表面処理
軽量でデザイン性に優れるポリカーボネート(PC)樹脂製の窓について、独自のハードコート表面処理による耐久性の向上を目指す。
広島県
株式会社レニアス
2026年1月30日更新
プロジェクトの基本情報
| プロジェクト名 | 光改質により強固なガラス化層を有するポリカーボネート樹脂製透明材料の開発 |
|---|---|
| 基盤技術分野 | 表面処理 |
| 対象となる産業分野 | 自動車、建設機械 |
| 産業分野でのニーズ対応 | 高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(耐久性向上) |
| キーワード | ポリカーボネート樹脂 |
| 事業化状況 | 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中 |
| 事業実施年度 | 令和4年度~令和6年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
・高い耐摩耗性、耐熱性、耐候性を有するポリカーボネート樹脂製窓の開発を行った。
・光改質とポリシラザンによるガラス化層の表面改質技術を確立した。
・生産条件の検証を行い、実用性を確認した。
開発した技術のポイント
・光改質による高密度ガラス化技術
-HC層表面に光照射を用いて高密度ガラス化層を形成し、耐熱性・耐候性・耐摩耗性を大幅に改善した技術である。材料組成や膜厚、硬化条件を最適化し、大面積基板や曲面基板にも適用可能なスプレー塗装プロセスを確立した点が特徴である。
・曲面対応スプレー塗装技術
-ウィンドシールドを模した大型曲面基板に対して均一にPHPS層を塗布できるスプレー塗装技術を開発した。経験則を基に条件を見出し、曲面でも外観や膜厚の安定性を確認できたことが成果である。
・耐候性改善の原理解明
-分析により、耐候性向上の要因として「有機無機PHPS層表面の硬質化」と「プライマー層の劣化抑制」を特定した。特にプライマー層の保護による劣化抑制は新たな知見であり、知財化の可能性が高い成果である。
・品質管理と技術基盤の強化
-耐久試験と分析手法の整理により品質管理項目を確立した。これにより不具合発生時の再現性ある確認手順が整備され、技術的信頼性が向上した。
具体的な成果
・最表面の高密度ガラス化技術の開発
-ハードコート付きポリカーボネート表面に光改質との相性が良く、耐久性の高いガラス化膜の作製条件を得た。
・ポリシラザンを塗装するスプレー塗装技術の開発
-ポリシラザンの塗装に適したスプレー装置を選定した。
-スプレー装置を使用して実用性を確認することが出来た。
・要求性能を満たす品質管理の方法確立
-生産時に必要な品質管理項目と計測方法を確立した。
知財出願や広報活動等の状況
・知財出願の状況
-耐候性改善の原理として「有機無機PHPS層表面の硬質化」と「プライマー層の劣化抑制」が導出され、特に後者は従来注目されていなかった領域であり、知財化の可能性が高いと評価された。プライマー層の材料・組成や保護機能による劣化抑制を対象とした網羅的な特許網を構築し、技術的強みを確立することが推奨されている。
・広報活動の状況
-自動車技術会や学会での積極的な発表、展示会への出展を通じて自動車OEMや自動車業界外への認知度向上を図ることが求められている。さらに、材料メーカーやサプライヤーなど幅広い業界に対して技術をアピールし、普及を支える仲間づくりを進めることが重要である。
研究開発成果の利用シーン
本研究開発で確立された高密度ガラス化技術と耐候性改善の原理解明は、自動車OEMをはじめとするユーザー企業との技術的議論を可能にし、実用化に直結する水準に達している。特にフロントウィンドウなど大型湾曲基板への塗装プロセス対応が進んだことにより、自動車分野での軽量・高耐久な窓材への適用が期待される。また、プライマー層の劣化抑制を含む新たな知見は、透明材料の新用途展開やフレーム取付課題への対応に資する。さらに、学会発表や展示会出展を通じ、自動車業界のみならず材料メーカーやサプライヤーなど幅広い産業への利用拡大が想定される。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
