複合・新機能材料
短納期、低コスト不燃木材の開発による国産木材利用の促進
埼玉県
みはし株式会社
2025年1月22日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | マイクロ波プロセスを利用した建材用低コスト不燃木材の開発 |
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基盤技術分野 | 複合・新機能材料 |
対象となる産業分野 | 建築物・構造物 |
産業分野でのニーズ対応 | 高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮)、低コスト化 |
キーワード | 不燃木材、マイクロ波乾燥、木材乾燥、不燃材料、高強度 |
事業化状況 | 研究実施中 |
事業実施年度 | 令和2年度~令和5年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
従来の不燃木材製造プロセスの課題を解決するために、マイクロ波プロセスを利用して不燃薬液の含浸および木材の乾燥技術を高度化することを目指している。従来技術では、木材の乾燥に2か月以上かかり、薬液の含浸にもムラがあったが、マイクロ波を利用することで、短時間で均一な乾燥を可能とし、不燃薬液価格を低減することを目指している。この技術により、製造コストの削減と品質向上が期待されている。
開発した技術のポイント
・マイクロ波プロセスを用いた木材乾燥技術の最適化
‐従来技術では2か月以上かかっていた乾燥時間を1m3の処理にて52%短縮 (24h/日稼働にて)
・不燃薬液の含浸効率の向上
‐マイクロ波照射による木材内部の導管破放で含浸性向上
・不燃薬剤使用量の削減
‐不不燃薬液の分析、管理方法の設定による長寿命化を実現
-不燃薬液価格35%コストダウン目標を達成
・高強度化技術
‐マイクロ波利用による化学反応で木材強度を10%以上向上
具体的な成果
・マイクロ波による不燃薬液含浸木材乾燥技術
-マイクロ波を利用した木材乾燥方法により、1m3当たりの乾燥期間が従来の乾燥期間より、52%短縮することが可能
-マイクロ波乾燥の連続投入方法の特長として、小ロット生産のほうがより効率的に処理が可能であり、処理量を0.25㎥とした場合には、78%短縮が見込まれる。
-木材の乾燥から最終検査までの期間は従来から、53%短縮(1㎥当たり)
・不燃薬剤使用量の削減
-使用薬剤成分、配合を検討し、不燃性能を確保したまま、使用量の低減
-不燃薬液の分析、管理方法の設定による長寿命化を実現
-不燃薬液価格35%コストダウン目標を達成
・不燃・高強度新機能材料開発
-10%以上の高強度化目標を達成。(未処理木材に対して)
研究開発成果の利用シーン
民間建築のビル(非住宅、施設)等の公共建築物等木材利用促進
国産材の短納期、低コスト化により、市場への安定した木材の供給
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
不燃木材製造にマイクロ波プロセスを導入したことにより、生産ロット等、条件付きではあるが納期短縮の可能性は十分見出せた。木質材料自体の強度と粘り強さを大きくさせた新規不燃剤の開発を行い10%以上の高強度化を実現した。また、薬剤配合、濃度の調整や、薬液を継ぎ足しながらの繰返し使用を可能としたことにより、薬液価格の低減を図る事ができた。
提携可能な製品・サービス内容
製品製造
製品・サービスのPRポイント
不燃薬液含浸させた木材の乾燥期間をマイクロ波乾燥により短期間での乾燥を実現する。
不燃薬液価格を低減し、不燃木材コストの低減が可能。
未処理木材より、10%以上の高強度化を実現。
今後の実用化・事業化の見通し
短納期・低コスト・高品質の製品が求められる現場において、需要が高まると見込まれている。
マイクロ波プロセスを利用した不燃木材の生産技術は、コスト削減と品質向上を両立させることが可能であり、今後の事業展開に向けた強力な基盤となっている。
更なる高強度化を追求する為、不燃薬液の検討を進めていく。
実用化・事業化にあたっての課題
全体コストの低減が図れていない為、自動化を進める必要性がある。
マイクロ波の照射、加温のムラを改善し、複数同時処理等を検討し、さらなる効率化を進めコスト低減を進める必要がある。
薬液の常温保管において、カビの発生が起きているため、カビ抑制方法の検討をすすめている。
事業化に向けた提携や連携の希望
マイクロ波の照射、加温のムラを解決することで、品質や生産性の向上が見込まれる為、マイクロ波活用の知見を持った企業とのさらなる連携をしていきたい。また、木材乾燥に対する知見、技術を持った乾燥機メーカー等との連携により、マイクロ波と温風を合わせた乾燥を検討していきたい。
木材製材業者との提携、連携することで、不燃木材に限らない木材乾燥技術の追求を行い、活用範囲の拡大を検討していきたい。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | みはし株式会社 |
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事業管理機関 | 国立大学法人埼玉大学 研究・連携推進部産学官連携・ダイバーシティ推進課 |
研究等実施機関 | 国立大学法人埼玉大学 |
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | みはし株式会社(法人番号:1030001046864) |
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事業内容 | 内外装華飾材・建築材料の製造ならびに販売、これに付帯または関連する一切の業務 |
社員数 | 126 名 |
生産拠点 | 玉川工場(埼玉県) |
本社所在地 | 〒351-0101 埼玉県和光市白子3丁目26番43号 |
ホームページ | https://mihasi.co.jp/ |
連絡先窓口 | 技術研究所 神山 和昭 |
メールアドレス | kamiyama@mihasi.co.jp |
電話番号 | 0493-67-0388 |
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