接合・実装
集積型アクティブ光モジュールの高速且つ高精度な組立を可能とする新たな光軸調芯技術の開発
静岡県
シナジーオプトシステムズ株式会社
2026年2月9日更新
プロジェクトの基本情報
| プロジェクト名 | 集積型アクティブ光モジュール実用化の為の高速・高精度組立実装装置の開発 |
|---|---|
| 基盤技術分野 | 接合・実装 |
| 対象となる産業分野 | 産業機械、光学機器 |
| 産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加) |
| キーワード | アクティブ光モジュール、高速・高精度、光軸調芯、光導波路、パッシブ調心 |
| 事業化状況 | 事業化に成功し継続的な取引が続いている |
| 事業実施年度 | 令和4年度~令和6年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
本研究は集積型アクティブ光モジュール高速・高精度組立実装技術の開発を最大の目的とした。光IOコアは5mm角サイズ内に演算部、8chの入出部を持つ超小型の集積型光トランシーバ素子で、モジュール化には信号の入出力部に8本の光ファイバーを全チャンネル一定の結合率で接続する技術が必要となる。現状の調整方式は1対1で接続し光パワーを計測、最大効率部を探索する方式で、多chでは使用できない。そこで、画像処理、平行検出、接合面の隙間管理の各技術を組み合わせた高精度・高速組立実装装置を開発した。研究課題は高精度な位置決めの機能化においてタクトタイム改善、微小部品の高精度な接合機能化において平行検出方式、接合面の隙間管理の3点である。
開発した技術のポイント
・画像認識技術を採用したパッシブ調芯方式の確立
-光ファイバ端面と結合対象である光ピンの端面の形状を計測用カメラで撮像
-画像の一部とテンプレートの相関係数(類似度)を計算し、その類似性を尺度としたサーチ方式(画像マッチング方式)を採用
-光ファイバのトレンチ部を計測し光ファイバの位置検出精度を向上
・光学画像認識技術を使用した平行度測定、調整法の確立
-コリメータ計測機能による平行度測定ソフトウェアを設計
-ファイバアレイをモデル化しX軸Y軸のθ方向へ移動し、平行度測定ソフトウェアにてピッチロールの測定、解析値をフィードバックしてピッチロールの調整を実現
・光学方式接触感知技術の使用した隙間管理法の確立
-コリメータ計測方式と接触センサの比較により優位性を実証
具体的な成果
・集積型アクティブ光モジュール組立装置の設計・組立完了
・±0.2dBの範囲を実現するトレランスを算出
・パッシブ調芯方式: 繰返し再現性P-P 0.173dB、標準偏差0.06dB、計測時間平均2.95秒
・アクティブ調芯方式: 繰返し再現性P-P ±0.125dB、標準偏差0.089dB
・方式の差: 繰返し再現性P-P 0.079dB、標準偏差0.026dB
・平行検査光学系: 計測分解能0.000988°、繰返し補正精度平均0.0027°、調整時間平均0.707秒
・接合管理方式: コリメータ計測方式と接触センサ感度差平均45.5μm、標準偏差1.07μm、測定時間28.7秒
・装置実証評価: 繰返し再現性最大±0.184dB最小±0.046dB、タクトタイム1分3秒を達成
知財出願や広報活動等の状況
開発した画像認識技術を採用したパッシブ調芯方式、光学画像認識技術を使用した平行度測定・調整法、光学方式接触感知技術を使用した隙間管理法に関する技術について知的財産権の確保を進めている。これらの技術は集積型アクティブ光モジュール組立装置の核となる要素技術であり、今後の事業化展開において重要な競争優位性を確保するための知財戦略の一環として位置付けられている。
研究開発成果の利用シーン
・高速・大容量化: スーパーコンピュータ、CPU、ストレージ、AI、8K
・低消費電力化: 次世代モバイル端末の長寿命化、増え続けるデータセンター及びサーバー
・小型・軽量化: サーバー、車載等
・IOWN構想: 光を中心とした革新的技術を活用した次世代ネットワーク・情報処理基盤の構想で、2030年頃の実用化に向けて取り組みが進められている。オールフォトニクス・ネットワーク、光プロセッサ等のベース技術に集積型アクティブ光モジュールの適用が検討されている。集積型アクティブ光モジュールは従来電気電子技術と比較して、1/100以上の省スペース化、1/10以上の省消費電力化を、また既存光モジュールと比較しても、1/10以上の省スペース化、1/3以上の省消費電力化を実現できる。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
