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精密加工

非劣化、高放熱性の反射鏡を金属プレス加工のみで製造する新規高度プレス加工技術の開発

滋賀県

髙橋金属株式会社

2020年4月13日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 精密三次元鏡面に資する金属プレス加工技術の開発
基盤技術分野 精密加工
対象となる産業分野 環境・エネルギー、ロボット、建築物・構造物、光学機器
産業分野でのニーズ対応 環境配慮、デザイン性・意匠性の向上
キーワード プレス鏡面加工、アルミニュウム合金
事業化状況 事業化に成功し継続的な取引が続いている
事業実施年度 平成21年度~平成23年度

プロジェクトの詳細

事業概要

LED照明用反射鏡の生産は、現在、プラスチック射出成形品の表面にアルミ蒸着処理したものを用いているが、プラスチックの劣化、放熱性、反射率などの課題がある。本研究開発では、非劣化、高放熱性のアルミニウム材を用いたLED照明用自己冷却反射鏡を金属プレス加工のみで作製する新規高度プレス加工技術を開発することにより、高精度、高品位、短納期、環境配慮を達成し、部材加工産業に貢献する

開発した技術のポイント

非劣化、高放熱性の反射鏡を実現する、新規高度プレス加工技術の開発。非劣化、高放熱性のアルミニウム材を用いたLED照明用自己冷却反射鏡を、サーボプレス機の特殊モーションを活用し、金属プレス加工と電解イオン水洗浄とで製造する技術を開発する
・高輝度化→輝度40%増
・高精度化・高品位化→平均表面粗さra0.02µm以下で反射率80%以上
・短納期化→生産リードタイムを1/5に

(新技術)
<アルミ部品加工>
・自己冷却による高輝度化
・特殊冷間鍛造加工による鏡面化
・80%の高反射率
・プレス工法への転換による短納期化(1日)
・アルミ化により耐熱性、耐紫外線で高寿命
・単一素材化によりリサイクル容易

具体的な成果

・複合プレス加工金型の開発
-金型の成形・抜型条件を検討し、フィン形状の長さ/厚み比3以上(同時複数フィン成形)を達成するヒートシンク成形技術を確立
-リフレクタ鏡面部の表面粗さra0.015µm以下で、反射特性が切削品と同等以上のリフレクタを安定的に加工できる、鍛造工法による鏡面成形技術を確立
-ヒートシンクと鏡面部を同期で成形できる複合鍛造技術を開発
-アルミニウム材料の選定、表面処理・洗浄方法の調整により、高温高湿試験(温度50℃、相対湿度95%、試験時間400時間)後の鏡面状態維持に成功
・マルチ反射鏡のプレス加工成形技術の開発
-リフレクタ間距離がリフレクタ直径の1/3以下のマルチ反射鏡を成形加工できる金型を作製、ra0.03µm以下のマルチリフレクタ成形を実現
-複数のプレス工程間を位置精度0.1mm以下で搬送できるワーク送り装置を開発
-押し込み荷重とバニシング回数の最適化により、プレス成形鏡面のra向上効果(ra0.1µm→ra0.03µm)を確認
-スポットライト照明機器、ポラード照明機器のサンプルモデルを製作

プレス成型鏡面
マルチリフレクタ成形品
知財出願や広報活動等の状況

・特許:「LED照明装置及びこれに用いられる放熱反射部材の加工方法」(特願2012-41015)
・受賞:日本鍛圧機械工業会「mF技術大賞」(H24)

研究開発成果の利用シーン

観光ホテル、商業施設におけるデザイン照明への活用を行う。また、レントゲンなどの検査機器に使用される照明等、LEDライトを活用されている照明のリフレクターとして利用されます。また、アルミニュウム合金を使用する事で紫外線による劣化が無い事から、UVLEDを使用する照明のリフレクターへも活用が図られます。

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

・実用化に成功。
・UVLED向けの新紫外線殺菌装置用リフレクターの開発が出来 今後、受注につなげるように進めており事業化に向けて推進中である。

提携可能な製品・サービス内容

設計・製作、製品製造

製品・サービスのPRポイント

・精度向上鏡面部の表面粗さra0.02µmを達成(超精密切削加工品と同等)
・製作時間短縮従来の射出成型+表面前処理+蒸着めっきがプレス成形加工のみとなりリードタイムが1/5に短縮
・環境負荷軽減蒸着めっきが不要。材料がアルミだけのため再溶解リサイクルも可能

今後の実用化・事業化の見通し

LED照明装置、鏡面プレス加工品につき、引き合いに対応しつつ、近年中の事業化を目指す
・異形状鏡面成形と信頼性・耐久性について繰り返し実験を行う補完研究を継続中。川下企業に試作品を提供し、評価を行ってもらっている
・サポイン事業成果を活用したLED照明装置を株式会社YEVと共同開発し、サンプル出荷を進めている
・鏡面プレス成形加工品に引き合いがきており、試作等の対応を進めている。部品加工の事業化時期はH25年度を予定

実用化・事業化にあたっての課題

大量生産への対応の課題があり、生産性の向上を図る工法開発が課題である。

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 髙橋金属株式会社
事業管理機関 公益財団法人滋賀県産業支援プラザ
研究等実施機関 滋賀県東北部工業技術センター

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 髙橋金属株式会社(法人番号:9160001006765)
事業内容 精密金属プレス部品製造、プレス金型の設計・製作、精密鈑金部品製造、金属パイプ加工、電気機器・産業機械組立、環境関連機器の開発・製造・販売
社員数 320 名
生産拠点 滋賀県長浜市細江町864-4
本社所在地 〒526-0105 滋賀県長浜市細江町864-4
ホームページ http://www.takahasi-k.co.jp
連絡先窓口 技術開発部 北村 博志
メールアドレス h-kitamura@takahasi-k.co.jp
電話番号 0749-72-4820