精密加工
サブミリサイズの小径穴をドリル加工によって実現し、様々な製品の小型化に貢献
長野県
アスザック株式会社
2020年3月22日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 超音波振動を援用した難削材への小径穴あけ加工技術の開発 |
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基盤技術分野 | 精密加工 |
対象となる産業分野 | 半導体、エレクトロニクス、光学機器 |
産業分野でのニーズ対応 | 高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(精度向上)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(生産性増加) |
キーワード | セラミックス、精密加工、超音波振動 |
事業化状況 | 研究中止または停滞中 |
事業実施年度 | 平成21年度~平成22年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
従来では不可能であったセラミックスなどの各種難削材に対してサブミリサイズの小径穴を高精度ドリル加工する革新的技術を開発する。振動援用加工は切削抵抗を極限まで小さくできるが、市販ドリルでは加工精度を悪化させる振動モードが励起される。そこで、振動援用加工に特化して設計された小径ドリル工具を、振動状態が最適になるように逐次観測しながら工作機上で成形する新たな手法を提案し、小径ドリル加工を実現する
開発した技術のポイント
小径穴の穿孔を高精度に実現するとともに、工具の長寿命化を目指す
・穿孔する穴の性質:φ0.1mm以下の微小穴を耐熱・高硬度材に穿孔し、穴径に対する深さの比率(L/D比)20以上
・低コスト化:バリレス切削を実現し、クロス穴における管内部のバリ処理工程を省略するとともに、工具の摩耗を抑制・長寿命化
・高精度化:セラミックスへのφ0.2mmの穴あけを、従来に比べて高精度に、多穴加工において実現
(新技術)
<超音波振動援用加工>
・機器の主軸だけ交換すればよく、バリの発生が抑制されることもあり、加工コストは比較的安価である
・様々な難加工剤に対する適用が可能である
・高精度・高速での加工が可能であり、小径加工の量産性を高める
具体的な成果
・機上工具成形技術の開発
‐機上放電加工装置により、PCDドリル工具を約20分で成形できる加工条件を導出
‐高精度な工具ホルダを用い、振れまわりの再現性が1~2μmであったため、加工の前に機上成形を行うことで、加工におけるタクトタイムに成形時間を含める必要がなくなる
・超音波振動を援用した、難削材に対する高精度小径穴あけ加工技術の開発
‐チタンに対する200穴の連続加工(φ0.5板厚4mm貫通)試験を行い、穴の真直度向上・バリの抑制効果が見られた
‐A5052材に対する加工試験では、バリの低減や穴内面の粗さ改善など、超音波の効果が明らかであった
‐CFRP素材への加工においては、通常加工で見られるドリルの摩耗が生じず、工具の長寿命化効果がみられた
・超音波振動加工の解析・評価
‐超音波振動加工によってドリルチゼル部の応力集中が緩和されることを明らかにした
‐超音波加工により創成された加工面の残留応力は、振動振幅の増加にともなって小さくなることが判明。金型の長寿命化や応力緩和による経時変化の減少といった品質の向上が期待できる
知財出願や広報活動等の状況
・論文:磯部浩巳「Characterization of geometrical properties of electroplated diamond tools and estimation of its grinding performance」Wear,27(3-4)(H23.3)等
・出展:燕三条ものづくり連携フォーラム
研究開発成果の利用シーン
セラミックス、超硬合金、CFRP(カーボン繊維強化複合樹脂)等の難削材部品のサブミリサイズの高精度穴あけ加工を安価で実現
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・H25年度に実用化
・サンプルあり(無償、各種難削材のドリル加工サンプル)
・事業化するには、市場ニーズの拡大が必要。しかし参加企業が個々にターゲットとした市場(ユーザニーズ)は当初予想に反して、いづれも縮小傾向がみられ、設備投資に踏み切れない。
提携可能な製品・サービス内容
素材・部品製造
製品・サービスのPRポイント
・低コスト化:セラミックス、超硬合金、CFRP等の難削材加工では、コストに難があるレーザや放電加工が主であったが、本研究成果の超音波援用ドリル加工導入により低コスト化が図れる
・精度向上:超音波援用加工は切削抵抗を小さくできるため、加工面の面精度向上が図れる
・量産化:難削材加工においては、従来のレーザや放電加工に対し本研究成果を活用することで、量産化が図れる
今後の実用化・事業化の見通し
加工現場での導入をめざし、難削材ごとの過去データベースを構築するなどの補完研究を実施し、事業化につなげていく
・振動状態を廉価かつ簡便に観察できる手法や、高精度加工システムの最適加工条件導出のシステム化、工具等の寿命及びコストの検証といった、事業化のために必要な補完研究を継続
・各種難削材ごとに工具形状を含めた加工データベースを構築することで、加工現場への展開を推進。川下企業へのアピールを行っていく
実用化・事業化にあたっての課題
資金面とさらなる小径化が課題
事業化に向けた提携や連携の希望
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | アスザック株式会社 |
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事業管理機関 | 公益財団法人長野県テクノ財団 善光寺バレー地域センター |
研究等実施機関 | 国立大学法人長岡技術科学大学 飯山精器株式会社 株式会社日本機材 三共電子株式会社 独立行政法人国立高等専門学校機構長野工業高等専門学校 長野県工業技術総合センター |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | アスザック株式会社(法人番号:9100001005780) |
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事業内容 | ファインセラミックス事業部 (ファインセラミックス),アルミ事業部 (アルミ建材・エクステリア),インフラエンジニアリング事業部 (コンクリート2次製品・景観石材)P&D事業部 (電子機器・産業機械) |
社員数 | 394 名 |
生産拠点 | 長野県 上高井郡 高山村 中山 981 |
本社所在地 | 〒381-8508 長野県上高井郡高山村大字中山981 |
ホームページ | http://www.asuzac.co.jp/ |
連絡先窓口 | 山本 周一 |
メールアドレス | yama-syu@asuzac.co.jp |
電話番号 | 026-248-1626 |
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