文字サイズ
標準
色の変更

研究開発された技術紹介

  1. トップ
  2. 研究開発技術検索
  3. 空冷方式に対応可能で放熱特性に優れた両面放熱薄型SiC大電流パワーモジュール

接合・実装

空冷方式に対応可能で放熱特性に優れた両面放熱薄型SiC大電流パワーモジュール

神奈川県

シーマ電子株式会社

2020年4月20日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 両面放熱機能を有する薄型SiC大電流パワーモジュールの製品および製造技術の開発
基盤技術分野 接合・実装
対象となる産業分野 医療・健康・介護、環境・エネルギー、自動車、ロボット、スマート家電、半導体、エレクトロニクス
産業分野でのニーズ対応 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(小型化・軽量化)、環境配慮
キーワード パワーデバイス、パワーモジュール、両面放熱、薄型軽量化、トランスファーモールド
事業化状況 実用化間近
事業実施年度 平成26年度~平成28年度

プロジェクトの詳細

事業概要

本計画は、空冷方式で素子接合温度(TJ)250℃に対応可能な両面放熱構造を有する薄型SIC大電流パワーモジュールの開発を行う。構造が薄型で複雑故、狭い空間に樹脂を流入させる必要があり、1シミュレーションによるモジュール構造設計。2流動性に優れ、TJ250℃に耐えるモールド樹脂の開発。3鉛半田に代わる金属ナノ材による薄型・耐熱性素子接合技術の開発。を、横浜国大と共同で実施し、電力削減、省エネへの貢献を目指す

開発した技術のポイント

空冷方式でも作動する両面放熱機能を有した薄型SiC大電流パワーモジュールの製品化と製造技術の開発
(新技術)
・コレクター電極とエミッター電極をモジュールの両表面に配置
・リードフレームとSiCチップの接続材にAgナノ材を使用
(新技術の特徴)
・放熱特性が向上し、空冷式にも対応可能
・高耐熱・高熱伝導材料であり、接続の信頼性が高い

具体的な成果

・両面放熱機能を有する薄型SiCパワーモジュールの構造設計
‐作動温度200℃のモジュール組立技術を確立し、第一ステップとしてSiCチップ(ダイオード機能内蔵MOS-FET)を1個搭載した100A対応のSiC大電流パワーモジュールを製作した
‐非鉛接合材である錫アンチモン系ハンダシートを用いて、温度サイクル試験による応力負荷に耐える信頼性の高い製品特性を確認した
・気泡混入のない成型方法と製造技術の確立
‐金型温度200℃、成型圧85Kgf、成型時間120秒、PMC(後硬化)250℃で4時間の成型条件で、超音波探傷観察により内部に気泡がないことを確認した
‐ベンゾオキサジン-ビスマレイミド(BMI)系をベースに、高流動性で高耐熱性(300℃)の封止樹脂を開発した
・耐熱性を有する非鉛化接合材の開発
‐錫アンチモン系ハンダシート(耐熱性240℃)を用いて、温度サイクル試験に耐える両面放熱構造モジュール組立技術を完成した

知財出願や広報活動等の状況

特許や実用新案等の出願は行っていないが、横浜国大やKAMOME PJ 、JEAITAの活動に積極的に参加し、当社の要素技術をアピールし、目標である薄型の両面放熱モジュールの展開を継続している。

研究開発成果の利用シーン

最終的には小型で両面放熱機能を有する薄型SiCパワーモジュール製品を目指しているが、SiやGaNの半導体への展開、現状多くある片面放熱のモジュールへの展開も視野に試作、少量産への展開を開始している。

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

SiC自体の市場展開が当初より遅れており、当社もSiやGaN等のパワー半導体への展開を始めている。当社ビジネスとして、量産品への展開はまだ時間がかかると思われるが、試作やそれに関する評価関連事業での本検討の技術を活用しての展開を図っている段階。

提携可能な製品・サービス内容

設計・製作、加工・組立・処理、試験・分析・評価、共同研究・共同開発

製品・サービスのPRポイント

・両面放熱構造のため、放熱に優れる
‐構成材料の耐熱性が250℃以上ある
‐SiCパワー半導体のもつ大電流、高電圧の特徴を有する
・環境に安全な接続材(シンター材)の採用
・SiCパワーモジュールの小型化が可能

今後の実用化・事業化の見通し

今後はSiCチップを複数個搭載した500Aのモジュール製品を開発して市場展開を図る

実用化・事業化にあたっての課題

SiC自体の世の中絵への供給が遅れており、SiCに限らない半導体のパワーデバイスへの展開も視野に検討を行っている。

事業化に向けた提携や連携の希望

既に大手自動車メーカー数社とのパイプは出来つつある。特殊は業界でもあり、秘密保持の面での注意が重要のため、個別に検討している。

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 シーマ電子株式会社
事業管理機関 公益財団法人横浜企業経営支援財団
研究等実施機関 国立大学法人横浜国立大学

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 シーマ電子株式会社(法人番号:1020001026917)
事業内容 電子絶縁材料の販売ICパッケージの試作・解析・評価
社員数 60 名
生産拠点 山梨県韮崎市龍岡町下条南割995-440
本社所在地 〒231-0063 神奈川県横浜市中区花咲町二丁目82番地貞華ビル
ホームページ http://www.shiima.co.jp/
連絡先窓口 吉田克己
メールアドレス yoshida@shiima.co.jp
電話番号 045-260-1511