情報処理
マルチコア環境への対応を踏まえた新たな設計ツールを開発 リアルタイム性、開発効率において従来の設計手法の課題を解決
福岡県
キャッツ株式会社
2020年4月10日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | マルチコア環境における組込みソフトウェア設計ツールの開発 |
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基盤技術分野 | 情報処理 |
対象となる産業分野 | 自動車、ロボット、産業機械 |
産業分野でのニーズ対応 | 高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮)、高効率化(人件費削減)、高効率化(生産性増加) |
キーワード | マルチコア、モデルベース、設計ツール |
事業化状況 | 事業化に成功 |
事業実施年度 | 平成21年度~平成23年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
近年の組込みプロセッサは、消費電力/発熱量/ノイズなどの問題があり、その問題を解決するためマルチコア化が進んでいる。それに応じて、組込みソフトウェアもマルチコアに対応する必要があるが、組込みソフトウェアには、実時間制限/低消費電力などの固有の課題があり、その課題に対応した設計開発環境(ツール)は現状存在しない。よって、これらの課題を解決するツールを開発する
開発した技術のポイント
組込みシステム特有の課題を解決し、また開発効率を向上させる
・実時間制限の保証→最悪遅延時間はOSが割り当てた最悪遅延時間に対し、1.5倍
・低消費電力の実現→現状のマルチコア環境と比べて消費電力量が2/3
・開発効率の向上→CASEツール「ZIPC」により、不具合を90%削減、開発工数50%削減
(新技術)
<モデルベース設計>
(新規開発技術の優位性)
・モデルベース設計により、低消費電力を考慮した開発を行う
・タスク自動割り当てにより、実時間制限の保証を行う
・上記により、何度も繰り返し実行を行う必要がない
(課題解決による効果)
・開発効率が良い
・低消費電力設計
・実時間制限を保証
具体的な成果
・リアルタイム性を保証
‐タスク毎の動作可能時間は、平均82%の動作時間に短縮させ、17個のタスクの中で、9個のタスクが高速化を達成。また、6個のタスクが目標値(リアルタイムOSによるコア配置比較でリアルタイム性を2/3にする)を達成
‐タスク毎の動作処理時間は、平均85%の動作時間に短縮させ、17個全てのタスク全てが高速化を達成。また、3個のタスクが目標値(2/3)を達成
・低消費電力を実現
‐プロトタイプ版の開発を完了(OSCARAPIの標準化遅れや半導体業界不況の影響から、OSCARAPIに対応したデバイスが存在していないため、同デバイスのリリース次第、評価を実行)
・開発の効率化を達成
‐マルチコア対応の命令(OpenMP)において、手作業挿入では4.5時間を要したことに対し、ツール使用の場合、約1分でOpenMPを挿入できた
‐ZIPC等のモデルベース設計導入の場合、シングルコア向けユーザーの導入効果は、従来の手作業では19人月が、ZIPC使用により9.5人月となり、開発効率の良さを実証
‐上記の結果により、従来比2倍の開発効率向上を実現
・ZIPCにより、マルチコア対応設計を可能にする
~ZIPCから、マルチコア対応の命令(OpenMP)を自動挿入する機能を構築し、開発効率を向上させる~
知財出願や広報活動等の状況
・雑誌:JEITA「組込みマルチコアハンドブック技
・出展:ESEC組込みシステム開発技術展2011
研究開発成果の利用シーン
マルチコアを利用した組込み製品開発において、本研究成果を利用することにより、設計品質が向上する。
マルチコアを利用した組込み製品開発において、本研究成果を利用することにより、開発効率が向上する。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
事業化状況等
・H22年度に事業化に成功
・有償サンプルあり
提携可能な製品・サービス内容
設計・製作、共同研究・共同開発、技術ライセンス
製品・サービスのPRポイント
・精度向上→2つのコアで動作させる際、約2倍の性能を実現するコア配置を解析する
・製作時間短縮→10億通り以上の割り当てが存在するコア配置でも、数秒で最適なコア配置を解析する
今後の実用化・事業化の見通し
ユーザーニーズを踏まえたグレードアップを図り、更なる拡販を図る
・製品化後も継続的にユーザニーズ収集を実施、製品の機能アップに向けた開発を進行中
・パートナー企業と連携し、製品普及に向けた活動に注力している
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | キャッツ株式会社 |
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事業管理機関 | 公益財団法人福岡県産業・科学技術振興財団 |
研究等実施機関 | 株式会社ネットワーク応用技術研究所 国立大学法人九州大学 |
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | キャッツ株式会社(法人番号:5020001008985 ) |
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事業内容 | ソフトウェア開発支援ツール(CASEツール)の開発及び販売、カスタマイズ、導入コンサルティング組込みオブジェクト指向コンサルティング、組込みシステム開発プロセスコンサルティング |
社員数 | 78 名 |
本社所在地 | 〒222-0033 福岡県神奈川県横浜市港北区新横浜3-1-9 アリーナタワー3F |
ホームページ | https://www.zipc.com/jp/ |
連絡先窓口 | 第1事業部 田村 |
メールアドレス | info@zipc.com |
電話番号 | 045-473-2816 |
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