接合・実装
長寿命・高精度なレーザ溶接技術の確立による高品質化、製造コスト削減、短納期化への対応
北海道
株式会社産鋼スチール
2020年3月20日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 圧力容器製造に適応するレーザ溶接の技術開発 |
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基盤技術分野 | 接合・実装 |
対象となる産業分野 | 産業機械 |
産業分野でのニーズ対応 | 高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮)、低コスト化 |
キーワード | 圧力容器、レーザ溶接 |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中 |
事業実施年度 | 平成20年度~平成22年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
圧力容器あるいは真空容器は、高温化、極低温化等の高性能かつ長寿命化のための低入熱溶接へのニーズと、これに相反する製造コスト削減、短納期化への対応が望まれている。これら課題を踏まえ、レーザ溶接の低歪み、高速・高精度溶接の特性を活かした、比較的大きな構造物の3次元形状について、新センサとノズルを備えたレーザ溶接システムの開発と高能率溶接技術の確立を図る
開発した技術のポイント
レーザ溶接の溶接条件の確立と自動化によって、高品質かつ効率的な溶接に
・入熱量を減らすことで、溶接時の熱影響や溶接欠陥を減少させる→TIGアーク溶接の1/10以下の入熱量である、レーザ溶接の溶接条件を確立する
・小径の容器製造にあたっては、精度を高める必要がある→ロボットによる軌跡追尾精度の向上によって対応
(新技術)
<レーザ溶接を用いた圧力容器・真空容器の製造>
・もともと低入熱で、高い品質要件にも耐えるレーザ溶接の溶接条件を確立
・ロボット・ビジョンセンサを整備し、自動教示での溶接を実現
(新技術の特徴)
・ステンレス鋼、ニッケル合金鋼、アルミニウム合金鋼におけるレーザ溶接の溶接条件をデータベース化
・ビジョンセンサとロボット制御ソフトを統合して、溶接線の自動追尾を実現、また教示店の位置精度0.15mm、姿勢角3°の精度を達成
具体的な成果
・圧力容器、真空容器溶接部へのレーザ溶接の適用化技術の確立
‐ステンレス鋼(オーステナイト系含む)について、レーザ溶接を行う際の溶接条件を確立
‐溶接加工時の窒素シールドガス使用によるポロシティ抑制効果を確認するとともに、欠陥抑止効果のメカニズム解明に向けた、EMPAおよびSIMSによる元素分析を実施
・データベース化による、溶接条件データの蓄積
‐ステンレス鋼、ニッケル合金鋼、アルミニウム合金鋼について、パワー密度を変えた上で溶接実験を行い、スポット溶接の溶融部の観察、溶融形状のプロファイルを計測し、データベースを整備
・3次元軌跡追尾ロボットによる高精度の確保
‐突合せ溶接部の3次元軌跡追尾を実現するロボットの制御ソフト及び、突合せ溶接部の位置、姿勢を検出するビジョンセンサを開発
‐ビジョンセンサとロボット制御ソフトを統合したシステムの構築により、溶接線の自動追尾を実現し、教示点の位置精度0.15mm、姿勢角3°の目標精度を達成
知財出願や広報活動等の状況
・論文:AkiHikoMatsusHitaら「ImageMeasurementonCurvatureAroundSeamLineforMotionControlofLaserWeldingRobot」(InternationalJournalofAutomationTecHnology,2010年11月)、AkiHikoMatsusHitaら「ImageDetectionofSeamLineforLaserWeldingRobot」(JournalofRoboticsandMecHatronics,2011年12月)等
研究開発成果の利用シーン
溶接加工を高品質、低コストで行う溶接機及びセンサとして活用
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・レーザ溶接の加工提供は有償にて可能
提携可能な製品・サービス内容
製品製造
製品・サービスのPRポイント
・強度向上:従来溶接法の1/10以下の入熱量にて溶接することで、熱膨張による組織の偏析、残留応力の低減により疲労強度向上が望める
・耐食性向上:母材の熱影響部が極小化することにより、耐食性の向上が望める
・多品種少量生産:汎用ロボットによる3次元の教示作業を自動化することで、レーザ溶接の多品種少量生産への適用が図れる
今後の実用化・事業化の見通し
商品化に向けた補完研究・実証試験を継続し、H25年度の商品化を目指す
・補完研究を継続し、ビジョンセンサとロボット制御システムによるレーザアプリケーションの開発、商品化を進めている。今後も引き続き機能性向上、適用範囲拡大を目的とした実証試験を進めていく
・補完研究や実証試験の結果を踏まえて、H25年度の商品化を目指す
・商品化にあたっては、サポイン事業の関係者、アドバイザー等とも連携をとって推進していく
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社産鋼スチール |
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事業管理機関 | 公益財団法人北海道中小企業総合支援センター |
研究等実施機関 | 国立大学法人北海道大学 地方独立行政法人北海道立総合研究機構 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社産鋼スチール(法人番号:4430001050889) |
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事業内容 | 厚板鋼板・鋼材の販売、圧力容器の設計・製造、真空容器製造、産業機械・各種鋼構造物製造 |
社員数 | 40 名 |
本社所在地 | 〒047-0261 北海道小樽市銭函3-515-1 |
ホームページ | Http://www.sanko-steel.co.jp |
連絡先窓口 | 開発部部長 大藤仁志 |
メールアドレス | ohfuji@sanko-steel.co.jp |
電話番号 | 0134-61-5600 |
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