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複合・新機能材料

微細ナノ粒子製造技術の確立と酵素活性高度化への活用

京都府

京石産業株式会社

2026年2月3日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 微細ナノ粒子製造技術の確立と酵素活性高度化への活用
基盤技術分野 複合・新機能材料
対象となる産業分野 医療・健康・介護、環境・エネルギー、航空・宇宙、自動車、ロボット、産業機械、情報通信、食品、電池、印刷・情報記録
産業分野でのニーズ対応 高機能化(新たな機能の付与・追加)
キーワード ナノ、超微細ナノ、酵素活性
事業化状況 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中
事業実施年度 令和4年度~令和6年度

プロジェクトの詳細

事業概要

本研究では京石産業株式会社が開発したプラズマ急速加熱冷却法による微細ナノ粒子(粒子径5nm以下、金については1nm程)の安定的製造技術の確立と金ナノ粒子を活用した酵素活性高度化の技術開発を行った。プラズマによって材料を原子レベルまでイオン化し、急峻な温度勾配を利用して微細なナノ結晶粒子を形成する。研究は3つのサブテーマに分かれており、微細ナノ粒子の安定的製造、生産量増大と高濃度化、ナノ粒子酵素活性向上法の課題に対応した。果汁清澄化工程において金ナノ粒子にペクチナーゼを担持させることで従来の加熱工程を排除し、低温での高効率酵素活性実現を目指した。

開発した技術のポイント

・プラズマ急速加熱冷却法による微細ナノ粒子製造技術
‐高温プラズマ中で急峻な温度勾配によりナノ粒子の結晶成長を制限
‐粒径分散幅の狭い微細ナノ粒子の生成による均一性の優れた粒子を生成

・放電多発機構の開発
‐電極試料を束ねて単位時間に連続的なプラズマ発生を実現

・高濃度化手法の開発
‐カルボキシル基を付与する方法による凝集抑制

・金ナノ粒子酵素活性向上技術
‐金ナノ粒子を中心としてペクチナーゼが取り囲む構造の複合体形成
‐アルギン酸ナトリウムのビーズによる酵素固定化

・バイオリアクター技術
‐5℃の低温環境での酵素反応維持システム

プラズマ急速加熱法の概念図
具体的な成果

・微細ナノ粒子の生成制御: 金ナノ粒子1nmの製造に成功、その他素材(Au、Pt、Ni)で5nm以下を達成、粒度分布10%以下のバラツキで生成
・生産量増大: 電極12本束ねることで従来比40倍程の収率を達成
・高濃度化: 金ナノ粒子で2,000ppmの高濃度溶液作製に成功
・酵素活性向上: 金ナノ粒子にペクチナーゼを担持した複合体で低温(5℃)における活性向上を実現、最大8.9倍の活性度向上を確認
・固定化技術: アルギン酸ナトリウムのビーズに封入することで固定化とペクチナーゼの回収・再利用に成功
・実証実験: 梅果実を搾汁し、複合体を封入したビーズで清澄化処理を行い、ほぼ非加熱で桃様の香りを残した高品質梅ジュースの製造を実現

金ナノ粒子の 電顕写真
金ナノ粒子とペクチナーゼの電顕写真
知財出願や広報活動等の状況

令和7年度中に、京石産業株式会社と中野BC株式会社が共同で特許出願を行う予定としている。出願した特許については権利化を進め、梅以外の果汁メーカーともライセンス契約を積極的に締結することで技術の横展開を目指している。また、令和8年度以降にはIfia JAPANなどの食品素材関連の展示会に出展し、販路の拡大を図る計画である。学術的な発表については、必要に応じて研究成果を学術論文などで発表する予定である。

