複合・新機能材料
非鉄金属の新たな特性を引き出す特殊熱処理技術
山梨県
有限会社丸眞熱処理工業
2020年3月16日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | アルミニウム部品の急速加熱による高品質・高効率熱処理技術の開発 |
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基盤技術分野 | 複合・新機能材料 |
対象となる産業分野 | 自動車、工作機械 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(小型化・軽量化) |
キーワード | 部分熱処理 |
事業化状況 | 研究中止または停滞中 |
事業実施年度 | 平成18年度~平成20年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
自動車産業においては原油価格高騰、厳しい排出ガス規制、顧客ニーズの多様化等の問題があり、この解決手段として軽量化、短納期化、低コスト化などの技術的課題がある。それに対し、本研究では従来行われていなかった急速短時間加熱によるアルミニウム合金の高品質・高効率熱処理技術を開発し、課題解決に取り組む。素材評価と電源開発により新技術を確立し、アルミニウム合金の高周波熱処理装置の製品化と受託加工の実用化を目指す
開発した技術のポイント
・機械的強度の向上
(A6061合金、0.2%耐力で評価、時効処理8時間で共通)
‐従来技術(電気炉による溶体化処理)263MPa
‐開発技術(高周波による溶体化処理)350MPa
→耐力:33%向上
・昇温時間90%削減(上記溶体化処理時)
‐従来技術(電気炉)昇温30分、保持30分
‐開発技術(高周波)昇温36秒、保持3分
⇒昇温時間:98%削減
・保持時間:90%削減
・均熱加熱の実現
シミュレーションから、コイル移動前に予熱時間を設け均熱加熱を実現。
・電源出力:20kW以上
電源出力10~20kW可変、電源周波数400kHz又は2MHzの切換の熱処理装置を試作開発
(新技術)
<開発目標>
・機械的強度の向上
・熱処理条件の最適化
・昇温時間:現状の90%削減
・局部的処理の実現
・均一加熱の実現
・電源出力:20kW以上
具体的な成果
メガヘルツ帯域の電源を備えることで、アルミニウム等の非鉄金属材料が処理できる金属熱処理装置。熱処理条件などの物理量がリアルタイムで計測、制御されているため、繰り返し処理の再現性検証や類似した処理対象物のデータを呼び出すことが可能。
・プロトタイプ型アルミ熱処理装置高周波誘導加熱部
‐加熱周波数:2MHz又は400kHz
‐最大出力:10~20kW
‐変換方式:FET式P-P発信器
‐直流電流(可変定電圧):トランスレスサイリスタ制御
研究開発成果の利用シーン
研究を行い開発された μ(マイクロ)高周波技術を使用して、小径の中空シャフト(パイプ材)の表層面への焼入れに成功。高周波焼き入れの特徴である、必要な部分の表層面に硬化層が形成できる技術。従来は製品全面に焼き入れをするか、焼入れをせずにそのまま使用するが、本技術により必要な部分に必要な厚みだけ硬化層を形成させることが可能。
実用化・事業化の状況
提携可能な製品・サービス内容
素材・部品製造
製品・サービスのPRポイント
熱処理炉による加工部品全体の焼き入れではなく、ピンポイントの部分熱処理が可能。
今後の実用化・事業化の見通し
関連技術にて、大手メーカーより引き合いあり。
実用化・事業化にあたっての課題
共同研究機関であるワイエス電子工業株式会社の代表者死去に伴い、本研究の肝である高出力電源の調達が不可能となった。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 浅川熱処理株式会社 有限会社丸眞熱処理工業 ワイエス電子工業株式会社 |
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事業管理機関 | 公益財団法人やまなし産業支援機構 中小企業振興部経営支援課 |
研究等実施機関 | 有限会社丸眞熱処理工業 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 有限会社丸眞熱処理工業(法人番号:7090002003911) |
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事業内容 | 金属熱処理 |
社員数 | 20 名 |
本社所在地 | 〒400-0116 山梨県甲斐市玉川1578 |
ホームページ | http://www.marushin-heat.co.jp/ |
連絡先窓口 | 常務取締役 若尾 |
メールアドレス | wakao-h@marushin-heat.co.jp |
電話番号 | 055-276-4952 |
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