立体造形
複雑形状部品の高精度な成形加工が可能 DD方式による上下5軸全軸可動CNCサーボプレス複雑形状部品の高精度
秋田県
小林工業株式会社
2020年3月20日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 自動車用精密部品の製造に適したダイレクトドライブ方式CNC多軸サーボプレスの開発 |
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基盤技術分野 | 立体造形 |
対象となる産業分野 | 航空・宇宙、自動車、ロボット |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(精度向上)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮)、高効率化(生産性増加)、低コスト化 |
キーワード | ニアネットシェイプ、粉末成形プレス、粉末成形金型、省エネルギー電動プレス、静か(low noise) |
事業化状況 | 事業化に成功し継続的な取引が続いている |
事業実施年度 | 平成19年度~平成21年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
本計画は、低コスト化や精度の向上、環境問題を目的に部材の形状や加工方法の改革を目指す自動車業界やロボット業界向けに、自社の蓄積された粉末冶金技術を活用することで、要求される高品質で安価な粉末成形品を提供できる高度なダイレクトドライブ方式CNC多軸サーボプレスの開発を行うものである
開発した技術のポイント
従来プレス技術を上回るDD方式上下5軸全軸可動CNCサーボプレスの開発
・複雑形状化対応:上下5軸プレスが全軸可動するDD方式を採用
→プレス位置が異なる多段成形、横穴加工を可能にするため
・高精度化対応:位置決め精度±0.001mm以下達成
→複雑形状部品の成形体の精度を上げ、二次加工レス実現のため
・不良率低減:クラックや入力ミス防止機能を備えたMMIを開発
→成形条件入力を簡素化することでロスをなくすため
・低コスト化:構成部品の少ない単純構造で成形速度も向上
→従来技術より加工費などの製造コスト等を抑えるため
(新技術)
DD方式上下5軸全軸可動CNCサーボプレス
(改善点/メリット)
・軸の個別制御により複雑形状成形が可能
⇒横穴加工も可能
・位置決め精度±0.001mm以下
⇒従来技術の±0.002mmを改善
・多軸&単純構造で剛性が高く成形速度が向上
⇒機械コスト低減、生産性向上
・ユーザーフレンドリーなMMI開発
⇒入力ミス防止による不良率低減が可能
・環境対応
⇒小型・省スペース、騒音低減(65dB)
具体的な成果
・上下5軸DD方式による高度なプレス制御と精度向上に成功
‐従来プレス技術にあった間接的機構をなくした上下5軸DDユニットを開発
‐上下5軸の真直度、直角度における前後・左右運動の検証で許容値0.03mm/ストロークを満たす
‐従来技術の数値を上回る位置決め精度±0.001mmを達成
‐多軸プレスの個別制御により多段成形の“そり”の制御が可能
‐1列横穴加工に成功(単純形状であれば段違い横穴加工にも成功)
・不良率低減のための減圧プロセス、ノックアウトプロセス条件を実証
‐岩手大と連携し、減圧プロセスとノックアウトプロセス時のクラック発生条件を把握
‐加圧-減圧プロセス時の荷重変化によるプレス機械の変形等、シミュレーション分析によりポイントとなる金型位置の把握に成功
・成形品形状に最適な生産技術を組み込んだMMIの開発に成功
‐成形体の密度分布をコントロールする加圧プロセス、成形クラックを防止する減圧プロセスの決定条件を成形パラメーターに簡単に入力できるMMIの開発に成功
‐入力ミス、事故を未然に防止する危険判断機能を搭載
‐プレス時の摩擦による温度上昇に対応した温度補正軸機能を追加
知財出願や広報活動等の状況
・特許出願:「多軸プレス機」(特願2007-320491)
研究開発成果の利用シーン
上下の多軸プレス部とモーター部が直結した全軸可動のDD方式の採用により、自動車用エンジン回り部品やロボットの多関節ギア部品等の成形で求められる複雑形状化や高精度化への要望に対応する
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
「ダイレクトドライブ方式CNCサーボプレス」という商品名で事業化している。年間10億円程度の売り上げがある。国内、韓国、中国、ヨーロッパにおいて販売実績がある。
提携可能な製品・サービス内容
設計・製作、共同研究・共同開発
製品・サービスのPRポイント
従来の多軸プレスは上下パンチが分割され、本研究では上パンチが5分割、下パンチが5分割、それぞれが独立に制御することができるプレスを開発した。現在では粉を充填し成形するためのダイスのキャビティーが2,3、4分割される新しい成形技術が行われている。即ち上下分割だけでなく横分割もできる多軸プレスである。この技術はプレスだけでなく金型設計・製作においても新たな、高度な技術を要する。わが社は金型設計・製作、プレス設計・製作、成形方法を組み込んだHMI(Human-Machine-Interface)ソフトウェア―を同時に提案、開発、提供する。お客様の生産技術部門のスタッフの一員として利用していただけることをビジネスモデルとしている。
今後の実用化・事業化の見通し
現在求められている技術:1.金型の自動交換、2.Smart factory(成形条件、荷重、重量、Track data 等 生産状況のgatheringとそのデータを上位システムに通信する)、3.ヨーロッパ、アメリカへの販売 英語力、4.海外展示会への参加と費用負担
実用化・事業化にあたっての課題
1.ヨーロッパ、アメリカに販売するためには 英語によるコミュニケーション、英語でマニュアル作成 しなければならない。このような人材がいない。 2. 海外の展示会に出品するための費用
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 小林工業株式会社 |
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事業管理機関 | 公益財団法人あきた企業活性化センター |
研究等実施機関 | 国立大学法人岩手大学 |
アドバイザー | 間瀬 隆 アイシン精機(株)常務役員(当時)、西村 文仁 国立大学法人岩手大学 工学部 准教授(当時)、岡野 秀晴 公立大学法人 秋田県立大学 システム科学技術学部 教授(当時) |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 小林工業株式会社(法人番号:P001Z2880000) |
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事業内容 | 各種金型、CNCサーボプレス機・特殊研削盤の設計・製作 販売 |
社員数 | 216 名 |
生産拠点 | 上記の本社において生産している。 |
本社所在地 | 〒015-8686 秋田県由利本荘市石脇字赤ハゲ1-372 |
ホームページ | http://www.kobayashi-akita.co.jp |
連絡先窓口 | 技術担当 取締役 吉原 敏郎 |
メールアドレス | yoshihara@kobayashi-akita.co.jp |
電話番号 | 0184-22-5320 |
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