測定計測
既存設備を活かす、中小企業も導入できるスマート排出量算定
兵庫県
旭光電機株式会社
2026年2月9日更新
プロジェクトの基本情報
| プロジェクト名 | IoT/AIセンシングプラットフォーム開発によるCO2排出量サービス高度化 |
|---|---|
| 基盤技術分野 | 測定計測 |
| 対象となる産業分野 | 環境・エネルギー、エレクトロニクス |
| 産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、環境配慮 |
| キーワード | レトロフィット、データ変換、排出量算定、IoT、ポータビリティ |
| 事業化状況 | 事業化に成功 |
| 事業実施年度 | 令和4年度~令和6年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
中小製造業を含む全てのモノづくり企業の排出量算定作業軽減化と手軽な導入を実現するCO2排出量算定・可視化サービス、及びデジタル化支援を開発・提供することを目的とした。具体的には下記5つのサブテーマの開発と提供を行う。旧来を含めたシステムや設備、機械をつなぐセンサおよびエッジデバイス、つながった各情報を有益かつ分析が容易なデータに変換するGXコンバータ、集積データのAI(機械学習)分析と排出量算定を行うAI分析+排出量算定、他社の排出量算定サービスなどと連携する排出量サービスアダプタ、低コストかつ簡単に使える排出量算定可視化サービスの開発と提供を実施した。これら5つの解決策により、従来の設備・システム環境をそのまま活かしながら、CO2排出量の収集・換算・分析・可視化・共有までを一貫して行える仕組みを構築した。
開発した技術のポイント
・センサおよびエッジデバイス
-USB-TypeCによる給電方式、測定電流範囲0.1~600Arms、NTP時刻同期機能を実装
-磁石による簡易取付方式、Wi-Fi通信による無線接続を採用
-配送・輸送用GNSS搭載車載型GPSモジュールの開発
・GXコンバータ
-データの整合性確保・通信量の最適化・算定アプリケーションとの互換性確保
-5W1Hタグ付加機能、多様な環境での動作可能なポータビリティ性を実現
・排出量サービスアダプタ
-異なる通信規格・データフォーマットに対応可能な柔軟な接続インターフェース設計
-クラウド・オンプレミス・エッジそれぞれに実装可能な構成
具体的な成果
・センサおよびエッジデバイス
-エッジデバイスの適応率98.7%以上を実現、Scope3カテゴリーの58.5%をカバー
-24時間以内のソフトウェア更新を達成
・GXコンバータ
-データ通信量80%以上削減、通信・クラウド利用料80%以上削減
-エッジデバイス以外の環境でも動作可能なポータビリティを実現
・排出量サービスアダプタ
-稼働率99.9%以上、故障率0.3%以下を達成
-クラウド、社内サーバー、ゲートウェイでの動作を確認
・排出量算定可視化サービス
-大企業向けサービス月額5万円から、簡易サービス月額1万円から提供可能
-デバイスサブスクリプション月額1,500円での提供を実現
知財出願や広報活動等の状況
・日刊工業新聞に2回掲載
・ものづくり産業向けポータル Apérzaに2期間掲載
・特許出願2件 (特願2023-170980、特願2024-204330)
・近畿圏内企業2社に採用
・海外企業(タイ、インドに販売する現地代理店)に採用
研究開発成果の利用シーン
・中小製造業におけるScope1~3の排出量算定作業の自動化・省力化
・既存の独立型業務システムやネット非対応製造設備からのデータ収集・変換
・電力消費量、配送・輸送に関する排出量の自動計測
・生産品1個単位での高精度なCO2排出量算定
・他社排出量算定サービスとの連携・データ統合
・排出量の段階的可視化による中小企業のGX導入支援
・設備の運転モード解析による省エネ施策の根拠データ提供
・サプライチェーン全体での排出量データ共有・報告
・デマンド監視や異常検出における排出量視点からの分析
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
現在、国内企業2社および海外企業1社にて試験導入が進行しており、初期ユーザーからのフィードバックを通じて製品仕様や導入支援体制の最適化が行われている。兵庫県内の複数企業において試験導入を実施し、操作性・視認性・データ精度・価格帯に関する定性評価と、Web表示レスポンスやエラー率に関する定量評価を実施した。現場担当者からは負担が少なく、最初の1ステップとして非常に取り組みやすいとの評価を得ており、可視化の導入を起点として、徐々にデータ活用や改善行動が促進されるモデルとしての有効性が確認された。2026年度以降に向けて数万台規模の出荷を想定しており、製造委託先との協業による量産体制構築を進めている。
