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対外活動(コンソーシアムへの参画、戦略的基盤技術高度化支援事業等)により、「商社活動」から「ものづくり」への会社方針を着実に達成

シーマ電子株式会社 取締役統括兼設計・試作・評価センター長   吉田克己氏

「ものづくり」を行うという会社方針にそった事業業態への変革

サポイン事業に応募するまでの経緯を教えてください。

当社は1983年の創業以来、半導体後工程に係わるビジネスを主として活動しております。1989年からは半導体の評価解析を山梨事業所で開始し、その後に信頼性評価業務の環境を整えました。商社活動と平行して。2005年からは、半導体パッケージの試作も開始し、「ものづくり」を行うという会社方針を実現してきました。本サポイン事業に関しては、小量産(パッケージ(=モジュール)500~1000台/年)に進出する事を最終目標に、活動を開始しました。以前は半導体分野の総てに日本メーカーが強い時代が続き、各社独自でそれぞれが評価、解析、試作をしていました。各方面で業界は多忙でしたが、現在メモリー、ロジックに関連する業務は海外へ流出しており、今はパワーデバイス関連が日本の半導体産業の中心になりつつあります。
その中でも材料関係は、引き続き半導体のコア技術になると思われますが、この分野においては今後も、日本の強さを継続しなければならないと考えています。材料は、鼻薬(微量成分)の添加効果等、各企業がノウハウとして持ち、技術を蓄積していることから、これからも日本の材料技術の強さは維持できるであろうと考えます。
このような状況下、当社は社内でパッケージ化ができる環境つくりを目指してきました。以前、自動車で使用される半導体はそれ程使われていませんでしたが、昨今、自動車の自動化、電動化、センサー利用等、飛躍的な技術革新で、環境が変わり、当社への各企業からも問い合わせも増大しています。中でも当社はパワーデバイス注目し、検討を加速しています。ロジック、メモリー関連は海外への展開が急で日本では厳しくなっています。しかし、パワーデバイス関連はまだこれからであり、当社としてもアイデアで勝負できると考えています。更に、半導体の前工程は海外と競争してもとても勝てない。なぜなら、投資額が莫大です。韓国、台湾では最新技術5nm微細化という話もあり、装置の投資を増やすしかなく、資金がある所には勝てません。このような市場の環境の中、当社はパワーデバイスの少量産事業にチャレンジしていきます。

YJC(よこはま高度実装技術コンソーシアム)のKAMOME ロジェクトの繋がりを活かして共同体を構成

サポイン事業を申請・開始するにあたって、共同体をどのように構成しましたか。

横浜国大内のYJCが、KAMOMEプロジェクトを発足させ、参加企業約20社で、材料開発の評価プラットフォームと情報交換の場が開設された。当社は当初からこのPJに参加、グループにいらっしゃる、高橋教授(エポキシ系高分子材料が専門)、千教授(シミュレーションが専門)と知り合い、同プロジェクト事務局との繋がりもできた。事務局、高橋教授より同プロジェクトのなかで、パッケージ、試作、評価をやってもらえないかとの打診があり、「ものづくり」を行うとの当社方針ともマッチしたことから、7年前から試作企業としてPJに参加した。現在同プロジェクトの後継プロジェクトである「アドバンスト」にも、引き続き参加している。

両面放熱構造と従来構造の比較

パワーモジュールパッケージの「試作・測定・評価」のプラットフォームを構築

研究開発の最終ゴールをどのように設定しましたか。

評価プラットフォームの環境整備は多額の投資が必要であるが、材料評価には必須な環境であり、現在国内には当社のような評価プラットフォームを持つ企業は無い。

「パワーモジュール組立・成型設備」、「パワーモジュール特性評価・信頼性評価設備」を充実

サポイン事業の効果について教えてください。

真空モールド成型装置、金型、タイバーカット、接合材塗布装置、表面UV洗浄・改質装置を設置し、これまでの装置と合わせ「パワーモジュール組立・成型設備」が充実した。また、高温温度サイクル試験装置、パワーサイクル試験装置、過渡熱抵抗測定装置、静特性測定装置を導入し、これまでの測定評価装置と合わせ、「パワーモジュール特性評価・信頼性評価設備」を充実することもできた。
自社の製品開発の他、自動車メーカーなどの川下顧客の製品試作や特性評価、パワーモジュール用途を目指した材料メーカーの開発材料等を、モジュール構造で実用評価できるプラットフォームとして活用できる。

KAMOMEプロジェクトの中で情報発信、展示会にも出展

サポイン事業終了後から現在までの状況について教えてください。

開発したモジュール

今後SiCモジュールが増加しているのは間違いない。
パワーデバイス関連事業にかかわれればと考えている。測定・評価業務、試作業務を通じ、各社の情報収集、顧客のキャッチアップ、川上、川下への営業活動を開始。また、当該分野で来場者が多い、カーエレクトロニクス展に出展している。当社ブース訪問者は600人ぐらいで、外国企業も多く、海外からは中国・韓国・台湾であった。
KAMOMEアドバンストではサポインで購入、作成した環境を利用し、「片面放熱タイプ」で協力する予定である。

幅広く横展開に向けて構想、活動を展開

今後の取り組みに向けた課題や目標、見通しについて教えてください。

メーカーと共同で、250℃にも耐えうる、シンター材や封止材などの検討を行っている。空冷モジュールに限らず、パワーデバイス全体での評価を行い、コアビジネスになればと思っている。横展開としては、インバータ内蔵モーター、直流/交流コンバータ等もターゲットとしたい。

サポイン事業を効果的に利用する上でのメッセージ、アドバイス

最後に、今後サポイン事業に応募を検討される方や、現在実施されている方にメッセージをお願いします。

横浜企業経営支援財団がはいって、申請書作成や色々なアドバイスが得られ、経産局間を取り持ってくれたことで方向性の見直しや申請処理が出来た。横浜国大も同様な効果があり、管理機関を含めた体制構築は必須であった。社外の協力者を多く持てる活動( 本共同体制ではKAMOMEプロジェクト)を行うことも有効であった。

サポイン技術情報
プロジェクト名:
両面放熱機能を有する薄型SiC大電流パワーモジュールの製品および製造技術の開発
事業実施年度:
平成26年度~平成28年度
研究開発の目的:
SiCパワー半導体はモジュールの構成材料の耐熱性が不足しているため、本来のSiCの特性が発揮できない150℃前後の温度で作動させているのが実情である。両面放熱構造による小型空冷の大電流パワーモジュールの期待は大きい空冷方式でも作動する両面放熱機能を有した薄型SiC大電流パワーモジュールの製品化と製造技術を開発する。
事業化の状況:
今後はSiCチップを複数個搭載した500Aのモジュール製品を開発して市場展開を図る。