精密加工
高耐久金型でアモルファスの打抜きノーメンテナンスで100万ショットへの挑戦!!
長野県
ナカムラマジック株式会社
2026年2月9日更新
プロジェクトの基本情報
| プロジェクト名 | アモルファス合金箔の高耐久プレス金型およびプレス技術の研究開発 |
|---|---|
| 基盤技術分野 | 精密加工 |
| 対象となる産業分野 | 環境・エネルギー、自動車、ロボット、産業機械 |
| 産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(小型化・軽量化)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(生産性増加)、環境配慮 |
| キーワード | モーター、アモルファス、カーボンニュートラル、高耐久金型 |
| 事業化状況 | 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中 |
| 事業実施年度 | 令和5年度~令和6年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
本研究開発では、アモルファス合金の打ち抜き加工における生産性向上を目指し、ゼロクリアランス金型の開発・実用化を進めた。工具刃先の摩耗やチッピングを抑制し、連続打ち抜き回数を100万ショット/メンテナンス以上に向上させることで、メンテナンス頻度を低減し、高度な精密プレス加工技術を基盤とした効率的な生産プロセスの確立を目的とした。具体的には、モーターコア用ゼロクリアランス金型の開発、アモルファス合金の搬送技術の開発、プレス加工状態の検知システムの開発、及びアモルファス合金打ち抜きコアの鉄損評価を行った。
開発した技術のポイント
・モーターコア用ゼロクリアランス金型の開発
ー刃物材料には、打抜くアモルファス合金の2倍以上の硬度の超微粒子超硬合金を使用
ー専用刃物加工機を開発し、クリアランス2μm±1μmの精度で仕上げることに成功
ー金型の長さを500mmにして工程を4分割とし、精度を担保
・アモルファス合金の搬送技術
ー材料搬送時に材料に負荷を掛けないよう、引張り側を送り側より遅くし、送り長さより引張長さを多く設定することで金型内の材料のたるみを抑制
・プレス加工状態の検知システム
ーAEセンサを活用した異常検知システムを開発し、2枚打ちなどの異常を検知可能
具体的な成果
・ゼロクリアランス金型による100万ショット/メンテナンスでの加工を達成
・連続打ち抜き試験において、バリ高さMAX12μm以下を維持
・材料搬送機構を確立し、搬送による不良発生ゼロを実現
・AEセンサでモニタリングし、金型異常を検知するシステムを開発・実装
・プレス加工における異常の代表例である2枚打ちを検知することが可能
・アモルファス合金品のブレーキトルクは電磁鋼板品に比べて、ヒステリシス損失が支配的な低速では1/3、渦電流損が支配的な高速では20%低減
・アモルファス合金のプレス初回品と50万ショット後での特性は同等であり、従来の金型劣化による鉄損増加の問題は解決
知財出願や広報活動等の状況
本研究開発に使用したアモルファス合金の打抜き技術に関する特許を取得し、この技術を事業化展開していく。
研究開発成果の利用シーン
xEVに使用される駆動モーターのコア材料として、従来の電磁鋼板に代わってアモルファス合金を適用することで、モーターの高効率小型化が実現できる。これにより、xEVの電費(1km走るのに必要な電気量「Wh/km」で小さいほど良い)の向上につながる。自動車産業界からは、アモルファス合金をコアに適用した高効率小型化モーターへの期待が高い。本技術により、アモルファス合金コアを低コストで製造することが可能となり、モーター製造業者及びコア製造業者のニーズに応える。量産事業化においては複数のプレス機を連結したタンデムラインを想定している。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
本研究開発で開発した技術について、4つのビジネスモデルを想定している。
1.パートナー企業による製造・使用(外販)を推進し、当社は金型提供、ライセンスフィーの収受、技術指導を通じて収益を得る。
2.当社が主導し、第三者企業に製造を委託する。
3.パートナー企業が主導して第三者企業に製造を委託する形態を取る。
4.当社自身が製造・販売を行う。
現在は研究開発完了段階であり、令和7年度から追加研究・設備製品等の生産を開始し、令和8年度から製品等の販売、技術ライセンス付与を予定している。
提携可能な製品・サービス内容
設計・製作、製品製造、共同研究・共同開発、技術ライセンス
製品・サービスのPRポイント
本研究開発で確立したゼロクリアランス金型技術により、高硬度(HV=約900)かつ薄い(25μm)アモルファス合金の高精度プレス加工を実現した。従来困難とされていた100万ショット/メンテナンスでの連続加工を達成し、バリ高さMAX12μm以下を維持することに成功した。アモルファス合金の鉄損は電磁鋼板の1/10以下となっており、モーターの高効率化に大きく貢献する。また、開発した異常検知システムにより、量産時の品質安定性も確保できる。これらの技術により、xEV市場で求められる高効率小型モーターの量産化が可能となった。
今後の実用化・事業化の見通し
令和7年度から追加研究・設備製品等の生産を開始し、令和8年度から製品等の販売を予定している。技術ライセンス付与も令和8年度から開始予定である。パートナー企業との連携により、当社は金型提供、ライセンスフィーの収受、技術指導を通じて収益を得る体制を構築する。ライセンスアウトビジネスを視野に入れた特許ポートフォリオを構築し、技術のパッケージ化やノウハウ管理を含む知的財産化戦略を適用する。顧客に対して当該技術の必要性や有用性を理解してもらい、パートナーシップの形成を促進する取り組みを進める。
実用化・事業化にあたっての課題
アモルファス合金の厚さが25μmと非常に薄いため、モーターコアとして使用する場合、電磁鋼板に比べて積層枚数が数倍から10倍程度必要となり、結果としてコスト増加につながる。この課題を解決するには、複数枚のアモルファス合金積層材を効率的に加工する技術が重要となり、本研究開発で製作した金型の仕様を積層材の特性に合わせて適切に調整(チューニング)する必要がある。また、打ち抜いた状態の薄板の真円度が接着鋼板と比較して歪みが大きい可能性があり、積層時の工数増加や積層コアの内外のバラつきが課題として挙げられている。
事業化に向けた提携や連携の希望
当社の強みである金型技術を含む知的財産を基盤に、事業化に向けた知財ビジネスの展開を模索中。モーター製造分野を主要な事業領域として位置づけ、付加価値を共創できる企業とのパートナーシップを希望。
プロジェクトの実施体制
| 主たる研究等実施機関 | ナカムラマジック株式会社 |
|---|---|
| 事業管理機関 | 公益財団法人長野県産業振興機構 |
| 研究等実施機関 | ナカムラマジック株式会社 国立大学法人大阪大学 長野県工業技術総合センター |
| アドバイザー | 株式会社林工業所 株式会社プロテリアル 名古屋工業大学 |
主たる研究等実施機関 企業情報
| 企業名 | ナカムラマジック株式会社(法人番号:7100001019683) |
|---|---|
| 事業内容 | 金属塑性加工事業 【精密金型設計・製作】 【精密プレス部品加工】 【自動化・省力化機器】 |
| 社員数 | 40 名 |
| 本社所在地 | 〒399-4603 長野県上伊那郡箕輪町三日町493-1 |
| ホームページ | https://www.nakamuramagic.co.jp |
| 連絡先窓口 | ナカムラマジック株式会社 取締役 荒井和人 |
| メールアドレス | k_arai@nakamuramagic.co.jp |
| 電話番号 | 0265-79-3880 |
研究開発された技術を探す



