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核酸合成の基盤技術に沖縄の資源・知識を結集して安心・安全な革新的核酸化粧品を開発

株式会社ボナック  研究開発本部  主席研究員    濱崎 智洋氏(写真左)
          研究開発本部  主任研究員    山田 太務氏(写真中央左)
          研究開発本部  研究員      與那嶺 孝氏(写真中央右)
          研究開発本部  研究員      宇都宮 有夕美氏(写真右)

医薬品として利用されていた核酸を化粧品として利用するため、サポイン事業を実施

今回のサポイン事業に応募するまでの経緯を教えてください。

当社は、2010年創業、従業員39名の会社で、核酸化学を通じ医薬品の創出や診断薬の開発など、世界の核酸医療の展開・発展に対し、様々なソリューションの提供を行っている。
これまで核酸医薬開発に関する課題を克服するため、新たな視点で独自の研究を進めた結果、新規合成核酸分子「ボナック核酸」を見出し、強固な基盤技術を確立してきた。これらの基盤技術は、独創的な特許として世界各国へ出願し、すでに日米欧で特許登録を得ている。
当社では、核酸をハードルが高い医薬品だけではなく、広く社会で利用されることを検討していた。そんな中、沖縄科学技術振興センターからサポイン事業の紹介を受けたことがきっかけで、ボナック核酸の化粧品化を目指して同事業に応募することになった。

沖縄の天然素材と核酸を組み合わせた化粧品原料の開発を目指す

研究開発のゴールをどのように設定しましたか。

プロトタイプに採用された沖縄産素材

沖縄県にあるユニークな天然素材と、医薬品開発にて得られた高品質な合成核酸を用いて、化粧品の新たな市場トレンドとなり得る、安心・安全な核酸化粧品及び化粧品原料の開発を目指した。体制内の役割分担として、当社は研究開発、沖縄科学技術振興センターには市場ニーズの調査、商品開発のコンセプト、他企業へのコンタクト、当社へのアドバイス等を担当した。
また、市場としては、日本や近年化粧品市場が拡大している中国、アジアをターゲットとした。

安全性の高い化粧品を作り出したいという企業方針

研究開発の体制、研究開発中の苦労した点について教えてください。

製造したプロトタイプAとプロトタイプB

開発費を掛けて安全性試験等を行った点である。化粧品は、誰でも気軽に使えるものであるが故に、子供や皮膚が弱い人には刺激が有る、肌に合わない等の可能性がある。当社では、市場に出た時にトラブルにならないために、高品質の製品を世に送り出したいという方針から細心の注意を払った。当社は、核酸医薬品を作る企業であり、製造責任とともに企業イメージへの影響も考慮した。
通常は細胞を用いた安全性試験だけが行われているが、当社ではこれらの試験で安全性を確認した上で、ヒトでの皮膚アレルギー試験(パッチテスト)も行った。また対象数を増やし、国内20人、海外100人で試験を行った。このような規模で実施する企業はほとんどいない。多くの企業は、販売戦略、クレーム処理、パッケージング、広告等に経費を掛けて、商品開発を行う。そのため、安全性試験にここまで経費を掛ける企業は少なく、結果として『より安心・安全にこだわりのある化粧品』の開発を行うことができた。
研究開発が円滑に行えた要因としては、沖縄科学技術振興センターと製品開発の方向性を一致させた上で、役割分担を行い、お互いの情報を共有しながら行ったことが挙げられる。
沖縄科学技術振興センターは、台湾やアジア圏の情報に精通しており、市場調査のアプローチにも長けていたため、当該分野の専門性や情報を持っている企業や機関にコンタクトを取り、情報を入手することができた。
また、化粧品の試作品を製造委託できる企業についても、基本的には他社製品を製造すると製造ラインに影響が出るため、委託生産を受けることはないが、沖縄科学技術振興センターが企業を調査してコネクションを取り、仲介を行い、いくつかの企業と面談した上で、試作品の製造を行うことができた。沖縄科学技術振興センターのおかげで、当社はモノづくりに集中することができたといえる。

核酸の原料を供給する事業を検討し、事業提供先を探索

事業化に向けた活動について教えてください。

事業化については、化粧品の製造設備を持って自社生産するのではなく、核酸原料を供給する事業を検討しており、核酸化粧水の特許はライセンスアウトしたいと考えている。また、他社との共同開発を望んでおり、現在、事業の提携先企業を探索している。
合成した核酸は高品質かつ安全性が高く、この合成核酸を含んだ当社の化粧品は、水分含量、油分含量を維持できる時間が長く、他社製品と比較して優位性を持っている。しかしながら、他社製品のような酵母や生体から抽出した核酸よりも高価であるため、更なる低価格化に向けた研究開発が必要と考えている。医薬品の場合は、効能が大きければ高額でも許容されるが、化粧品の場合はそうはいかない。現時点では、1/5 を目指してコスト削減を検討している。

サポイン事業を効果的に利用する上でのメッセージ、アドバイス

最後に、今後サポイン事業に応募を検討される方や、現在実施されている方にメッセージをお願いします。

当社は、事業化までは行っていないので、ものづくりまでで助言をするとすれば、組織体制をどのように構成するかが重要と思う。体制内では、複数の専門性を持つ組織が参画するので、その専門性をうまく組み合わせる必要がある。ものづくり体制を作って円滑に進めるためには、頻繁にコミュニケーションを取って情報交換することが重要である。
また、リーダーシップも重要である。自社で主体性を持って行動しなければ周りは動かない。リーダーシップは取るが、上下関係はなく、横並びで肩を組んで2人3脚の状態で中心に自社がいるイメージで事業を進めていったことが成果に繋がったと考えている。

サポイン技術情報
プロジェクト名:
安心・安全な革新的核酸化粧品の開発
事業実施年度:
平成27年度~平成29年度
研究開発の目的:
沖縄県が有するユニークな天然素材と、医薬品開発にて得られた高品質な合成核酸を用いて、化粧品の新たな市場トレンドとなり得る、安心安全な革新的核酸化粧品及び化粧品原料の開発を目指す。
事業化の状況:
工場を持って生産するのではなく、核酸の原料を供給する事業を検討している。他社との共同開発を考えており、現在、事業提携してくれる企業を探索している状態である。