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精密加工

久慈琥珀と岩手大学が開発したサステイナブルな「リファインドジュエリー」のさらなる加工技術の高度化と量産対応可能な成形技術の確立を目指す

岩手県

久慈琥珀株式会社

2026年2月9日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 SDGs型リファインドジュエリーの革新的加飾技術及び量産技術の研究開発
基盤技術分野 精密加工
対象となる産業分野 工作機械、宝飾加工
産業分野でのニーズ対応 高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮)、高効率化(人件費削減)、高効率化(生産性増加)
キーワード 切削、量産、精密、琥珀、ジェット
事業化状況 事業化に成功
事業実施年度 令和4年度~令和6年度

プロジェクトの詳細

事業概要

本事業は、リファインドジュエリーの加飾技術と量産技術を開発したものである。具体的には、琥珀粉体にレーザーを照射して加熱成形し、意図的かつ再現性のある模様を形成する技術や、宝飾品分野では初めての精密5軸加工による複雑形状加工を導入した。さらに、多数個取の金型成形技術を確立し、粉体成形における効率化と品質安定化を目指した。これにより、意匠性と生産性を兼ね備えたリファインドジュエリーを量産し、文具や日用品などへの展開を進めることで事業拡大を図る。

開発した技術のポイント

本事業では、リファインドジュエリー製品の高効率化と量産化を目的に、複数の技術開発を実施した。まず、高効率複雑形状加工技術として、裏彫加工のモデリング方法を習得し、マシニングセンタによる複雑形状製品の複数加工や両面切削を可能とする治具を開発した。さらに、円柱形状素材を加工できる治具を製作し、立体物の彫刻が可能となることで製作形状の幅を拡大した。加えて、多数個取金型技術の確立により、従来は一つずつしか加工できなかった工程を最大8個同時に成形できる技術を開発した。芯金にヒーターを取り付け、成形時にも加熱を行うことで、成形の安定化と効率化を実現し、リードタイムを140分から60分に短縮する改善を達成した。

具体的な成果

・加飾技術
ーレーザー照射条件や粉体粒径を最適化し、成形品に濃淡や縞模様を付与する技術を確立。積層レーザー照射による模様付けも実証。
・高効率複雑形状加工技術
ー精密5軸マシニングセンタを用い、リファインドアンバーのカットや裏彫加工を効率化。表面粗さRz1.6以下を達成。
・多数個取金型技術
ー8個取金型を用いて昇温時間短縮(230℃まで20分)、冷却時間50%以上短縮を実現。荷重均一化技術により計量誤差があっても成形可能。
・操作性改善
ー計量効率化治具や成形品取出治具により、計量・取出し時間を50%以上短縮。

知財出願や広報活動等の状況

サポイン事業時に出願した特許は令和6年12月に取得する事が出来た(特許番号7703152)。これは久慈産ジェットの活用拡大と宝飾品製造への応用が期待でき、本事業とも関連する特許であることから、今後の事業化展開において有用である。
久慈琥珀は令和7年度「いわて暮らしの文化特別知事表彰」を受賞した。これは、岩手ならではの文化の創造に貢献するとともに、岩手県の文化芸術の魅力を県内外に広く発信してきた団体を表彰するもので、広報活動におけるPR効果が期待できる。また、久慈琥珀と共同で研究した岩手大学技術員が第20回切削加工ドリームコンテスト「アカデミック」部門で5軸マシニングの琥珀裏彫で「銀賞」を受賞した。このことも広報活動において有益である。

研究開発成果の利用シーン

開発した技術により、琥珀粉体から再現性のある模様を持つリファインドアンバーを効率的に量産できるようになった。これにより、従来困難であった模様付けや複雑形状の加工が可能となり、品質の安定化も実現する。

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

文具分野ではコーラス株式会社へのOEM供給および直販も行い、自社製品としては企画販売やTVショッピングを通して商品PRを行う。宝飾分野では株式会社サザビーリーグ「agete」ブランドで採用。今後はアイテム数の拡大が計画されている。

提携可能な製品・サービス内容

素材・部品製造、製品製造、共同研究・共同開発

製品・サービスのPRポイント

本事業で開発したリファインドジュエリーは、高効率かつ複雑形状の加工を可能とする技術により、従来の琥珀製品では難しかった高精度なカット形状や加飾表現を量産化できる点が大きな特徴である。さらに、SDGsやサスティナブルファッションへの関心が高まる中で、天然資源を再生利用したリファインド素材は市場性が高く、ブランド価値の向上に直結する。

今後の実用化・事業化の見通し

文具については、コーラス株式会社とのOEM供給により事業化が進展し、コーラス株式会社の販売計画に対応した売上高は確実なものがある。宝飾については、「agete」ブランドでのラインナップ拡大とともに、中国市場での店舗数拡大が予定されており、販売規模は数十倍に拡大する見通しである。令和7年度には45アイテム、令和11年度には280アイテム程度まで拡充され、売上1,500,000千円規模を見込む。加えて、自社販売商品(ぐい飲み、メガネフレーム、アクセサリー等)も開発予定であり、限定販売やTVショッピングで好調な反応を得ていることから、安定した売上拡大が予測される。

実用化・事業化にあたっての課題

「agete」ブランドを中心に、現状、宝飾品メーカー等から5〜10倍規模の引き合いの感触があるため、需要増に対応した生産キャパシティの拡充が最重要課題である。また、5軸加工に関する特許出願を検討したが、類似技術の先行特許が存在するため、現状の技術では取得が困難であり、更なる技術的付加が必要となる点が今後の課題である。

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 久慈琥珀株式会社
事業管理機関 公益財団法人いわて産業振興センター 産学連携部
研究等実施機関 国立大学法人岩手大学 理工学部 清水友治
アドバイザー 株式会社サザビーリーグエーアンドエスカンパニー 谷口 亮治氏、川瀬 太郎氏、大森 庸恵氏、宿屋 真理氏
コーラス株式会社 宮舘 省吾氏
ポーライト株式会社 島田 登氏

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 久慈琥珀株式会社(法人番号:5400001007940)
事業内容 製造業・琥珀の製造販売
社員数 56 名
生産拠点 岩手県久慈市小久慈町19-156-133
本社所在地 〒028-0071 岩手県久慈市小久慈町19-156-133
ホームページ http://www.kuji.co.jp/
連絡先窓口 久慈琥珀株式会社 新田久男
メールアドレス shinden@kuji.co.jp
電話番号 0194-59-3821