情報処理
デジタル画像処理技術を用いたデジタルツインの構築
静岡県
株式会社アールテック
2026年2月9日更新
プロジェクトの基本情報
| プロジェクト名 | AI深層学習にもとづくデジタル画像処理技術を用いたXR遠隔臨場システムの研究開発 |
|---|---|
| 基盤技術分野 | 情報処理 |
| 対象となる産業分野 | 建築物・構造物 |
| 産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高効率化(人件費削減) |
| キーワード | AI深層学習、デジタルツイン、三次元計測 |
| 事業化状況 | 研究実施中 |
| 事業実施年度 | 令和4年度~令和6年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
最新のArtificial Intelligence(AI)、Internet of Things(IoT)、3Dモデリング、画像処理およびICTプラットフォーム等を基盤技術として建設現場での生産性の大幅な向上を目指すソフトウェアの製品化を図る研究である。具体的には、現場を3Dスキャナや3Dカメラで撮影し、サポート部署で確認するための「データの取得、取得データの判別、データベース化、情報の可視化、情報の評価・検証」といった工程において「データの取得」の半自動化と「情報の可視化」におけるデジタル検査・監理・点検に用いられるExtended Reality(XR)画像表示技術の開発を行った。これらの技術により施工管理担当者が行う安全巡回や現地確認を遠隔地からも容易に実現し、作業現場への移動時間や現地滞在時間短縮を目指した。
開発した技術のポイント
・現場3Dモデリング技術の開発
-計測ルート設定プログラム: BIMモデルをもとに最適な走行ルートを自動更新し、自動巡回を可能にする
-自動航行プログラム: Laser Detection and Ranging(LiDAR)Simultaneous Localization and Mapping(SLAM)と画像による自己位置推定技術を併用した建設現場での自動・自律航行
-3Dデータ処理プログラム: Structure from Motion処理により移動カメラから得られる画像から形状を復元
・デジタルツイン生成技術の開発
-オブジェクト認識プログラム: AI深層学習による物体の検出および追跡を実現
-データ処理ネットワーク: クラウド・エッジコンピューティングによるデータ共有環境構築
-XR可視化プログラム: Microsoft社製HoloLens2対応のデータ変換およびAugmented Reality(AR)クラウド環境構築
具体的な成果
研究開発の各項目において以下の具体的成果を得た。計測ルート設定では計測域1m以内、収集所要時間20分以内/500平方メートルを達成し、プロトタイプを製作した。3Dデータ処理では3Dスキャナ、360度カメラ、一般カメラ映像からの画像→点群変換プログラムをリリースした。オブジェクト認識では点群データ軽量化をPersonal Computer(PC)上で100MB以下での稼働を実現した。データ処理ネットワークでは100MB以上のクラウドデータ共有を確認した。デジタルツイン生成では指定端末での応答速度10Frame Per Second(FPS)以上を達成した。XR可視化では表示速度5FPS以上を実現した。製品化開発では計測データ幾何学的誤差5%以内を確認し、実地検証では建築現場で技術課題の確認を行った。
研究開発成果の利用シーン
開発したリアルタイムXR遠隔臨場システムの利用シーンとして以下が想定される。
・建設現場での施工管理
-安全巡回や現地確認の遠隔実施により移動時間と現地滞在時間を短縮
-柱鉄筋のかぶり厚検査での指定範囲収納確認や傾き測定
-屋上床梁の配置確認とかぶり厚検査
-コンクリート躯体の出来形検査や屋上スラブの水勾配確認
・建設現場での品質管理
-BIMデータとの比較による施工精度確認
-デジタル検査・監理・点検による効率化
-現場作業進捗状況の見える化と施工管理効率化
・遠隔での情報共有
-複数ユーザ間での同一画面表示・情報共有
-数量算出や品質検査の効率化
-既存コンクリート躯体内部の鉄筋位置確認による改修工事への活用
