研究開発された技術紹介

本特定研究開発では、無動力の油中気泡除去技術を開発し、建設機械の油圧による動力伝達システムを高強度化、長寿命化する。具体的には、旋回流を生成する機構を最適化することで気泡除去技術を高度化し、油圧駆動システムへの気泡混入による動力伝達ロス等を低減する。また、気泡除去装置を中心としたシステム化により、動力伝達システムの小形化、高圧・高性能化と、トータルメンテナンスコストの極小化を同時に実現する

油圧駆動システム中の油中気泡を旋回流により集積し効率的に放出する気泡除去技術を高度化、エネルギー伝達ロスを低減するまた、空気の巻き込み増加による騒音を低減、油中気泡を効率よく除去することにより酸化と熱劣化を防止し、油のライフタイムを2倍に延長する
(新技術)
油中気泡を効率的に放出する気泡除去技術を高度化する
(新技術の特徴)
動力伝達ロスを解消、騒音を低減し、油の劣化を抑制する

・画像処理による流れ解析と数値解析による気泡除去装置の高性能化
・気泡除去装置内部の圧力測定による性能評価
・油タンク容量及び冷却装置の小型化
‐タンク容量1/2に見通しがついた
・油の溶解空気量の定量化と測定方法の確立
‐流量計により気泡量を実時間測定できることを確認した
・センサ・フュージョンによるスマートモニタの開発
‐データを無線でPCに取り込むなどし、スマートモニタの実用化に向けた研究も進めた

特許等出願数6件、学会発表、展示会出展とも多数。

・建設機械作動油用気泡除去装置及びシステム
・一般機械のギアボックス等内油中気泡除去装置及びシステム
・食品等の液体類の気泡除去装置及びシステム

気泡分離除去装置の販売実績がある事業化企業が倒産したため、参加機関の法政大学、事業管理機関が技術を継承している。

・油タンク容量の小型化により省スペースに貢献
‐気泡除去装置の性能向上とタンク配置や構造の工夫により、タンク内の気泡削減効率がより向上することを確認、油タンク容量の小型化への方向性を見出した
・動力伝達損失を大幅に低減、高効率な気泡除去技術を確立
‐油の剛性実験装置を用いて、高圧下において油中気泡が油の剛性に与える影響を測定し、装置を用いた油中気泡の除去が油の剛性を大きく向上させ、圧縮における動力伝達損失を大幅に低減できることを示した
・油圧機器の長寿命化を実現
‐キャビテーション等による油圧機器内部の破損劣化防止による長寿命化が図れた

・製品の高度化のために研究開発プロジェクトを継続して実施している
・川下建設機械ユーザーと定期的にミーティングを開いて、川下ユーザーが必要としている詳細スペックを検討している
・他業種についても幅広く営業活動をしている
・学会・展示会等に参加し製品を広くアピールしている

参加機関の法政大学、事業管理機関が技術を継承しているので、事業化希望があれば技術コンサルティングに対応する。