表面処理
セパレータの表面処理技術の開発により、次世代燃料電池用高耐食性、高耐久性、高導電性セパレータに!
福井県
アイテック株式会社
2020年3月22日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 家庭用固体高分子形燃料電池の高耐食性金属セパレータの開発 |
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基盤技術分野 | 表面処理 |
キーワード | 燃料電池、セパレータ、耐久性、導電性、窒化物/酸化物/薄膜 |
事業化状況 | 実用化間近 |
事業実施年度 | 平成22年度~平成24年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
燃料電池発電技術の実用化・普及には、コスト低減、高効率化、長寿命化が不可欠であり、特に、セパレータの低コスト化は重要な課題である。本提案は、安価なステンレス基材に耐食性、導電性に優れた皮膜をコートし、低コストで耐久性のあるコンパクトなセパレータを開発することを目的とする
開発した技術のポイント
低価格で加工性に優れた汎用の金属を使用して、腐食性と耐久性を大幅に改善した新しい表面処理技術の開発を行い、プレス加工技術の高度化を図る
(新技術)
結晶性に優れ、ピンホールが極めて少ない表面皮膜を形成し、電気伝導度の制御・低減が可能な表面処理技術を開発する
(新技術の特徴)
・導電性、耐久性に優れたセパレータの金属の表面処理技術の開発につながる
・高信頼性の皮膜構造の構築が可能になる
具体的な成果
・結晶性薄膜の作製方法の検討および物性評価
-結晶性窒化物膜の導電性と耐食性を評価し、燃料電池用セパレータに適したInGaN膜の成長条件を確立した
・耐食性・寿命評価と寿命に関する加速試験方法の検討
-皮膜の酸性溶液中での溶解速度と分極電位からの腐食速度算出により、寿命の予測方法の作成に成功した
・発電環境下でのセパレータの耐食性、寿命の評価
-ステンレス上に窒化皮膜を被覆したセルスタックにて、5000時間運転で問題なく発電することが確認できた
知財出願や広報活動等の状況
特許第5660497号「燃料電池用セパレータ及びその製造方法」取得
研究開発成果の利用シーン
・家庭用等の燃料電池に使用されるセパレータの加工・製造・金属表面の加工処理サービス
・高耐食性を必要とする金属部品の加工・製造
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
ステンレス上への導電性薄膜形成による金属セパレータの利用可能性を見出した段階であり、今後長寿命化、実用化に向けた安定成長条件、方法等の検討及び連続運転実績の積み上げを行っていく
製品・サービスのPRポイント
・セパレータのコスト削減に伴う、燃料電池の価格低下へと寄与
-セパレータは燃料電池の部材コストの約半分を占めるが、従来の金属セパレータはコストが高くついていた
-大量生産可能なスパッタ装置にてステンレス表面へTi化合物薄膜を被覆することにより、電気伝導性に優れた皮膜を低コストに提供し、燃料電池用金属セパレータとして利用可能になった
-高価な固体高分子形燃料電池のコスト削減に寄与するセパレータを提供することができるようになったことで、燃料電池の価格を下げ、かつ市場で利用されやすくなる製品の提供が可能である
・性能の向上に伴う利用シーンの拡大に寄与
-結晶性に優れた、窒化物半導体膜InGaNを適用することで、高耐食性と電気伝導性を兼ね備えた薄膜を提供することに成功した
-従来の製品と比べて、利用可能なシーンが拡大した
今後の実用化・事業化の見通し
・現在は、InGaN膜での燃料電池の大型化に向けた詳細なデータを収集中である
・将来的には、Ti化合物薄膜での低価格な金属セパレータの提供を3年後より開始予定である
・更に、導電性酸化物薄膜の研究も行い、高次元での耐久性と導電性を兼ねた膜の開発にも成功し展開可能である
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | アイテック株式会社 |
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事業管理機関 | 公益財団法人若狭湾エネルギー研究センター |
研究等実施機関 | 株式会社西村金属 株式会社ケミックス 国立大学法人福井大学 学校法人福井工業大学 福井県工業技術センター |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | アイテック株式会社 |
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事業内容 | デジタル家電品、レジャー用品、眼鏡枠等に対する、金属めっき、装飾性・機能性各種めっき及びその他の特殊表面処理加工 |
社員数 | 200 名 |
本社所在地 | 〒916-0016 福井県鯖江市神中町2-6-8 |
ホームページ | http://eyetec.co.jp |
連絡先窓口 | 新事業開発本部 小泉 将治 |
メールアドレス | Masaharu_Koizumi@eyetec.co.jp |
電話番号 | 0778-51-5000 |
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