集積型アクティブ光モジュールは川下企業が2019年に製品化試作を完了、2021年末には従来の実装技術で製造したサンプルの供給を開始する旨のアナウンスを行っている。当社はすでに川下企業に対し、従来型のアクティブ調芯方式による集積型アクティブ光モジュールの組立実験装置、セミオート機を納入し、本格生産に向けた装置仕様に関する意見交換を行っている。本事業における高速・高精度組立調整技術の確立は、その生産性向上と安定生産を目的とした技術開発であり、集積型アクティブ光モジュールの量産・安定供給をもたらし、その普及に寄与できると考えている。DATACOM向け集積型アクティブ光モジュールの市場は、仏調査会社「Yole」によると、2026年に200億9,000万ドル(約2兆5,000億円)に拡大する。
提携可能な製品・サービス内容
設計・製作、製品製造
製品・サービスのPRポイント
・従来製品比で80%以上の小型化が可能
・電気通信機器内部の電気配線から光配線化への転換も期待
・データ通信の大容量化や省電力化など多くの利点
・分解能2μmという高精度位置決め精度で、250μmピッチで直線に配置された8chの光ピンと、同様に250μmピッチで配置された8本の光ファイバを全チャンネル一定の結合効率で接続する技術
・当面月産1万個の生産体制確保に向けて現状でも2分程度のタクトタイムを実現
・高速かつ低消費電力である集積型アクティブ光モジュールを市場に安定して量産供給するための高速・高精度な組立装置
・将来的には車載機器等への搭載も検討されている先端的な光デバイス技術
今後の実用化・事業化の見通し
事業化を3段階のフェーズとして進める。まず、事業化実現のフェーズ(3年)として今回の装置から製品版への改良・製品化までを目的とする。この段階では、実証及び詳細な分析をさらに進め、要素技術の確立、問題点の洗い出しとその対処、装置構成や動作の最適化を行い、プロトタイプの製作から製品化への検討と実現を目指す。事業化拡大のフェーズ(2年)では幅広い企業に対し、展示会、WEB、デモ実装等、製品リリース・普及を目的とした販促活動を行い、技術・装置の周知化による有力顧客の掘り起こしを行う。事業化拡大以降は事業化横展開のフェーズとし、さらなる装置の拡販を目指す。2030年代には1,000万個/年をはるかに上回る生産供給能力が必要となり、数多くのサプライヤの参入と設備導入が期待される。
実用化・事業化にあたっての課題
光IOコアを使用した集積型アクティブ光モジュールの年間100万個以上の生産を見込むとの発表があり、これらの需要に対応するための量産技術の確立が課題である。現在マーケットリーダーであるアイオーコア株式会社、アイペックス株式会社が目標とする生産数量を実現するために、集積型アクティブ光モジュールの量産性を実証することが求められている。また、半導体・センシング技術の小型高性能化によるIoT技術の普及、AI技術の進歩による膨大なデータ蓄積と処理等、モバイル通信の大容量・広帯域化等、新たな技術革新によるデータ通信の大容量化・高速化への要求は増加の一途であり、各通信インフラ・通信機器に対する負荷はますます増大すると考えられ、これに対応した技術開発の継続が課題となる。
プロジェクトの実施体制
| 主たる研究等実施機関 | シナジーオプトシステムズ株式会社 |
|---|---|
| 事業管理機関 | 公益財団法人浜松地域イノベーション推進機構 |
| 研究等実施機関 | シナジーオプトシステムズ株式会社 国立大学法人宇都宮大学 |
| アドバイザー | アイオーコア株式会社 I-PEX株式会社 |
主たる研究等実施機関 企業情報
| 企業名 | シナジーオプトシステムズ株式会社(法人番号:3080401012212) |
|---|---|
| 事業内容 | 光学機器・精密機器・電子機器の開発・製造・販売 |
| 社員数 | 8 名 |
| 本社所在地 | 〒432-0101 静岡県浜松市中央区雄踏町山崎3625-1 |
| ホームページ | https://www.synos.jp/ |
| 連絡先窓口 | シナジーオプトシステムズ株式会社 安川学 |
| メールアドレス | yasukawa@synos.jp |
| 電話番号 | 053-523-8459 |
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