精密加工
微細切削加工技術ノウハウ構築支援システムにより微細加工の技能伝承・技能蓄積を促し、業界の発展へ
大阪府
有限会社大阪製作所
2020年3月20日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | ナノトルク自動制御を活用した「微細切削加工技術ノウハウ構築支援システム」開発 |
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基盤技術分野 | 精密加工 |
対象となる産業分野 | 航空・宇宙、産業機械、半導体、工作機械、光学機器、化学品製造 |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中 |
事業実施年度 | 平成20年度~平成22年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
携帯型情報家電など微細、精密、高品質が求められる微細金型製造技術の高度化には、切削中の微細トルク計測技術と、加工条件を数値化するシステムが求められている。しかし、微細領域加工では加工条件の計測技術やデータベース化技術が確立されていない。本研究では「磁気浮上テーブル」を用いて「ナノトルク自動制御加工技術」の確立と「微細切削加工技術ノウハウ構築支援システム」の開発により微細加工技術の高度化を目指す
開発した技術のポイント
「微細切削加工技術ノウハウ構築支援システム」の実現を目指す
・ナノトルク自動制御技術の確立
→磁気浮上テーブルの位置制御分解能:±0.5μm⇒±0.05μmへ
→トルク計測分解能:10μNm⇒1μNm以下に
・「微細切削加工技術ノウハウ構築支援システム」の完成
→直径10μmの微小工具の微細加工トルク検出機能を持つ
→操作時間:加工準備段階からデータベース構築までを60分以内に
(新技術)
・非接触型の磁気浮上テーブルの活用
・ナノトルク自動制御を用いた最適微細加工条件の数値化
(新技術の特徴)
・非接触方式でナノトルクの計測分解能を持つ磁気浮上テーブルを用いることで、微細トルク検出が可能となる
・従来にないナノトルク自動制御技術を利用して最適微細加工条件を数値化できる
具体的な成果
・ナノトルク自動制御技術の研究とシステム機器の改良
-微細切削加工トルクを検出するために、1μNm以下の計測分解能を持つ磁気浮上テーブルを製作し、ナノトルク(0.8~1μNm)の計測分解能へと向上させた
-開発した磁気浮上テーブルに改良を行い、位置制御分解能0.01~0.05μmの高精度化・小型化を実現
・システム構築と微細加工基礎データベースの研究
-磁気浮上テーブルを用いて、微細切削加工技術ノウハウ構築支援システムを実現するためのハード機器(刃先位置画像検出装置等)開発、ソフト(操作アルゴリズム、マニュアル等)開発を実施
-開発した磁気浮上テーブルと刃先位置画像検出装置を用いて、100μm以下の各種微細ドリル加工時のトルク検出実験を行い、金型素材等の金属系素材の微細加工基礎データベースを構築するノウハウを確立した
知財出願や広報活動等の状況
・論文:安東隆志「磁気浮上システムにける粘弾性定数のオンライン同定と微小トルク計測」(H23.9)
・雑誌:月刊生産財マーケティング2011(H23.7)
・特許:「加工装置」(特開2010-125527)
研究開発成果の利用シーン
特殊ガスを用いる半導体製造装置の流量調整オリフィスや、バイオ関連部品の微細穴形状部品、欠陥計測装置の校正試験片等、さまざまな微細穴を用いる製品部品に応用できる
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・本技術を活用し、直径10までの微細穴加工品試作加工受託事業を実施している
・本システムの有償貸し出しが可能
製品・サービスのPRポイント
・ロス削減:直径50μm以下の微細穴加工時におけるドリル欠損を防ぐための加工条件を事前にトルク検出できる
・安定供給化:それぞれの加工機に応じた加工条件を事前にトルク検出できる
・微細化:さらに直径10μm以下のドリル加工時におけるトルク検出が可能
・新用途:工具メーカー向け等の微細ドリル製作の信頼性試験に活用可能
今後の実用化・事業化の見通し
本システムを活用した微細加工分野の受託加工事業に注力
・さまざまな分野から微細穴、微細加工の問合せを受けており、本システムを用いて、微細加工分野の受託加工事業に注力していく
・受託加工時に本システムを用いて、現場使用実績を重ねつつ、システムの販売に向けた研究を継続していく
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 有限会社大阪製作所 |
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事業管理機関 | 公益財団法人大阪産業局 |
研究等実施機関 | 兵庫県立工業技術センター |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 有限会社大阪製作所 |
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事業内容 | 精密加工品受託加工事業 |
本社所在地 | 〒581-0853 大阪府八尾市楽音寺5-137 |
ホームページ | http://www.osaka-jp.net |
連絡先窓口 | 代表取締役社長 後藤良一 |
メールアドレス | 510@osaka-jp.net |
電話番号 | 072-941-1813 |
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