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接合・実装

半導体の微細化を推進し、パッドのリサイクル化により環境負荷の削減も可能なTSV基板の平坦化技術を開発

三重県

東邦エンジニアリング株式会社

2021年2月19日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 半導体TSV基板の平坦化技術の開発
基盤技術分野 接合・実装
対象となる産業分野 半導体、エレクトロニクス
産業分野でのニーズ対応 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(小型化・軽量化)、高性能化(精度向上)、低コスト化
キーワード 異種材料研磨、段差解消、研磨パッド再生
事業化状況 事業化に成功し継続的な取引が続いている
事業実施年度 平成22年度~平成22年度

プロジェクトの詳細

事業概要

半導体関連産業では、小型・高精密化及び多機能化・高機能化・大容量高速情報処理化のニーズが高まっているが、従来の二次元的な微細化が限界に来ており、貫通電極(TSV)を用いて三次元的に構成する技術の開発が進められている。ところが、この製造工程は従来と異なり前工程(基板)と後工程(実装)を一体化した新規なものになる。本研究開発においては、平坦化(CMP)技術を高度化してTSV基板製造に対応できる技術を確立する

開発した技術のポイント

補助板を用い、さらにパッドの改良により研磨パッド消費量削減を目指す
・研磨パッドの再生技術→研磨パッドの繰り返し使用可能
・コスト25%削減・研磨能率の向上→研磨作業時間20%短縮
・パッドの寿命向上→パッドの寿命を2倍に向上
(新技術)
<研磨パッドのリサイクル化>
着脱を容易にし、コストの削減も実現

図3 .簡易なパッド着脱と経済効果
具体的な成果

・研磨パッドの再生技術の開発
‐取り付けが容易(5分以内に着脱が可能)な補助板を開発し、着脱を繰り返しても研磨精度が維持し、高い耐久性を確保
‐使用済みパッドを再生するため、微粒化した純水を高圧で吹き付ける方式のパッド洗浄装置を開発
‐洗浄後の乾燥は加熱処理を行っており、乾燥後は補助板を利用して密封することで、長期間保存をすることが可能
‐高精度な研磨トルク、研磨抵抗を測定する研磨定盤型の力測定装置を開発した。さらに、研磨パッドの粘弾性特性評価手法を開発し、高精度な研磨パッドの機上物性評価を実現した
‐再生加工したパッドは、問題なく実用できる性能を持つことを確認。また、30%のコスト削減が可能
・TSVの研磨能率の向上
‐パッド表面を切削仕上げし、研磨に適した状態に仕上げる方法を開発した。この方法により、200mm銅膜付基板研磨において、平坦性を10~40%向上させることに成功
‐TSV基材にめっきされている銅膜の除去に、銅研磨の温度依存性が高いことを明らかにし、温度管理を適正に行うことで研磨効率を向上させる方法を考案
・パッド表面仕上げのSEM画像(左:従来品、右:開発品)
〜開発品は、より研磨に適した状態に仕上がっている〜
・溝加工後の断面写真(左:従来品、右:開発品)
〜開発品の溝の方が、性能が向上している〜

図4 .パッド再生技術の検証
知財出願や広報活動等の状況

・特許:「防浸構造を備えた研磨パッド用補助板および研磨装置」(特願2011-200593、H23.9出願、特許5789870)

・出展:InternationalConferenceonPlanarization/CMPTecHnology2012Grenoble-France(プラナリゼーション/CMP技術に関する国際会議),H24.10

研究開発成果の利用シーン

研磨パッドの消耗が多い半導体等の製造工程において、再盛エコキャップを利用して研磨パッドを再生利用する。例えば今後生産量が増えると予想されているSiCやGaN基板はこれまでのSiに比べて100倍程度の平坦化加工時間を要するため、この平坦化工程での利用が期待できる。

図2 .研磨パッドリサイクル

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

・研磨パッドを繰り返し再利用できる「再盛エコキャップ」を販売している。
・研磨パッドの再生技術は販売に至っていない。

図1 .再盛エコキャップ
提携可能な製品・サービス内容

加工・組立・処理、製品製造

製品・サービスのPRポイント

・低コスト化→開発した研磨パッド再生用補助板は、研磨パッドの購入コストを30%以上低減できる
・ロス削減→研磨パッド再生用補助板は、5分以内の着脱が可能であり、研磨装置の稼働率向上が図れる
・品質管理能力向上→研磨パッドは、現状、手貼りであるが自動機械貼付となり、ボイドが無く品質の安定が得られる

図5.新たな製品開発
今後の実用化・事業化の見通し

・サポイン事業終了後は海外の公的機関による性能評価・耐久試験を受けており、現在は国内外の企業で評価を受けている
・現在も継続して試作品の性能試験と耐久試験を実施しており、加工時に発生するバリの除去の改善を目指している
・公的機関から得られた評価結果をCMP技術に関する国際会議で発表。中国での販売を目指して営業活動を進めている。

図6.Letiでの評価
実用化・事業化にあたっての課題

先端プロセスではコストよりも信頼性を優先することから、再生技術の採用が難しい。

事業化に向けた提携や連携の希望

中国への販売活動に対する連携を希望

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 東邦エンジニアリング株式会社
事業管理機関 公益財団法人三重県産業支援センター
研究等実施機関 株式会社東邦エンジニアリング
株式会社小林機械製作所
国立大学法人名古屋大学
三重県工業研究所

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 東邦エンジニアリング株式会社(法人番号:4190001015669)
事業内容 パッド着脱用補助板製造、CMPパッド加工、パッド加工装置製造、基板SiC加工
社員数 9 名
本社所在地 〒512-8041 三重県四日市市山分町字川之下443
ホームページ http://www.tohokoki.jp/e-top.html
連絡先窓口 取締役 鈴木大介
メールアドレス suzuki-d@tohokoki.jp
電話番号 059-364-3811