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精密加工

既存装置の5.4倍の生産効率を有する平面ガラスの自動連続研磨加工システムを開発

秋田県

サイチ工業株式会社

2020年3月27日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 次世代情報家電向け研磨システムの開発
基盤技術分野 精密加工
対象となる産業分野 工作機械
産業分野でのニーズ対応 高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(精度向上)、高効率化(生産性増加)
キーワード 研磨装置
事業化状況 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中
事業実施年度 平成19年度~平成21年度

プロジェクトの詳細

事業概要

電界砥粒制御技術による平面ガラスの自動連続研磨加工システムは、従来の遊離砥粒研磨法では困難な極薄平面ガラスの高効率精密加工を実現できることから、市場が求める移動体情報通信機器の薄型化を加速させる他、スラリーを削減・回収することができる。本提案は、同技術によるガラス研磨加工機構の解析、研磨装置、工具及び関連機器等を要素とする同システムにより生産性の高い環境に配慮した次世代ガラス研磨加工を開発する

開発した技術のポイント

既存の装置に比べ4倍以上高能率さを有するシステムの開発が目標
・生産効率:既存装置の4倍以上
→部品の短納期、低コスト化が可能
・研磨特性:表面粗さ3nmPV(高さ方向の最高点と最低点の高低差)以下、形状精度20nm rms(自乗平均粗さ)以下、平坦度3λ以内
→多くの情報を鮮明に表示させる高精細な表示部の研磨が可能
(新技術)
・電界砥粒制御技術電界印加により、スラリーの飛散を抑制し、研磨効率を向上させる
・旋回運動方式
上下定盤の旋回運動により、中心軸を排除。一度に多数枚の試料を整列可能

具体的な成果

・電界砥粒制御技術により研磨レートが1.6倍向上
‐秋田県産業技術総合研究センターが開発した電界砥粒制御技術を採用
‐電界砥粒制御技術の活用に向け、研磨装置部のスラリーに電界を効率よく与える電極ポリシングパッドを開発
‐開発した電極ポリシングパッドを使用した結果、研磨レートが1.6倍向上
・生産効率が従来の5.4倍の研磨システムの開発に成功
‐さらに、開発した研磨システムでは、両面研磨装置の定盤駆動方式として旋回運動方式の導入に成功
‐これにより研磨領域を拡大化し生産能力を既存方式に比べ3.4倍向上
‐既存の装置に比べて生産効率4倍の目標に対し、5.4倍(生産能力3.4倍×研磨レート1.6倍)の生産効率を実現
・安全性が高く、環境に配慮した研磨システムを構築
‐粗研磨装置と精密研磨装置を連結し、試料搬送を自動化することによって工程間搬送事故による歩留り低下の可能性を抑制するシステム構築に成功
‐未使用砥粒と研磨屑との分離技術により、未使用砥粒を回収することで、砥粒の有効活用を可能とし、環境に配慮した研磨技術を確立

知財出願や広報活動等の状況

・特許出願:「平面研磨装置及びその技術」(特願11901085)
・講演:サイチ工業株式会社千葉翔梧「電界砥粒制御技術及び旋回運動を適用した高能率両面平面研磨装置の開発」(2009年度砥粒加工学会学術講演会優秀講演論文賞)(H22.3.21)

研究開発成果の利用シーン

携帯電話等の情報家電の表示部品(ガラス基板)の研磨装置において、従来の遊離砥粒研磨技術を革新する電界砥粒制御技術を活用し、生産効率の向上を図る

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

引き合い販売実績なし

提携可能な製品・サービス内容

設計・製作

製品・サービスのPRポイント

両面研磨装置の定盤駆動方式により研磨領域拡大従来比3.4倍

今後の実用化・事業化の見通し

事業化に向けて試作デモ期の開発に取り組む
・平成22年末現在、事業化に向け、本研究で得られた研磨装置をベースとした試作デモ機の開発に取り組む
・完成後は展示会等へ出展するとともに、評価を実施し、実用化を目指す
・実用化後は、県内研磨企業を中心に販売、さらに専門商社を通じて全国展開を狙う

実用化・事業化にあたっての課題

資金調達

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 サイチ工業株式会社
事業管理機関 公益財団法人あきた企業活性化センター
研究等実施機関 株式会社アイカムス・ラボ
株式会社セーコン
秋田県産業技術センター 工業技術センター

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 サイチ工業株式会社(法人番号:4410001009086)
事業内容 電子部品製造装置の設計・製造・販売、自動めっき装置の設計・製造・販売、公害防止機器設計・製造・販売、塩化ビニール製品の加工・製造・販売
社員数 6 名
本社所在地 〒013-0326 秋田県横手市大雄字上田村東193番地
ホームページ http://www.akita-saichi.co.jp
連絡先窓口 代表取締役 松下一幸
メールアドレス matsusita@akita-saichi.co.jp
電話番号 0182-56-5003