測定計測
多機能型細胞アッセイ装置により、設備コスト及び時間コストの削減が可能に
東京都
コスモ・バイオ株式会社
2022年1月28日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 高いユーザビリティを低コストで達成する革新的な多機能型細胞アッセイ装置の開発 |
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基盤技術分野 | 測定計測 |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護 |
産業分野でのニーズ対応 | 高効率化(使用機器削減)、低コスト化 |
キーワード | 細胞、計測、非接触 |
事業化状況 | 事業化に成功 |
事業実施年度 | 平成23年度~平成25年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
創薬、食品、美容業界のみならず、今後のiPS細胞の実用化が期待される再生医療業界のニーズに応えるため、高性能で低価格の細胞アッセイ装置の開発が急務となっている。本事業では、従来は工業分野への応用が主流であった走査型電気化学顕微鏡(SECM)を基盤とし、微小電流検出に適したアナログ基板、プローブ位置制御技術、制御・解析のための組み込みソフトウェア技術、およびセンサプローブを実装した高精細な多機能型細胞アッセイ装置の開発を行う。
開発した技術のポイント
・基盤となる走査型電気化学顕微鏡(SECM)は非接触で対象物を解析するため、細胞に対しても非浸潤的に生きた状態で解析可能である。
・単一細胞(群)を選抜して測定するため、初代培養細胞など不均一な細胞群からの目的細胞の単離・精製プロセスが不要になる。
・センサプローブの高精度位置制御性能を損なわない専用培養システムの開発により、細胞の培養環境を維持したまま長時間測定が可能である。
・ミリメートルオーダーの広範囲測定にも対応し、本アッセイ装置一台で多彩な細胞種を対象に多様な解析が達成可能になった。例えば心筋細胞の場合では、電位設定を変更することで拍動変化だけでなく酸素消費量変化も測定可能である。
・SECM制御プログラムと連携した局所的薬剤添加システムの開発により、単一細胞(群)選択的な薬剤添加が可能であり、解析に必要な薬剤および細胞量を削減し実験のコストダウンが可能である。
具体的な成果
・高耐久性樹脂製センサプローブの特許取得および製品化(北斗電工株式会社が販売)
・細胞の解析における微小電流検出に適したアナログ基板の開発
・広範囲測定にも対応したプローブ位置制御技術の開発
・制御・解析のための組み込みソフトウェア技術の開発
・局所的薬剤添加システム(デバイスおよびソフトウェア)の開発
・培養環境下での継続的細胞アッセイが可能な培養環境維持システムの開発
・市場リサーチにより現場研究者の意見を収集
知財出願や広報活動等の状況
Sho Okumura, Yu Hirano, Yoshiyuki Maki and Yasuo Komatsu, Analysis of time-course drug response in rat cardiomyocytes cultured on a pattern of islands, Analyst, 2018, 143, 4083-4089. DOI: 10.1039/C8AN01033A
研究開発成果の利用シーン
・高解像度を維持しつつミリメートルオーダーの広範囲まで対応したプローブ位置制御技術と専用の細胞培養環境システムにより、SECMを生きた細胞を対象とした解析に活用できるようになった。
・測定条件を変更することで、単一細胞(群)から様々なデータを読み取ることが可能である。
・SECMの測定プログラムと連動した局所的薬剤添加システムにより、標的細胞(群)のみに微量の薬剤添加が可能となり、細胞アッセイにおける使用薬剤のコストダウンを図ることができる。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
研究開発目標通りの性能を有するアッセイ装置の試作機は完成し、専用解析ソフトウェアに関しては追加研究によりさらに高性能なものを開発した。これらを用いた受託細胞解析事業を開始しており、受注実績もある。一方でアッセイ装置本体の販売については、開発当初には実用化されていなかった異なる技術を応用した競合製品の出現に伴い、さらなる開発と市場調査が必要になったため追加検討中である。
提携可能な製品・サービス内容
試験・分析・評価
製品・サービスのPRポイント
・目的の細胞のみを解析する細胞アッセイ装置が設備コスト及び時間コストの削減に寄与
‐従来、細胞を組織から回収する際、目的以外の細胞が必ず混入するため、解析前に単離・精製プロセスが必要であった
‐本装置では目的の単一細胞(群)を非接触で解析するため、精製プロセスを必要とせず、解析工程のコスト削減に寄与する
・一台の装置で多様な解析が達成できるため、初期投資の軽減に寄与
‐従来、細胞種ごとに評価項目が異なることから、複数の測定装置が必要となり、初期投資が大きな負担となっていた
‐本装置は電圧等の測定条件を選択することにより、一台の装置で多様な解析が達成できるため、測定装置の初期コスト軽減に寄与する
・薬剤使用量の削減による大幅なランニングコストの低減を実現
‐本装置では、一細胞(群)選択的に微量薬剤を添加する局所的薬剤添加システムを具備することにより、薬剤使用量の削減による大幅なランニングコストの低減を実現する
今後の実用化・事業化の見通し
・受託アッセイ事業を行うことで、多方面にわたるデータの詳細な検証作業を進めるとともにユーザーニーズの検証を行っていく予定。
・競合技術とのすみ分けを狙った当該技術の方向性について情報収集中。
実用化・事業化にあたっての課題
異なる基盤技術、特に近年発展する画像解析技術が大きな競合となっている
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社プライマリーセル 現コスモ・バイオ株式会社 札幌事業部 |
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事業管理機関 | 株式会社北海道二十一世紀総合研究所 |
研究等実施機関 | 北斗電工株式会社 有限会社エフ・ティ・システム 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | コスモ・バイオ株式会社(法人番号:0106-01-023038) |
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事業内容 | ライフサイエンスに関する研究用試薬、機器、臨床検査薬の仕入れ(一部自社製造)及び国内・海外販売 |
社員数 | 97 名 |
本社所在地 | 〒135-0016 東京都江東区東陽2-2-20 |
ホームページ | ・http://www.cosmobio.co.jp/(コスモ・バイオ株式会社)・http://www.primarycell.com/(札幌事業部) |
連絡先窓口 | 札幌事業部 |
メールアドレス | primarycell@cosmobio.co.jp |
電話番号 | 0134-61-2300(代) |
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