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精密加工

加工状態をAEセンサー信号で取込み工具交換判断を熟練作業者同等以上にAIにて判断できるシステム

茨城県

株式会社川崎製作所

2025年1月22日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 航空機エンジン用高硬度薄肉中空難加工材部品の切削時現場判断のAI化と工作機の自動化技術の開発
基盤技術分野 精密加工
対象となる産業分野 航空・宇宙
産業分野でのニーズ対応 高性能化(精度向上)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮)、高効率化(生産性増加)、低コスト化
キーワード 異常検知AIモデル,AEセンサー,工作機内自動計測
事業化状況 事業化に成功し継続的な取引が続いている
事業実施年度 令和2年度~令和4年度

プロジェクトの詳細

事業概要

本研究開発では、航空機エンジン用高硬度薄肉中空難加工材部品の切削加工において、熟練作業者の現場判断をAI化し、工作機の自動化技術を開発することを目的とした。具体的には、
2.2(1)工作機状態計測センシングシステムの開発
2.2(2)現場判断のデジタル化、
2.2(3)機内自動計測システムの開発
2.2(4)モニタリングによる工作機自動運転システムの開発

(1)工作機状態センシングシステムの開発
(2)現場判断のデジタル化
(3)機内自動計測システムの開発
(4)モニタリングによる工作機自動運転システムの開発
開発した技術のポイント

2.3(1)工具刃先摩耗状態と相関関係のある有効データ(AE信号、加工音)の確立
2.3(2)有効データをAIが判断し、熟練作業者同等以上の異常検知を可能とする現場判断のデジタル化
2.3(3)工作機内でチャックを基準として切削物を高精度で計測できる機内自動計測システムの開発
2.4(4)AIシステムからの異常検知信号を監視し、工作機を自動制御するモニタリングによる工作機自動運転システムの開発

(1)有効データの確立
(2)AIによる現場判断のデジタル化
(3)機内自動計測システムの開発及び実装
(4)工作機自動運転システムの開発
具体的な成果

2.4(1)工具刃先摩耗と相関関係のある有効データ(AE信号、加工音)を確立
2.4(2)3つのAIモデル(1.StackedLSTMモデル、2.ECRIntegratedモデル、3.HHT+CNNモデル)で現場判断のデジタル化を完成
(実際の量産化はリアルタイム性に優れているAIモデル2で実施)
2.4(3)機内自動計測システムを開発

上記(1)から(3)を連動させ、部品加工中の刃先状態のAE信号をAIモデルに取り込んで工具交換時期をAIが判断し、工具交換と同時に
機内自動計測にて工具補正を行い工作機に加工継続を指示するモニタリングによる自動運転システムを開発した。
これにより年工具費40%削減、工具交換時間を5分から7.5分に延長、加工時間50%減を達成した。

システム全体構成図
知財出願や広報活動等の状況

工具刃先からのAE信号を掴まえてリアルタイムで異常検知が可能なAIシステムを特許出願中である。
・名称: 異常検知装置及び異常検知方法
・出願番号: 特願2022-210490(出願日: 令和4年12月27日、審査請求:令和6年9月5日)

研究開発成果の利用シーン

本研究開発の成果は、航空機エンジン部品や宇宙分野のロケットエンジン部品など、高硬度難加工材を低コスト、高精度で切削加工する場面で幅広く適用可能である。

実用化・事業化の状況

提携可能な製品・サービス内容

素材・部品製造

製品・サービスのPRポイント

本研究開発により、高硬度難加工材の切削加工における工具寿命の延長、加工時間の短縮、高精度化を実現した。これにより、航空機エンジンや宇宙ロケットエンジンの部品製造における生産性向上とコスト削減が可能となる。

今後の実用化・事業化の見通し

航空機産業や宇宙産業の回復と拡大に伴い、高硬度部品の需要増加が見込まれる。本研究開発の成果を航空・宇宙分野に幅広く適用し、事業拡大を図っていく計画である。

実用化・事業化にあたっての課題

量産加工レベルで実用可能なシステムとするために、様々な運用環境でも使用可能となるよう改善を進めていく必要がある。特に今回のAEセンサーを用いた方式は、量産加工レベル向上へ向けた一つの解決策として大きな期待ができると考えている。

事業化に向けた提携や連携の希望

事業は100%達成したため、財産処分(転用)の認可を頂き量産体制に入っている。販売戦略も当初の予定通り既存取引先のIHIへ納入済である。今後は新規取引先開拓として川崎重工業へ加工サンプルを出荷提供し高評価を得てるため事業化を進めている。

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 株式会社川崎製作所
事業管理機関 株式会社ひたちなかテクノセンター
研究等実施機関 茨城県産業技術イノベーションセンター
国立大学法人茨城大学
アドバイザー IHI 航空・宇宙・防衛事業領域 生産技術部長 野呂 昇
元産業技術総合研究所 コーディネーター 岡崎雄一
埼玉工業大学 工学部 長谷亜蘭准教授

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 株式会社川崎製作所(法人番号:1050001006692)
事業内容 航空機エンジン用部品製造会社
社員数 30 名
生産拠点 茨城県ひたちなか市新光町552‐71
本社所在地 〒312-0005 茨城県ひたちなか市新光町552‐71
ホームページ https://www.kawasaki-ss.jp/
連絡先窓口 株式会社ひたちなかテクノセンター 企業支援部 林 智章
メールアドレス hayashi@htc.co.jp
電話番号 029-264-2200