立体造形
一体鋳造技術の開発によって、アルミニウム鋳物の中に冷却材通路を作り出し、効率的なモーター冷却が可能に!
東京都
株式会社原工業所
2022年1月28日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 鋳ぐるみによるHEV;EV駆動モーター用ウォータージャケットの一体鋳造技術の開発 |
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基盤技術分野 | 立体造形 |
対象となる産業分野 | 環境・エネルギー、航空・宇宙、自動車、産業機械、工作機械 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(耐久性向上)、高性能化(小型化・軽量化)、高性能化(信頼性・安全性向上)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮)、環境配慮 |
キーワード | HEV/EV車、駆動用モーター、ウォータージャケット、鋳ぐるみ、一体鋳造 |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中 |
事業実施年度 | 平成22年度~平成24年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
加速度的に普及が見込まれるHEV/EV車の駆動用モーターには小型化、高出力化、高信頼性が求められており、特に駆動用モーターの高出力化に伴う温度上昇が出力と信頼性に大きく影響することから、各種冷却方法が研究されている。本研究開発では、駆動モーター冷却用ウォータージャケットの新構造を提案し、冷却溶媒を用いたきめ細かなモーター熱制御を可能にする部材を提供するため、鋳ぐるみによる高精度一体鋳造技術を開発する
開発した技術のポイント
アルミニウム鋳物の中に冷却材通路を作り出すため、砂中子を用いずに必要な内径のアルミニウムパイプを加工して作った冷却材通路をアルミニウム母材で鋳ぐるみ、冷却材通路として利用する技術を開発する
(新技術)
砂中子を用いず、必要な内径のアルミニウムパイプを加工して製作した冷却材通路をアルミニウム母材で鋳ぐるみ、冷却材通路として利用する
(新技術の特徴)
構造的な制限がなくなり、燃焼ガスによる鋳巣欠陥の発生や、鋳造後に中子砂を完全に除去する作業と検査に時間が掛からない
具体的な成果
・鋳ぐるみ技術の開発
‐アルミニウムパイプ加工品の形状を維持した状態で、母材とパイプ加工品を密着させる鋳ぐるみ技術を開発した
・鋳ぐるみ結果の評価技術の開発
‐パイプ加工品の形状維持性の確認(パイプ加工品中央部まで切削しての形状確認)を行った
‐パイプ加工品と母材との密着度評価(パイプ両端間の電気抵抗値による非破壊検査(接地抵抗測定原理の応用))を実施した
‐供試体と冷却水の温度差に対する冷却水によって除去されている熱量の割合を測定した
知財出願や広報活動等の状況
特許出願2件、新聞発表数1件、展示会出品多数。
研究開発成果の利用シーン
・鋳ぐるみ鋳造技術を活用した部材(HEV/EVのモーター冷却ジャケット)
・CPU・IGBT等液体冷却ベースユニット
・大型リチウムイオンバッテリー等の冷却ベースユニット及び加熱用鋳込みヒーター等
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・本事業を通じて、材料の基礎的な特性確認試験は終了し、アドバイザーの下で実際の鋳造品で製作を行い評価を実施したことにより、実用化の段階はクリアした
・事業終了後は、ユーザーである自動車部品メーカーへの試作品の提供を進めると共に、ヒートシンクメーカー、ヒートシンク使用者への試作品販売を継続している
提携可能な製品・サービス内容
設計・製作、製品製造、試験・分析・評価
製品・サービスのPRポイント
・鋳造製造の歩留まり向上とコスト削減に寄与
‐従来の鋳造製造工程では、銅パイプなどで冷却材通路を作っており、工程に由来する歩留まりが低かった
‐アルミニウム鋳物の中にアルミニウム製の冷却材通路を作り出す一体鋳造技術の開発により、鋳物製造の歩留まりが向上し、製造コストの削減が期待できる
・製造プロセスの簡略化に伴うリサイクル性の向上
‐従来の冷却材通路作製の工程に必要だった銅パイプなどの異種金属の鋳ぐるみがなくなり、リサイクル性の向上に寄与した
・冷却性能の評価方法を確立
‐各種実験を行い評価方法を確立すると共に、他の評価方法との相関を確認した
・実用規模での発生課題の把握と解決
‐基礎実験を踏まえて実用規模の駆動モータ冷却用ウォーターハウジング模擬品やIGBTベース模擬品を製作した
‐模擬品の作成を通じて、実用規模で発生する課題を把握すると共に、対応方法を研究し解決することができた
今後の実用化・事業化の見通し
・最終的な目標はHEV/EV車の駆動モーター用ウォータージャケットである
・新技術の自動車への参入はかなり高い障壁があるため、先行して他の分野での実績を積んでいくためには、より広い応用範囲を目指していく必要がある
‐単に単一管路の曲げ加工だけに限定するのではなく、母材とパイプを密着させる事ができた特徴を生かして、管径の異なるパイプの嵌合やプレス部品の嵌合等による複雑形状品への対応力をつけて事業展開を進めていく予定である
実用化・事業化にあたっての課題
当初狙いの自動車部品メーカーはやや保守的であり応用が進んでいない。
事業化に向けた提携や連携の希望
産業機械分野の企業から問合せがあり、試作品供給を含め対応している。熱交換器を使用する産業機械であれば容易に適用できるので、検討を進めている。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社原工業所 |
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事業管理機関 | タマティーエルオー株式会社 |
研究等実施機関 | 学校法人明星学苑明星大学 清宮義博 教授 |
アドバイザー | 早稲田大学 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社原工業所(法人番号:5013101000747) |
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事業内容 | アルミ合金鋳物部品製造 |
社員数 | 53 名 |
生産拠点 | 東京都羽村市神明台4-10-1 |
本社所在地 | 〒205-0023 東京都羽村市神明台4-10-1 |
ホームページ | http://www.harakogyosho.com/ |
連絡先窓口 | 代表取締役社長 原 敏也 |
メールアドレス | info@hara-kgs.co.jp |
電話番号 | 042-551-9208 |
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