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複合・新機能材料

油圧延システムのデジタル化で油使用量大幅削減

千葉県

豊産マシナリー株式会社

2020年3月20日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 難圧延自動車鋼板等高級鋼材用生産技術に係る熱間圧延油の混合状態高機能制御技術の開発
基盤技術分野 複合・新機能材料
対象となる産業分野 産業機械、スマート家電、工作機械
事業化状況 研究中止または停滞中
事業実施年度 平成22年度~平成23年度

プロジェクトの詳細

事業概要

自動車鋼板等の高級鋼材の生産に必須な油圧延運用管理の難しさを解決するシステムを研究開発する。本システムは、赤外光技術と可変オリフィスの使用で水と油の混合度を定量化し、最適混合状態に保持・管理することにより、安定操業を可能とする。センサー情報と解析ソフトの連動で異常を事前検知し、トラブルを未然に防ぎ、生産効率向上を図るもので、油圧延の普及に有効である。また、油消費量とCO2発生の削減にも極めて有効である

開発した技術のポイント

水と油の適切な混合度を測定し、油圧延の自動化を実現させる
・スプレーする水と油の状態の確認→センサーを用いて混合度を可視化し、ロールへの付着量を定量化するとともに、1か月以上のノーメンテナンスを実現
・混合度の制御→無段階可変オリフィスの開発により微調整を可能に
・油圧延の自動化→適正混合度での油圧延データを収集・システム化し、熟練者の経験や勘に頼らず安定的な操業が可能に
(新技術)
・水と油の混合度を測定するセンサーの開発により、適切な分量を明らかに
・混合度の微調整が可能なオリフェス(バリアブルミキサー)を開発
・油圧延における水と油の混合等を自動制御し、安定的な操業を可能にし油使用量を大幅削減

具体的な成果

・水と油の混合度が油圧延に影響することを明確化
‐テストを重ねることにより、濃度・混合度を変えることで圧延ロールの摩擦係数変化を実証
‐摩擦係数が下がりすぎるとスリップが生じることから、混合度の調整が重要であることを確認
・センサーおよびミキサーを開発
‐混合部を検知するセンサーは耐久テストで、約10万回以上のピストン運動に対応。実ラインの場合に304か月間、ノーメンテナンスで使用できることを確認
‐混合度2,000~7,000(濃度条件による)の間で無段階調整が可能なバリアブルミキサーを開発
・混合度の自動調整機能を盛り込んだシステムを開発
‐設定した適正混合度値に向けて、操業中に自動でミキサーを制御
‐センサー信号や、適正混合度値からの逸脱からシステム異常を検知し、早期の異常発見を実現

知財出願や広報活動等の状況

・特許:油圧延の画像誘導評価可視表示システム及び方法(特願2009-140463)
・受賞:公益財団法人ひまわりベンチャー育成基金(H21)
・出展:AISTech2012(H24.5)
・出展:中国(北京)国際冶金工業展覧会(H24.9)

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

・H25年度の実用化に向け、補完研究中
・省エネルギー化油使用量が30~50%削減される。また、電力原単位が7%以上削減される
・無償試作機あり(ダイレクトセンサーをエンドユー今後の見通しザーに提供中)

製品・サービスのPRポイント

・精度向上→鋼板の板厚や形状精度を向上耐久性向上→圧延ロールの寿命を1.5~3.0倍伸ばすことが可能
・省エネルギー化→油使用量が30~50%削減される。また、電力原単位が7%以上削減される

今後の実用化・事業化の見通し

耐久性の改善のために研究を継続中。国内だけでなく将来的には東南アジア、北米市場への進出も視野に入れている
・川下企業に試作品を無償提供しテストしてもらっているが、耐久性に課題があることが判明
・耐久性テスト中であるが所定の目標性能に達しておらず改善を継続中である。実用化には半年程度要する見込み
・事業化は1年以上先と考えている。現在、国内大手をターゲットとしているが、東南アジアでの普及、その後は北米市場への進出を目指している

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 豊産マシナリー株式会社
事業管理機関 公益財団法人千葉県産業振興センター

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 豊産マシナリー株式会社
事業内容 流体の制御に関する各種システムの設計・開発、機器の制作を実施。主に鉄鋼、非鉄金属の圧延機制御での実績あり
本社所在地 〒290-0036 千葉県市原市松ケ島西1-1-19
ホームページ http://www.toyo-sun.com