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薄板金属板を金型技術によりバリを発生させない「難加工薄板材バリ無し打ち抜き工法」を開発

株式会社ソルテック(山形県)
代表取締役 渡辺和秋

平押し法による打ち抜き加工の振動制御技術により、難加工薄板材の低コスト、短納期での供給を実現

会社紹介

 株式会社ソルテックは、1978年に創業し金属プレス金型製品や治具機械部品の加工生産を手がける。金型設計から量産まで一貫した加工体制を持っており、新しい加工工法の開発にも積極的に取り組んでいる。
 創業当時より主に家電業界に製品を納入してきたが、金属製品の加工等で長年培った技術力を活かして、近年はさまざまな分野に事業を拡大している。

会社外観
工場内

研究開発(サポイン事業)した工法「バリ無し打ち抜き工法」を活用するメリット

サポイン事業で導入した機械

「バリ無し打ち抜き工法」は、安全性・高能率・デザイン性の向上を図れる技術である。
 バリを発生させないことで、接触による安全性確保はもちろんのこと、回路系部品ではバリが原因となる高圧放電による発火の危険性をなくしたり、放電防止の絶縁被膜をバリ無しでより薄くすることができる。
 さらに、バリを除去するバレル研磨工程が省けるため、納期の短縮とコスト低減が可能となる。

研究開発(サポイン事業)のきっかけ

バリ検出検査装置

 バリ無しで作った製品を山形県工業技術センターに持参し、相談した際にサポイン事業への申請を勧められたことがきっかけとなり、薄板金属板のバリ無し加工法の開発に挑戦した。

研究開発(サポイン事業)を応用した新工法の開発

金属組子加工の試作品

「バリ無し打ち抜き工法」を基軸にして、プレス加工と同時に接合され溶接を不要とする特殊な工法「金属組子加工」が新技術として開発され、特許を出願した。

今後の展開

 今後は、従来バレル研磨、やすり除去作業などを必要としていた製品の代替品(歯科矯正用金具・飲料用振動版・半導体フィルター用設備部品・医療用部品・文具用品)や端子類の高電圧環境でのデスチャージ防止対策品(車両用バスバー類・他高圧端子類)、順送金型での薄板バリ除去工程を廃止して、マッチング部分のバリ無し製品に「バリ無し打ち抜き工法」を活用していく。
 スピードによるコスト競争には限界があるため、顧客との対話をヒントに新しい工法を開発していくと同時に、展示会や商談会参加で販路の拡大を図る。

「バリ無し打ち抜き工法」を用いた安全靴の材料

主な受賞歴
2005年 日本塑性加工学会 東北・北海道技術賞受賞

研究開発技術情報
プロジェクト名:
難加工薄板材のバリ無し打ち抜き加工技術の開発
事業実施年度:
平成24年度~平成26年度