表面処理
LEDの外部取り出し効率を20%アップする微細で高精度の転写が可能な電鋳技術によるインプリント用の金型
長野県
株式会社nittoh
2020年4月12日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 高輝度LED用フォトニッククリスタルを形成するインプリントモールドの研究開発 |
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基盤技術分野 | 表面処理 |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護、自動車、光学機器 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(精度向上) |
キーワード | 環境を配慮した表面改質、無電解ニッケルめっき、電鋳めっき、離型膜、微細転写 |
事業化状況 | 研究中止または停滞中 |
事業実施年度 | 平成25年度~平成27年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
LEDは次世代照明として広範囲にわたり適用が始まっており、更なる高輝度化が望まれている。そうした中、「ナノインプリント技術を使ってフォトニッククリスタルを形成し外部取出効率を20%アップする」といった川下企業の目標が示された。これを受け、ナノレベルの新規な電鋳技術を開発し、インプリント用金型を創出することにより、高精度なフォトニッククリスタルを形成することで、目標の達成を図る
開発した技術のポイント
超微細で高精度の転写が可能な電鋳技術を使ってインプリント用の金型を作製し、外部取り出し効率の20%アップを目標とする
(新技術)
マザーをインプリント法で転写したマスターから、ニッケル電鋳にてスタンパーを作製する
(新技術の特徴)
マザーの代替品を作製することで、高価なマザーの作製費を大幅に削減できる
具体的な成果
・フォトニッククリスタルの最適構造を設計・シミュレーションしたところ、16%の効率アップが見込まれた。マスター(絶縁体)は特殊な水を利用した表面改質が可能となった
・無電解ニッケル-リンめっきを施すことで、導電膜の形成が可能となり、各工程の温度によるマスターの熱膨張を少なくするため、処理温度を概ね均一とした
・電鋳めっきでは、φ170mmまで膜厚を±0.01mm以内とする、電鋳めっきの反り量、うねり、電鋳カット時のカエリを改善ができ、ハルセル試験等、めっき液の状態を測定、管理することで品質の安定化を図った
・離型膜は、密着性に問題はなく、耐久性評価では1ロール分(282枚)問題なくインプリントでき、更に一度離型膜を剥離して再成膜してみたが、初期と同等の離型性を得ることができた
知財出願や広報活動等の状況
マスター(絶縁体)を表面改質する作業について特許出願中。
研究開発成果の利用シーン
LED・レンズアレイ・バイオチップ・インプリントモールド・離型性が向上する射出成形用金型
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
研究中止につきなし。
提携可能な製品・サービス内容
製品製造、共同研究・共同開発
製品・サービスのPRポイント
・光学設計~成形までの一貫生産が可能であることから、コスト低減、リードタイムの短縮が可能。
・インプリントでマスターを作製し、電鋳で転写が可能。(高価なマザーの代替技術)
今後の実用化・事業化の見通し
・LEDの効率アップを図る微細構造をサファイア上に自社で形成するには、更に装置を購入することと、インプリントモールド作製以降2工程(PDMSの作製とサファイア上へのインプリント)の技術確立が必要であり、サポイン事業終了後も継続検討することになる(但し、これら製造工程を外展開する場合は、この限りでない)
・電鋳技術を使った微細転写はインプリント用の金型ばかりでなく、射出成形用の金型としても使用可能である
・具体的には、マイクロレンズアレイ・バイオチップ・導光板をプラスチックで作製する金型として使用でき、離型膜は、もともと離型性の悪い射出成形用の金型の表面にコーティングすることも可能である
・事業化するに当たり、差別化を意識し、コスト・品質の見直しを図っていく
実用化・事業化にあたっての課題
設備投資が難しい。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | (旧)日東光学株式会社 (現)nittoh 光学成形本部 |
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事業管理機関 | 公益財団法人長野県テクノ財団 |
アドバイザー | 関東学院大学:本間栄誉教授・高井教授、東芝機械株式会社 小久保部長 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社nittoh(法人番号:9100001018568) |
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事業内容 | 光学機器の製造 |
社員数 | 430 名 |
生産拠点 | 本社工場・上諏訪工場・あづみ野工場(長野県内)、NPI・NBI(インドネシア) |
本社所在地 | 〒392-0131 長野県諏訪市湖南4529 |
ホームページ | http://www.nittohkogaku.co.jp |
連絡先窓口 | 八町利一 |
メールアドレス | tyamachi@nittohkogaku.co.jp |
電話番号 | 0266-52-6200 |
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