提携可能な製品・サービス内容
製品製造
製品・サービスのPRポイント
・既存設備・システムを活用したまま導入可能で設備更新コストを回避
・エッジデバイスの適応率98%以上を実現し市販品では対応困難な課題を解決
・従来の排出量算定作業工数を1/20に削減する自動化技術
・月額1万円からの低価格で中小企業でも導入可能な可視化サービス
・推定排出量から始めデバイス導入に応じて精度を高める段階的導入モデル
・専門人材を必要としないUI設計とサブスクリプション型の柔軟な提供体制
・クラウド・オンプレミス・エッジゲートウェイなど多様な環境への実装対応
・他社サービスとのAPI連携による高いデータ互換性
・稼働率99.9%以上の高信頼性と障害復旧手順の標準化
今後の実用化・事業化の見通し
センサ・エッジデバイスの量産体制確立として、2026年度以降に向けて数万台規模の出荷を想定しており、製造委託先との協業による量産体制構築を進める。地域展開と商流の多様化では、近畿圏内の製造業での試験導入を契機に、全国の地域金融機関・自治体との連携による中小企業向けGX支援策と結びつけて展開する。海外展開とグローバル規格への対応として、試験導入を開始した海外企業との連携を起点として、アジア圏を中心とする工場型製造拠点への展開を目指す。他分野への応用とプラットフォーム展開により、センサDX・GXプラットフォームとして、各分野のアプリケーションとのAPI連携を図り、プラグイン方式で多目的用途に拡張可能な製品群として展開する予定である。
実用化・事業化にあたっての課題
・ユーザーごとの業務プロセス・設備仕様の差異への対応
排出量算定対象となるScope3カテゴリーは広範にわたり、企業ごとに利用設備・システムが異なる。特に海外展開を含む場合は、データ規格や運用環境、規制対応に差があるため、導入先に応じた柔軟なカスタマイズ対応と、製品群の標準化の両立が求められる。
・設置・運用・保守の現場支援体制の整備
本サービスの導入には、現場におけるエッジデバイスの取り付け、データ設定、通信接続、メンテナンスなどの現地対応が必要である。特に中小企業ではIT人材が不足しているため、パートナー企業による現地支援体制の構築、および遠隔サポート体制の整備が急務である。
・インセンティブ構造と導入促進の制度設計
排出量算定は中長期的に脱炭素経営へ貢献するものであるが、短期的な費用対効果が見えにくい場合、導入は後回しにされやすい。
事業化に向けた提携や連携の希望
本サービスの事業化にあたり、以下の分野での連携を希望
【設備・システムインテグレーター企業との連携】
特に製造業において、既設設備への後付けIoT導入実績を持つシステムインテグレーター企業との協業を模索中。また海外展開における現地規格対応や、業種別のカスタマイズノウハウの共有を通じて、導入先ごとの柔軟な対応体制を構築したい。
【保守・運用サービス事業者との提携】
全国規模での設置・保守対応を実現するため、フィールドエンジニアリング会社や地域密着型のIT保守サービス企業との提携を希望しており、遠隔監視と現地対応を組み合わせたハイブリッド型サポート体制の確立を目指している。
【カーボンクレジット・ESG関連企業との連携】
削減量の可視化データをカーボンクレジット化する仕組みや、ESG評価への活用支援など、導入企業へのインセンティブ設計に関する知見を有する企業・研究機関との共同研究を希望。経済的メリットを明確化することで、中小企業の導入促進を図りたい。
プロジェクトの実施体制
| 主たる研究等実施機関 | 旭光電機株式会社 |
|---|---|
| 事業管理機関 | 旭光電機株式会社 |
| 研究等実施機関 | 旭光電機株式会社 兵庫県立工業技術センター |
| アドバイザー | 神戸市 |
参考情報
- 旭光電機株式会社 IoTソリューション
- https://www.kyokko.co.jp/iot-solution/wattxplorer
主たる研究等実施機関 企業情報
| 企業名 | 旭光電機株式会社(法人番号:2140001007193) |
|---|---|
| 事業内容 | 各種センサー / コントローラー及び 各種制御装置の開発・設計・製造 |
| 社員数 | 204 名 |
| 生産拠点 | 明石工場、大久保工場 |
| 本社所在地 | 〒652-0032 兵庫県神戸市兵庫区荒田町1丁目2番4号 |
| ホームページ | https://www.kyokko.co.jp/ |
| 連絡先窓口 | 旭光電機株式会社 技術部長 阿部豊 |
| メールアドレス | abe@kyokko.co.jp |
| 電話番号 | 078-515-8601 |
研究開発された技術を探す



