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立体造形

ロストワックスステンレス鋳鋼の信頼性を向上!耐食性向上技術と評価手法の開発

山形県

山形精密鋳造株式会社

2021年8月27日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 ステンレス鋳鋼品の信頼性向上に係る技術の開発
基盤技術分野 立体造形
対象となる産業分野 自動車
産業分野でのニーズ対応 高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(耐久性向上)、高性能化(信頼性・安全性向上)
キーワード 耐食性、オーステナイト系ステンレス鋳鋼、信頼性
事業化状況 事業化に成功し継続的な取引が続いている
事業実施年度 平成22年度~平成23年度

プロジェクトの詳細

事業概要

自動車部材に対する川下産業の多様なニーズに応えるため、ステンレス鋳鋼の耐食性等の基本的特性を改善し、工業材料としての信頼性を向上させることによって、自動車部品等における需要拡大を実現することを目的とする

開発した技術のポイント

ロストワックスステンレス鋳鋼の耐食性等を改善し、工業材料としての信頼性を向上
・SCS13等の耐食性の向上→中性塩水噴霧試験で赤錆が発生しない
・SCS13等の実体強度の評価手法→引張強度の精度±10%以内となる試験片形状・製造条件の確立
・SCS11等の金属組織の評価手法→フェライトとオーステナイトの比率の精度±3%
(新技術)
開発技術を利用したSCS13:工業材料として高い信頼性を確保
特徴
・良好な不動態皮膜で、優れた耐食性
・実体特性を保証可能

具体的な成果

・ステンレス鋼鋳鋼品の耐食性を改善(SCS13)
‐熱処理条件および熱処理前工程の変更により、48時間の塩水噴霧試験で赤錆が発生しない製造条件を確立
‐従来材の鋳肌面はマルテンサイト組織であったが、開発材ではオーステナイト組織を保ち、クロム酸化皮膜(不動態皮膜)が形成されていることを確認
・形状・寸法の違いによる機械的特性の変化を検証(SCS13)
‐ロストワックス鋳型による鋳造品の実体強度を板状試験片で推定、熱処理品の引張強度は約530MPaだった
‐直径を10~30mmで変えた砂型丸棒試験片の引張強度を測定
‐直径25mmの試験片が、ロストワックス板状試験片とほぼ同じ強度であり、精度は目標よりも大幅に小さい約1%
・フェライト率の定量法を確立(SCS11)
‐フェライトとオーステナイトの比率を変化させた標準試料を作製し、フェライト率の簡易定量方法を検討
‐金属組織観察(画像処理)による実測値と±3%の精度でかつ非破壊でフェライト率を把握する手法を確立

知財出願や広報活動等の状況

出願予定はありません

研究開発成果の利用シーン

特に耐食性を要求される、外装機関部品や、自動車、バイクにおける燃料供給周りにおいて需要があり、耐食性の高い部品として採用されている。

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

・H24年度に事業化に成功
・製品サンプル(自動二輪、自動車部品)あり(無償)

提携可能な製品・サービス内容

素材・部品製造、製品製造

製品・サービスのPRポイント

・耐食性向上→外装部品における耐食性で客先が求める要求をクリア(塩水噴霧試験で48時間以内に赤錆が発生しない)
・管理能力向上→(品質管理等)鋳物製造条件・品質保証体制を確立(機械的特性・組織評価などの保証体制を確立)

今後の実用化・事業化の見通し

事業化に成功しており、他メーカーへも積極的に展開
・研究開発において実現できた内容を他材質への応用展開し、事業化規模の拡大につなげるため補完研究を継続中
・耐食性向上のテーマに対してはSUS430へ応用するため、機械的特性の評価のテーマに対してはSCS11へ応用する為、補完研究を実施
・現在、悪環境での使用が見込まれるオフロードバイク部品に採用が決定している。今後も耐食性を求める部品メーカーは多数存在するため、研究の成果を積極的にアピールしていく

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 山形精密鋳造株式会社
事業管理機関 公益財団法人山形県産業技術振興機構
研究等実施機関 サクラ工業株式会社
山形県工業技術センター
国立大学法人秋田大学

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 山形精密鋳造株式会社(法人番号:6390001011200)
事業内容 ロストワックス鋳造法を使用した、炭素鋼、合金鋼、ステンレス鋳鋼をメインとする鋳鋼部品の設計⇒量産対応に至る一貫生産
社員数 154 名
生産拠点 山形県長井市本社工場
本社所在地 〒993-0075 山形県長井市成田768-2
ホームページ http://web-ysc.jp/
連絡先窓口 品質保証部 副部長  鈴木浩
メールアドレス h-suzuki@ysc-ne.jp
電話番号 0238-84-3500