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機械制御

部品の摺動・駆動特性にマッチしたコーティングを施すことで壊れにくい、長時間駆動が可能な摺動機構を実現

東京都

セントラル技研工業株式会社

2020年3月19日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 テーラードコーティングによるオイルレス摺動機構部品化技術の開発
基盤技術分野 機械制御
事業実施年度 平成19年度~平成21年度

プロジェクトの詳細

事業概要

環境負荷低減をはかりつつ、高精度、高信頼度で稼動する、ロボット・精密機械部品のオイルレス摺動機構要素を、テーラードコーティング技術で設計、製作する。部品用途に応じた力学特性・トライボ特性を得て、低摩耗+低摩擦、高トラクション+低摩耗などの摺動機構を実現する。これら要素を組み込むことで、オイルレス一軸ロボットなど、潤滑油・グリース等の使用を前提としない、新規な高精度位置制御部品の製品化へと展開する

開発した技術のポイント

テーラードコーティングを用いてメンテナンスフリーの摺動機構部品を開発
・部品ごとのオイルレス摺動特性・駆動特性に対応したコーティング膜の構造制御を行い、下記の3分野での用途開発に取り組む
・高面圧対応分野(ボールねじ、スライドレール等):基材温度100℃以下の低温コーティング、剥離強度100N以上、摩擦係数0.1
・低摩擦+低摩耗分野(バルブシール材等):摩耗速度0.3×10-7mm2/Nm、摩擦係数0.1
・高トラクション+低摩耗分野(ゴムブレード等):1GPa超の高応力負荷でも延性的なスクラッチ挙動、摩耗速度0.5×10-7mm2/Nm
(新技術)
<高面圧条件下で低摩擦・低摩耗を実現する摺動部品>
完全なオイルレスでの稼働特徴
・多様な組織構造をもったコーティング
・用途別に力学特性、トライボ特性の最適化
・オイルレス摺動、駆動機構要素を創出

具体的な成果

・テーラードコーティングに必要な装置を開発し、ノウハウを蓄積
・3つの主要なプロセッシング装置―テーラードコーティング(スパッタリング物理的気相成長(PVD))装置(単層膜・積層膜)、ナノカラム構造化のための電子ビーム照射装置、プラズマ表面清浄装置―を開発
・プロセッシング装置により成膜される試料の摩擦摩耗特性の評価装置―摩擦摩耗試験装置、スライドレール摺動耐久試験機、メタルシール高温耐久試験機―を開発
・これらの装置を活用し、テーラードコーティングの基盤技術である、i)ナノカラム構造化コーティング、ii)ナノ積層化コーティング、iii)ナノ傾斜構造化コーティングの各技術・レシピを開発
・3つの応用分野で用途開発に取り組む
‐【高面圧対応分野】テーラードコーティングにより、金属・セラミック部品の摩耗と摩擦係数を同時に低減する摺動機構要素の開発に取り組み、オイルレス摺動可能なスライドレール部品を製作
‐【低摩擦+低摩耗分野】バルブシール材にDLCコーディングを施工し、耐摩耗性・耐熱性を向上した、新たなオイルレス高温シール部品を構想
‐【高トラクション+低摩擦分野】ゴムブレードにDLC被膜をつけ、耐久性向上を図った。現在、ナノ積層化コーテッド・ゴムブレードの実用化を検討中

知財出願や広報活動等の状況

特許出願:「炭素系物質除去方法及び当該除去方法を備えた部品等の製造方法・リサイクル方法」(H22.3.2出願)

研究開発成果の利用シーン

それぞれの部品用途に応じたテーラードコーティングを施すことにより、オイルレスで、壊れにくい摺動機構が可能となり、メンテナンスフリー等につながる

実用化・事業化の状況

今後の実用化・事業化の見通し

営業活動の照準を数年後に定め、技術蓄積を進める
・皮膜条件を最適化し、実用条件を踏まえた試験機を製作したので、今後は実機でその性能を検証していく
・川下企業により導入実験が進められている。また、大型部品に対するテーラードコーティングの寿命向上効果等の実証を継続中
・平成23~24年度に試験を積み重ね、その後の川下企業で起こる製品モデルチェンジ時に営業活動の照準を定める

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 セントラル技研工業株式会社
事業管理機関 公益財団法人大田区産業振興協会 ものづくり・イノベーション推進課イノベーション創出担当
研究等実施機関 ティヴィバルブ株式会社
守野工業株式会社
特定非営利活動法人アジアシード
地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター
学校法人湘南工科大学
ライボルトオプティックス株式会社

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 セントラル技研工業株式会社
事業内容 空・油圧機器、自動制御機器、省力化機器、精密機器、ロボットシステム等の製品の受託開発・製造、部品成形加工、アプリケーション開発
本社所在地 〒143-0013 東京都大田区大森南4丁目15-12