研究開発された技術紹介

自動車等の複雑形状機能部品の生産は、従来鋳造・熱間鍛造業者で塊状物を一次加工し、その後切削業者で加工し仕上げており、納期が長い、コストが高い、業者をまたぐため品質管理体制の課題がある。本研究開発では、厚板から切削加工レスの新規高精度プレス加工法の開発と共に、金型工具の耐久性向上を図り、プレス一貫ラインによる高生産性、低コスト、短納期、品質管理の強化を達成することで部材加工産業に貢献する

複雑形状部品製造向けに、厚板のプレス加工を中心とした新規加工法を開発
・複雑形状部品製造において、従来法の代わりに、 厚板のプレス加工を中心にした新規加工法を開 発し、多回プレス一貫ライン生産体制を構築する
・厚板プレス加工の高精度化:切り口面の算術平均粗さRa 1.6μm、穴の同軸度 30μm、穴公差 H7、 ウエブ幅 板厚×50%
・コスト低減:50%以上
・品質管理の強化
(新技術)
特徴
・厚板高精度プレス加工
・多回プレスの一貫生産工法
・生産リードタイム1日
・プレス工法への転換による 低コスト化・品質安定化

・厚板から複雑3次元形状部品をプレスのみにて創製する加工法を確立
-0.5mm以上の多回プレスを用いたシェービング加工において、破断面20%未満の加工ができるようになり、表面粗さの目標値Ra1.6以下を達成
・プレス一貫ラインでの複合加工を可能とする技術を確立
-目標とする複雑形状機能部品の増肉成形、対向穴加工を実現し、プレス一貫ラインによる加工化を図った
-FEm解析で複雑形状機能部品の全工程を再現・検証
-材料送り装置の開発において、自社開発による技術向上が図れた
・シェービング金型の耐久性と表面粗さを向上
-シェービング加工において、最適な潤滑油を用いて、加工実験を繰り返し行い、実用化を目標とする複雑形状品を精度よく製作した
-潤滑による摩擦係数の違いについて、有限要素法解析により明らかにした
-セラミック系工具について、繰り返しシェービング加工実験を実施した
-金型パンチにほぼ影響なく、目標とする加工面(表面粗さRa1.0以下)を得て、実用性の見通しを得た

特許出願：「搬送装置及び処理物の搬送方法」(特願2010-048871)

ディーゼルエンジンの精密部品等において、従来 品は熱間鍛造で成形後、機械加工を施して寸法 精度を出していたのに対し、本技術では板材から金 属プレス加工のみで製品に仕上げるため、短納期 化、低コスト化、トレサビリティー確保等が実現する

・川下産業で量産機への活用の検討が行われている所である。決定後に事業化に向けて整備を進める。
・派生技術で板鍛造部品の受注が決まった。

板鍛造技術の構築により材料板厚のコントロールが可能となったことで、従来、鋳造加工や、焼結部品でしか加工が出来なかった部品をプレス化する事が出来るようになった。

・基盤技術は押さえたので、事業化へのステップ に繋げていく
・現在、川下企業とともに、試作品の性能試験と 耐久試験を実施しており、良好な評価を受けている
・技術の応用を図る事で、ディーゼルエンジン用コントロールレバーの実用化、自動車用プラグ部品の受注量産化が図れ、技術の横展開による実用化が図れている。