接合・実装
半導体微細加工技術によるタングステンコア無指向性脳電極の導入により、空間解像度の高い脳深部の脳波観測・刺激が可能
宮城県
東北マイクロテック株式会社
2021年2月19日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 多面電極実装技術を使った無指向性脳プローブ(Omnidirectional Microprobe)の開発 |
---|---|
基盤技術分野 | 接合・実装 |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護、化学品製造 |
事業化状況 | 事業化に成功 |
事業実施年度 | 平成22年度~平成24年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
大脳皮質を除去することなく深部脳刺激ができ、細胞レベルでの詳細な脳波情報取得及び電極刺激ができる脳プローブの実現が望まれている。本研究では、表面から基底核まで到達でき、3次元的な脳波情報を収集しかつ刺激できる多面電極の脳プローブの研究開発を目的とする。半導体微細加工技術及び実装技術をベースにプローブの周りに多面の刺激電極アレイ形成し、微弱な信号を低ノイズアンプで高いS/N比で出力できるようにする
開発した技術のポイント
三次元LSI実装技術によって、タングステン芯に計測用及び刺激用の電極列を多面にわたって形成した電極プレートを貼り合わせることにより、無指向性能電極を製造する技術を開発する
(新技術)
半導体微細加工技術・実装技術を利用したタングステンコア多チャンネル無指向性プローブを開発する
(新技術の特徴)
・従来のSiプローブより格段に強度が高く、高い空間精度の刺激・解析が可能なプローブが実現できる
・国内で容易にカスタマイズしたプローブが入手できる
具体的な成果
・低ノイズでDBS(Deep Brain Stimulation)可能なSi電極プレート付多面プローブの開発
‐ポリイミド電極プレートによりプローブ構造を実現した
・プローブ信号配線とPCBを接続する構造・技術の開発
‐エポキシ系接着剤により固定を行った
・微小信号増幅用ヘッドアンプの開発
‐市販のヘッドアンプから選択し、実装して比較評価を実施した
研究開発成果の利用シーン
・電極位置及び数をカスタマイズしたタングステンコア多チャンネル無指向性プローブ
・カスタムSi両面プローブ
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・タングステンコア無指向性プローブのプロトタイプが完成した
・プローブのサプライチェーンについては、東北マイクロテックが製造し、米国及び国内のディストリビュータによりマーケティング販売することで交渉中であった
製品・サービスのPRポイント
タングステンコア無指向性脳電極の導入で、空間解像度の高い脳深部の脳波観測・刺激療法が劇的に発展し、市場拡大が実現
・タングステンコア無指向性脳電極の導入で、脳深部の細胞レベルでの高精度な脳波計測・脳刺激が実現する
・半導体微細加工技術を利用して無指向性電極を形成することで、三次元でより詳細な解析・高精度の電気刺激が可能となる
・半導体微細加工技術を利用することによって、より低コストでの提供が可能となる
・Siプローブに比べ強度が格段に強いタングステンコアでプローブ周囲の神経活動が記録できる多チャンネルの脳プローブが提供できる
今後の実用化・事業化の見通し
・現在は顧客にカスタマイズした電極パターンのサンプルの作成を完了している
・歩留り、スループットが向上するような半自動巻きつけ装置の開発中である
・プローブのサプライチェーンについては、ほぼ確定した(東北マイクロテックが製造し、米国及び国内のディストリビュータによりマーケティング販売)
・臨床用として、8-12インチの大口径ウェハー状にポリイミド電極フィルムを形成し、正確にタングステンピンと合わせて巻き込む技術の開発が必要である
・プローブとプリント基板のワイヤリングについては、パット構造を改良して通常のボンダでもワイヤリングできるための改良が必要、かつ生体内に埋め込む(in vivo)ために、フレキシブルケブルへの接続技術の開発も必要である
・プローブにアンプ・信号処理回路、送受信機能を搭載した高機能インテリジェントプローブの開発が望まれる
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 東北マイクロテック株式会社 |
---|---|
事業管理機関 | 宮城県中小企業団体中央会 |
研究等実施機関 | 国立大学法人東北大学未来科学技術共同研究センター |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 東北マイクロテック株式会社 |
---|---|
本社所在地 | 宮城県仙台市青葉区荒巻字青葉6-6-40 T-Biz203 |
研究開発された技術を探す