立体造形
ナノフェライトの量産技術を応用展開し、小型・高性能・省エネデバイスを開発
埼玉県
株式会社高純度化学研究所
2020年3月23日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | ナノフェライト粒子の量産製造技術の開発と応用展開 |
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基盤技術分野 | 立体造形 |
事業実施年度 | 平成22年度~平成23年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
H21年度(1年目)において「ナノフェライト粒子」量産試作機を設計・製作し、月産3~4KGのナノフェライト粉末を川下工程に供給できるようになった。したがって、今年度から「ナノフェライト粒子」を出発原料とする1積層チップインダクタ、2ノイズ対策ケーブル等に用いるフレキシブル電磁波吸収シートおよび3高周波用アンテナ材の開発と製品化に向けた研究開発を行う
開発した技術のポイント
超音波噴霧マイクロ波・抵抗加熱複合法を活用した生産技術を基に、ナノフェライトを用いた小型・高性能・省エネデバイスを開発
・ナノフェライト粒子を用いた磁性シートを活用したノイズ対策ケーブルの試作→使用可能周波数:130MHz以上ノイズ減衰率:6-10dBケーブル長:1.0m、2.0m、3.0m
・チップインダクタの製造技術の確立→ナノフェライト粒子分散ペーストと銀ペーストを交互に多層積層したものを焼成してチップインダクタを製造する技術を確立
・高周波用アンテナ材の製造技術の確立→初透磁率:5~10共鳴周波数:10GHz
(新技術)
ナノフェライト(0.1µm以下のフェライト粒子)
特徴
・一層に多量のフェライト粒子を含有しており、電磁波ノイズを完全に吸収
・シート厚を1mm以下にすることが可能であり、小型・薄型電子機器にも装着可能
具体的な成果
・ナノMn-Znフェライト粒子を用いる磁性シートを活用したノイズ対策ケーブルの試作
‐ナノフェライト粒子分散ペーストからフレキシブル電磁波吸収テープ状シートを作成。特性評価試験を実施し、製品化技術を開発
‐異なる固形分及び粘度で作成したペーストは、溶剤キャスト薄膜によるシート化では、100μm程度の厚みまでシート化可能
・積層チップインダクタに適用できるナノフェライト粒子の組成と磁気特性の確立
‐インダクタ用として所望物性のナノフェライト粒子は~100μm程度の凝集体として回収される
‐高温状態から急冷すれば団結の弱い凝集体となり、メディアミルなどで分散可能な粒子が得られることが分かった
・高周波アンテナ材の製造技術の確立
‐高周波軟磁気特性及びQ値を制御するために、置換型のCo2-xNixZフェライト(x=0-2.0)のナノサイズ粒子作製を目的として、超音波噴霧抵抗加熱法で原料粉末を作製の上、本焼成を行うことで試料作製及び評価を行った
‐Z型フェライトが最も多く生成したx=0.5の試料において初透磁率が向上。その透磁率を用いて計算した品質係数(Q値)は、100MHzにおいて約20~50
知財出願や広報活動等の状況
・新聞掲載:「ナノ磁性微粒子で電波吸収」(埼玉新聞H23.3.2)
・論文:富永翔、神島謙二、柿崎浩一、石丸雄大、平塚信之「超音波噴霧熱分解法によるナノMn-Znフェライト粒子の作製および磁気特性」(H24.6)
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・実用化は停滞中
製品・サービスのPRポイント
・新方式・新製法等の実現→100nm以下のナノサイズの磁性(フェライト)粒子を用いると、うず電流が発生しないため、熱損失の少ない磁性材料が製造可能
・省エネルギー化→ナノフェライト粒子の表面活性エネルギーを利用して、磁性材料を低温で焼成可能
・省スペース化→ナノフェライト粒子を用いて、チップインダクタや磁性シートなどに応用することで、電子部品の小型化や電子機器の省スペース化、軽量化が実現
今後の実用化・事業化の見通し
川下企業の要望に応えながら、継続的な研究開発を実施
・現在は、川下企業が要望するナノフェライト粒子を受注生産対応している
・今後は、川下企業が要望するナノフェライト粒子の受注生産対応の都度、製造技術の研究開発を実施
・ナノフェライト粒子を用いた研究開発ニーズは多方面からある。随時対応し事業化を狙う
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社高純度化学研究所 |
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事業管理機関 | 公益財団法人さいたま市産業創造財団 |
研究等実施機関 | 国立大学法人埼玉大学 リンテック株式会社 浮間合成株式会社 FDK株式会社 アンテナ技研株式会社 埼玉県産業技術総合センター |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社高純度化学研究所 |
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事業内容 | 半導体および電子部品用薄膜材料の製造・販売 |
本社所在地 | 〒350-0214 埼玉県坂戸市千代田5-1-28 |
ホームページ | http://www.kojundo.co.jp |
連絡先窓口 | ファインマテリアル部 部長 佐々木敦 |
メールアドレス | sasaki.atsushi@kojundo.co.jp |
電話番号 | 049-284-1512 |
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