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接合・実装

熱交換器のコスト削減と軽量化の実現に向け、銅材とアルミニウム材を直接溶接する技術を開発

群馬県

株式会社アタゴ製作所

2020年4月11日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 銅材とアルミニウム材を直接溶接(ろう付け)する技術の開発
基盤技術分野 接合・実装
対象となる産業分野 環境・エネルギー、自動車、情報通信、エレクトロニクス
産業分野でのニーズ対応 高性能化(小型化・軽量化)、低コスト化
キーワード 溶接(ろう付け)、アルミニウム、熱交換器、電気炉
事業化状況 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中
事業実施年度 平成23年度~平成25年度

プロジェクトの詳細

事業概要

電気自動車・環境機器の熱交換器等の『軽量化、コスト低減』は、銅をアルミニウムに置換えることで期待できるが、銅とアルミニウムの直接溶接(ろう付け)には、「CU-ALの共晶融解」の解決が課題である。この課題を「新しいろう材とフラックス」「電気炉の設計・製作と炉条件」「炉中ろう付け用冶具」の開発で解決し直接溶接(ろう付け)する技術を確立し、熱交換器、放熱器等を川下企業に、軽量化・コスト削減して提供する

炉全景
開発した技術のポイント

自動車や環境機器の軽量化及びコスト削減を目指して、銅材料のアルミニウムへの置き換えを実現するため、銅材とアルミニウム材を直接接合(ろう付け)する技術を確立する
(新技術)
・脱脂乾燥炉の処理熱を有効利用する
・供給窒素の加熱投入で、製品の温度低下を制御する
(新技術の特徴)
熱交換器に利用される銅材の一部をアルミニウム材に置き換えることで、軽量化とコスト削減を同時に実現することが可能になる

具体的な成果

・ろう材とフラックス・バインダーの評価選定
‐新ろう材と数種類のフラックスを組み合わせたろう付けと評価検討を行うとともに、バインダーの組成や乾燥・昇華条件を決定した
‐フラックス・バインダーともに仕様を決定した
・新ろう材に適し量産に適合できる電気炉の開発・製作
‐ろう付け炉の仕様の決定、炉の製作と導入、炉の量産能力向上のための開発(改造)を実施した
・ろう付け炉を稼働させ、ろう付け条件の確立
‐仕様の確定したろう材とバインダー・フラックスを使用し、テストサンプル及び対象熱交換器モデルを使用して、ろう付け検証を実施し、ろう付け炉の設定条件を確立した

研究開発成果の利用シーン

・銅材とアルミニウム材で構成される部品・製品(ろう付けにより製作)
・上記金属素材で構成された自動車、環境機器用の熱交換器や放熱器製品の展開
・アルミニウム材同士で構成される部品・製品(ろう付けにより製作)

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

・製品の実用化には成功しており、事業化のめどをたてた
・一部優先順位変更を行ったろう材の塗布装置を除いて、全ての開発について当初の事業計画を達成することができた
・川下企業の量産計画の断念で終了となる

提携可能な製品・サービス内容

製品製造

製品・サービスのPRポイント

・銅材とアルミニウムのろう付けにより、熱交換器等の材料コストの削減と同時に、軽量化による燃費向上に寄与
‐銅材を使用した熱交換器は、熱特性は優れているが、重量大で材料コストが高い
‐材料を安価なアルミニウムと複合化することで、部品の軽量化とともに価格低下を図ることが可能である
‐銅材料で構成される部品を同等性能で安価に提供可能であるとともに、軽量化を達成することによって川下メーカーの燃費向上のニーズを満たし、販売先の拡大へと繋がる
・部品の小型化を通じたスペース確保に寄与
‐銅材料とアルミニウムを圧接で使用している熱交換器(銅管とアルミニウムフィン構成)をろう付けすることで、同一性能を維持し15%程度小型化・材料節減を提案出来る
・アルミニウム材単体でのろう付け技術も可能

今後の実用化・事業化の見通し

・「銅材とアルミニウム材の直接ろう付け」は市場実績が無いので、試作品数十台の市場モニターを既に実施中で、その結果を反映させて、量産予定であったが、川下企業の計画断念で終了
・量産に向け、製造コスト低減、供給能力の向上を目指し、ネック工程のペーストろう材塗布装置の導入や冶工具・工程の整備
・並行して、放熱器や他用途のの提案中
・成果を得た技術活用で軽い、安いアルミニウム材での積極的活用で、アルミニウム材同士のろう付け製品の展開で進捗

実用化・事業化にあたっての課題

・技術レベルのさらなる向上
・市場耐久性の確実的検証
・使用環境への対応(水分・結露)                                                                                                             

事業化に向けた提携や連携の希望

・川下企業への動向打診

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 株式会社アタゴ製作所
事業管理機関 株式会社アタゴ製作所
研究等実施機関 国立大学法人群馬大学 大学院工学研究科機械システム専攻

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 株式会社アタゴ製作所(法人番号:5070001015548)
事業内容 非鉄金属加工業<主に熱交換器>、ガス・石油給湯器、ヒートポンプ、燃料電池、業務用等
社員数 102 名
生産拠点 〒379-2311 群馬県みどり市笠懸町阿左美590-6
本社所在地 〒376-0056 群馬県桐生市宮本町1丁目8番12号
ホームページ http://www.atago-mfg.co.jp/
連絡先窓口 開発営業部(齋藤 正信)
メールアドレス m-saitou@atago-mfg.co.jp
電話番号 0277-76-4411