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精密加工

プラスチック射出成形の不具合を本質的に解消!サーマルサイクル制御ユニット内蔵金型

静岡県

株式会社内山精工

2020年3月23日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 高精度・高品質射出成形のためのサーマルサイクル制御ユニット内蔵金型の開発
基盤技術分野 精密加工
対象となる産業分野 自動車
産業分野でのニーズ対応 低コスト化
キーワード 射出成形時の不具合解消、金型温度制御
事業化状況 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中
事業実施年度 平成21年度~平成23年度

プロジェクトの詳細

事業概要

自動車・家電向けプラスチック射出成形部品の高精度・高品位化を図るために、選択的で局所的な急速加熱・微小キャビティー表面部位の同期誘導加熱が可能な「超高周波誘導加熱ユニット埋め込み金型技術」を開発する。これにより、従来技術(蒸気加熱法、低周波誘導加熱法等)では達成困難な局所加熱・曲面部位の樹脂流動制御・薄肉成形等を可能とする金型内のサーマルサイクル制御技術の実現が期待できる

開発した技術のポイント

「選択的かつ局所的」に「急速加熱・冷却」が可能なサーマルサイクル制御技術の開発
・金型に埋め込む加熱素子の小型化
・成形上の不具合解消:ウエルド、フローマーク、ヒケなどの滅失
・サーマルサイクルの向上:通常成形比20%の向上
(新技術)
<サーマルサイクル制御ユニット内蔵金型>
・金型内部に埋め込まれる加熱素子、金型外から入力する超高周波電源及び加熱素子の温度制御装置を組み合わせることにより、「選択的かつ局所的」に「急速加熱冷却」し、ウェルドラインやヒケ、変形などの射出成型時の不具合発生を本質的に解消

具体的な成果

・金型に組み込み可能な加熱ユニットを開発
‐金型に組み込み可能で高応答な特性を有する小型急速加熱素子及び超高周波電源から成る加熱ユニットを開発
‐急速加熱・冷却応答性評価を実施
‐樹脂の相変化の状態を調査するために、示差走査熱分析(DSC)を行い、樹脂流動特性に関して検討
・加熱ユニットを埋め込んだ金型にて各樹脂を成形試作
‐樹脂流動時の金型及び樹脂の温度・圧力などを測定できるように射出成形機を計装化
‐加熱ユニットを埋め込んだ金型にてABS、PC、PA6、PPおよびPLAの各樹脂を成形試作
‐加熱素子単体での加熱速度(目標速度10℃/s以上)とエネルギー変換効率(目標40%以上)を達成していることを確認
・ウエルドの不具合を解消
‐ウエルドの不具合を人工的に発生させたモデルを設計、試作金型の製作を行い、計装化射出成形機で成形
‐その結果、ABS、PCのウエルドラインが目立ちにくくなった、またPA6、PLAについて結晶状態の変化が見られた
‐金型全体を加熱冷却する方法に比べてウエルドライン解消や結晶化の制御が効率よく可能であることが判明

金型へのモジュール実装
ウェルドの消失
射出成形時の測定値
研究開発成果の利用シーン

プラスチック射出成形におけるウエルドラインやヒケ、変形などの射出成形時の不具合発生の本質的な解消、射出成形特性向上を実現

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

・H23年度に実用化に成功、事業化には時間がかかる
・サンプルなし

提携可能な製品・サービス内容

設計・製作、製品製造

製品・サービスのPRポイント

・複雑形状化:形状急変部位や薄肉形成部位など、樹脂流動が妨げられる部位における樹脂流動特性の向上と局所的に出現する不具合の解消を図る
・低コスト化:加熱⇔冷却の高速化を実現し、射出成形サイクルを短縮

今後の実用化・事業化の見通し

ニーズ変化に対応し、H24年度中に研究開発の完了を目指す
・複雑形状への対応を進めるための実用化研究を継続実施
・ニーズ変化に対応するため、実機でのデータ取得に努め、ノウハウの蓄積を進める。また、取得したデータを解析し、変化したニーズへのすり合わせを行う
・H24年度中にニーズ変化へのすり合わせに対応した研究開発の完了を目指す

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 株式会社内山精工
事業管理機関 公益財団法人名古屋産業科学研究所
研究等実施機関 学校法人芝浦工業大学
名古屋市工業研究所

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 株式会社内山精工(法人番号:4080401023316)
事業内容 射出成形用金型の設計・製造、メタリック成形加工の受託、超薄肉アルミダイカスト金型の設計・製造および成形受託
社員数 14 名
本社所在地 〒438-0005 静岡県磐田市匂坂上639
ホームページ http://www.uchiyama-seiko.co.jp
連絡先窓口 取締役社長 内山博達
メールアドレス hiro-u@uchiyama-seiko.co.jp
電話番号 0538-38-4611