実施してもらっている(第3次評価テスト実施中)。コスト低減を図るためロットサイズアップを図っている。ある程度、自社評価も可能となっており、これによる品質の安定化と客先における評価のスピードアップにつなげるべく努力中
‐ロールコーターによりプリカーサー薄膜を成形しZnOチューブを配向させた薄膜を作成し、既往材料との光学特性比較を継続試験中。従来ZnOとしては成功していなかった黄色発光が再現性良く得られるようになり、特許化を検討中
‐展示会等における客先の反応は非常に良く将来に向けての展望は明るい

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 ツカサ工業株式会社
事業管理機関 公益財団法人名古屋産業科学研究所
研究等実施機関 株式会社NCAP 平成28年3月会社清算
国立大学法人名古屋工業大学

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 ツカサ工業株式会社(法人番号:9180001091855)
事業内容 粉体プラント及び機器の設計開発・製造・販売
社員数 150 名
本社所在地 〒475-0037 愛知県半田市中午町178番地
ホームページ http://www.tsukasa-ind.co.jp
連絡先窓口 無し
メールアドレス sale-eng@tsukasa-ind.co.jp
電話番号 0569-22-5111