本事業は光照射による高密度ガラス化技術や曲面への塗装プロセス、品質管理手法、耐候性改善の原理解明において目標を達成し、事業化に向けた基盤を確立している。特に耐久性能や大面積対応、劣化抑制の成果により自動車OEMなどユーザー企業との技術的議論が可能な水準に到達した。今後は知財化を進めつつ、学会発表や展示会出展を通じて認知度を高め、業界内外の仲間づくりを進めることで、採用と普及に向けた体制を強化していく必要がある。
提携可能な製品・サービス内容
製品製造
製品・サービスのPRポイント
・高密度ガラス化による高耐久性能
-光照射による高密度ガラス化技術により、トップ層の硬化層を形成し、耐候性・耐熱性・耐摩耗性を高い水準で実現している。
・大面積・曲面基板への適用力
-スプレー塗装プロセスを確立し、大型湾曲基板を含む大面積部材への対応を可能とした点が強みである。
・耐候性改善の新原理の発見
-プライマー層の劣化抑制という新たな原理を導出し、従来技術では困難であった長期耐候性の課題解決を実現している。
・独自性と発信力による信頼性
-知財化による独自技術の確立に加え、学会発表や展示会出展を通じ、自動車業界や材料メーカー、サプライヤーに広く訴求できる体制を備えている
今後の実用化・事業化の見通し
本研究開発は、耐久性能や大面積適用性、耐候性改善の裏付けを得ており、自動車OEMをはじめとするユーザー企業との技術的な議論が可能な水準に到達している。今後は、高密度ガラス化膜の性能だけでなく、レニアスが強力なパートナーとして認識されることが採用の鍵となる。そのためには、独自技術や他社比較による優位性の提示、新用途の提案、ポリカーボネート特有のフレーム取付課題への対応など多角的な準備が求められる。さらに、自動車技術会や学会、展示会等で積極的に成果を発信し、OEMのみならず材料メーカーやサプライヤー層を含む幅広い仲間づくりを進めることで、普及と事業化の加速が期待される。
実用化・事業化にあたっての課題
・製造プロセスと品質管理の高度化
-光照射による高密度ガラス化層の形成は達成されたが、膜厚のばらつきやクラック発生の課題が残されており、特に曲面基板や実用的拘束条件下での試験が必要である。また、品質管理項目は整備されつつあるが、不具合時の分析手法や確認手順の更なる整理が求められる。
・耐候性と耐摩耗性の両立
-SUV試験での結果から耐候性改善の原理は示されたが、耐摩耗性・耐熱性と同時に満たす技術的ハードルは依然として高い。トップ層の膜厚や残留応力の影響を考慮した最適化が不可欠である。
・知財戦略と普及促進
-プライマー層の劣化抑制という新たな原理を活かした網羅的な特許網の構築が急務である。また、独自技術に依存するがゆえに仲間づくりが課題であり、学会発表や展示会を通じたOEMやサプライヤーへの認知拡大が求められる。
プロジェクトの実施体制
| 主たる研究等実施機関 | 株式会社レニアス |
|---|---|
| 事業管理機関 | 公益財団法人ひろしま産業振興機構 |
| 研究等実施機関 | 広島県立総合技術研究所 西部工業技術センター |
主たる研究等実施機関 企業情報
| 企業名 | 株式会社レニアス(法人番号:6240001039900) |
|---|---|
| 事業内容 | 輸送用機器及び特殊車両の部品、セキュリティ商品の開発・製造・販売 |
| 社員数 | 155 名 |
| 本社所在地 | 〒729-0473 広島県三原市沼田西町小原200-76 |
| ホームページ | https://www.renias.co.jp/ |
| 連絡先窓口 | 株式会社レニアス 開発課 岩井 |
| メールアドレス | k-iwai@renias.com |
| 電話番号 | 0848-88-9288 |
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