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
現在は研究開発段階であり、モックアップ建築現場でのシステム実地検証を3件実施した。新入社員モックアップ工事では柱鉄筋撮影、屋上床梁撮影、コンクリート躯体撮影の全3回のスキャニングを行い、各段階での技術課題を明確化した。据置型レーザースキャナでは高精度なデータ収集が可能だが撮影時間が長く、可搬型レーザースキャナでは短時間撮影が可能だがノイズが多い課題が判明した。実測値との誤差は1mm/10m程度で5%以内を確認している。マーケットアドバイザーの株式会社安藤・間からは点群の鉄筋配筋の視認性や既存躯体改修工事への活用可能性について評価を得た。今後の販売計画として、まずはデータ収集サービスとして提供し、モデルデータの必要性を一般化した後にシステム販売を目指している。
提携可能な製品・サービス内容
試験・分析・評価
製品・サービスのPRポイント
・データ収集支援システム
-BIMモデルに基づく最適な計測ルート自動設定により作業省力化・自動化を実現
-Motion planningと機械学習技術による短時間での計測ルート算出
-3Dスキャナ、360度カメラ、一般カメラ映像に対応した汎用性
・デジタルツイン・XR表示システム
-AI深層学習による物体検出・追跡とオブジェクト認識機能
-クラウド・エッジコンピューティングによるどこからでもデータ閲覧可能な環境
-Microsoft社製HoloLens2対応のXR表示でリアルな三次元空間での臨場体験
・建設現場特化型機能
-従来技術では困難だった情報収集のための人員派遣時間を20分以内/500平方メートルで大幅短縮
-現場関係者が確認したい工程や施工状況を遠隔臨場により工事担当者が常に最新状況を共有可能
今後の実用化・事業化の見通し
2025年からレーザースキャナによるデータ収集サービスの提供を開始し、2026年にはシステム開発(機能追加改良)を進めて、2027年にシステム販売を予定している。各社が競い合って開発する競争が激しい分野であるため、ある業務に特化したニッチな分野での差別化を図る方針である。点群データやメッシュデータを使用したデジタルツイン技術の活用・普及を見据えた実用的な製品実現のため、大学研究機関や関連機関との連携を深めながら継続的な製品開発・改良を推進していく。実際の建設現場はより大規模で複雑であるため、どの分野を狙い、どのようなシステムを作成するかの絞り込みが重要な課題となっている。
実用化・事業化にあたっての課題
・技術的課題
-データ収集作業工数(現場でのデータ撮影)の削減
-マニュアル作業工数(ノイズ除去、位置合わせ、モデル作成等)の削減
-オブジェクト認識等の機能開発の継続
-機材の取り扱いや撮影データの処理などのための担当人手が必要
・市場競争上の課題
-各社が競い合う激しい競争分野での差別化戦略の必要性
-類似システムとの差別化の困難性
-実際の建設現場の大規模性・複雑性への対応
・実用性向上の課題
-レーザースキャナを搭載できるドローンのサイズが大きく、建設現場では安全面で飛行困難
-可搬型レーザースキャナでは検査に使用できる精度のデータ収集が困難
-どの業務分野に特化するかの絞り込みが必要
プロジェクトの実施体制
| 主たる研究等実施機関 | 株式会社アールテック |
|---|---|
| 事業管理機関 | 公益財団法人浜松地域イノベーション推進機構 |
| 研究等実施機関 | 株式会社アールテック 株式会社ビルド21 国立大学法人東北大学 |
| アドバイザー | 株式会社安藤・間 |
主たる研究等実施機関 企業情報
| 企業名 | 株式会社アールテック(法人番号:7011601027151) |
|---|---|
| 事業内容 | システム開発 |
| 社員数 | 4 名 |
| 本社所在地 | 〒430-0904 静岡県浜松市中央区中沢町1-2 |
| 連絡先窓口 | 株式会社アールテック 代表取締役 小杉宗文 |
| メールアドレス | takafumi-kosugi@r-tech.co.jp |
| 電話番号 | 053-412-6660 |
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