研究開発成果の利用シーン

・燃料電池: 白金触媒の使用量削減と処理時間短縮
・積層セラミックコンデンサー: 0.1mm以下への小型化対応
・先端がん治療: 1nmの金ナノ粒子による低分子糖類担持でのがん細胞への侵入
・飲料製造業界: 果汁清澄化工程での加熱不要プロセス実現
・従来40~50℃での加熱処理を5℃の外気温環境で実施
・風味劣化の抑制と高品質果汁製品の製造
・加熱工程削減によるエネルギー使用量低減とCO2排出削減
・半導体メーカー: 5nm以下のナノ粒子活用
・触媒関連メーカー: 高効率触媒システムへの応用

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

現在は技術確立段階であり、令和8年度以降の本格的事業化に向けて準備を進める。酵素利用については梅果汁の製造試験を再実施し、金ナノ粒子-ペクチナーゼの大量生産技術の開発を進める。令和8年度以降は前年に製造した梅果汁を使用したサンプル提供や用途開拓を行い、食品素材関連展示会への出展により販路拡大を図る。ペクチナーゼ以外の酵素についても高活性化や固定化技術を活用した受注生産を検討している。

提携可能な製品・サービス内容

製品製造、技術ライセンス

製品・サービスのPRポイント

・世界初のプラズマ急速加熱冷却法による5nm以下の微細ナノ粒子安定製造技術
・従来法で困難とされていた1nmの金ナノ粒子製造を実現
・粒度分布10%以下の均一性優れた粒子生成
・電極多発機構により従来比40倍の生産効率を達成
・2,000ppmの高濃度ナノ粒子溶液製造技術
・5℃の低温環境での酵素活性向上技術(最大8.9倍)
・加熱不要の果汁清澄化プロセスによる風味保持と省エネルギー実現
・アルギン酸ナトリウムビーズによる酵素固定化と回収・再利用システム
・脱炭素社会への貢献

今後の実用化・事業化の見通し

令和7年度から令和11年度にかけて段階的な事業化を計画している。令和7年度は研究開発継続と半導体・触媒関連メーカーへのアプローチを実施サンプル提供へ打合せ予定、酵素利用での特許出願と梅果汁製造試験を実施する。令和8年度以降はユーザー意見を基にした技術改良、原料価格高騰対応のための安価金属ナノ粒子生成への挑戦、食品素材関連展示会出展による販路拡大を進める。特許の権利化と梅以外の果汁メーカーとのライセンス契約締結による技術横展開、ペクチナーゼ以外の酵素での受注生産検討を行い、学術発表によるアカデミックマーケティングで新用途発見とビジネスパートナー開拓を目指す。

実用化・事業化にあたっての課題

・技術面の課題: 凝集・粒子サイズコントロール(時間経過と輸送等への耐久性)と濃度に対する粒子分布幅の10%程度へのコントロール
・酵素利用における課題: 高品質うめ果汁の上市にはシアン化合物の低減方法確立が必須
・生産面の課題: 金ナノ粒子-ペクチナーゼ複合体の大量生産化技術の確立
・コスト面の課題: 原料価格高騰に対応するための、より安価な金属を使ったナノ粒子生成技術の開発
・市場開拓: ユーザーニーズの把握と技術改良への反映、新たな用途開拓とビジネスパートナーの確保

事業化に向けた提携や連携の希望

川下業者(中野BC株式会社)との連携して取り組んできた事業なので事業化に向けた提携や連携の希望は、無し

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 京石産業株式会社
事業管理機関 公益財団法人京都高度技術研究所
研究等実施機関 京石産業株式会社
中野BC株式会社
国立大学法人熊本大学

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 京石産業株式会社(法人番号:7130001012561)
事業内容 非鉄金属製造業
社員数 222 名
生産拠点 滋賀県野洲市六条1018-1
本社所在地 〒600-8320 京都府京都市下京区西洞院通七条上る福本町405番地
ホームページ https://kyosekisangyo.jp/
連絡先窓口 京石産業株式会社 開発技術部 森永
メールアドレス s_morinaga@kyosekisangyo.co.jp
電話番号 075-353-8899