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表面処理

高度化したエア霧化で塗着効率85%を実現!日本のCNに貢献するプラスチック部品用の超高塗着塗装技術

埼玉県

久保井塗装株式会社

2026年2月9日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 日本のカーボンニュートラルに貢献するプラスチック小部品用の超高塗着塗装技術の開発
基盤技術分野 表面処理
対象となる産業分野 医療・健康・介護、環境・エネルギー、航空・宇宙、自動車、ロボット、産業機械
産業分野でのニーズ対応 高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(小型化・軽量化)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(人件費削減)、高効率化(生産性増加)、高効率化(塗料のムダ削減)、環境配慮、低コスト化
キーワード 塗着効率85%、工業塗装、塗装ロボット、カーボンニュートラル、サーキュラーエコノミー
事業化状況 実用化に成功し事業化間近
事業実施年度 令和4年度~令和6年度

プロジェクトの詳細

事業概要

日本のカーボンニュートラルに貢献するプラスチック小部品用の超高塗着塗装技術の開発を目的とした研究である。従来技術の塗着効率40~50%を85~90%まで向上させることで、塗料使用量を削減し環境負荷を軽減する。圧縮空気による跳ね返りがない方式により新技術を構築し、品質と作業性のために環境負荷を軽視してきた従来技術を覆す開発を行った。研究体制は久保井塗装株式会社を中心に、東京都立大学、株式会社明治機械製作所、武蔵塗料株式会社が参加し、ノズルと塗料供給装置の開発、超高塗着塗装専用塗料の開発、ロボットプログラムの開発、改良・統合・最適化を実施した。

開発した技術のポイント

・圧縮空気を使わない微粒化による新設計ノズルで塗着効率85%以上を実現
・プラスチック(絶縁体)小部品に対応する被塗物の素性に最適化したノズル設計
・色・ツヤ・平滑性等の外観要求に対応するノズルに適した専用塗料
・液圧噴射方式に微弱なエアを加えた超高塗着塗装システム
・塗着効率を正確に計測するための流量センサや電子天秤からのデータに加えてエア圧も解析するセンシングプログラム
・塗装ロボットと制御プログラム、塗料供給装置の統合最適化
・従来技術のエア圧0.25MPaを0.02MPa程度まで低減する省エネ技術
・騒音を従来の90dBから73dBまで低減する環境改善効果

具体的な成果

研究開発目標の塗着効率85%を100%達成し、以下の6つの特徴を実現した。
・塗着効率85%を実現: 石油化学製品である塗料の使用効率向上によりコスト削減と廃棄物・エネルギー消費抑制
・プラスチック部品への塗装対応: 静電気を使わずエア霧化技術を高度化して非導電体のプラスチック部品も塗装可能
・高い外観品質: 一般的なエナメルやクリヤー塗料だけでなく、アルミ粒や骨材が含まれるメタリックやマット塗料にも対応
・騒音低減効果: 90dBから73dBへの低減(エネルギー消費を4分の1程度に削減)
・省エネ効果: エア圧を10分の1程度に抑制

従来塗装との比較
知財出願や広報活動等の状況

特許出願を2件実施した。

・「塗装用自動スプレーガン」(国際出願番号:PCT/JP2025/006823、国内出願番号:特願2025-512762)
・「塗着効率に優れた塗装方法」(国際出願番号:PCT/JP2025/006814、国内出願番号:特願2025-512761)

広報活動として特設ページとプロモーション動画を制作し、日刊工業新聞(全国)への記事広告掲載を実施した。プレスリリースは日経トップリーダー、日刊工業新聞、工場管理、塗料報知など約360のメディアに配布し、テレビ、ラジオ、新聞等への幅広い情報発信を行った。

研究開発成果の利用シーン

国内約3,000社の工業塗装事業者が第一の対象市場となる。塗装技術は横断的にものづくりに使用される基盤技術であるため、プラスチック製造業企業(全国に約27,000社)のうち自社工場に塗装ラインを持つ事業者が広く対象となる。特に自動車業界のサプライチェーンにおいて、2035年のカーボンニュートラル実現を目指す企業の共通ニーズに貢献できる。自動車業界以外の工業製品製造業においても同様のカーボンニュートラル達成ニーズがあり、幅広い製造業での活用が期待される。プラスチック小部品の塗装を行う企業全般で環境負荷低減と生産効率向上を実現する。

利用シーン

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

事業化の目標達成のため、まず研究等実施機関の3社が既存顧客に新技術を直接紹介して設備リプレイスを仕掛ける。同時に自動車業界をはじめとした塗装ラインを保有する多くの製造業者が購読している新聞等のメディアに記事を掲載して周知し、開発した超高塗着塗装システムの試作機デモを視察・見学してもらうことで導入を推進する。市場の反応が良ければ超高塗着効率の業界標準化を推進する計画である。販路として直販(IoTシステムの既存顧客)、明治機械製作所・武蔵塗料の既存顧客への販売、直販および代理店販売(新規顧客)の3つのチャネルを設定している。

メタリック・グロス・マット比較
提携可能な製品・サービス内容

加工・組立・処理、素材・部品製造、製品製造、共同研究・共同開発、技術コンサルティング、設備販売

製品・サービスのPRポイント

・塗着効率85%を実現した超高塗着塗装システムで材料費削減とCO2排出量抑制を同時達成
・プラスチック部品への対応により静電塗装では困難だった絶縁体の高効率塗装を実現
・メタリックやマット塗装など特殊塗料にも対応する汎用性
・騒音を90dBから73dBへ低減し作業環境を大幅改善
・エア圧を従来の10分の1に抑制する省エネ効果
・外観品質は実業務に使える品質水準
・ノズル、塗料、ロボットプログラムをパッケージ化したトータルソリューション
・中小企業でも導入しやすい価格設定を目指した技術構成

今後の実用化・事業化の見通し

開発した超高塗着塗装システムの試作機デモを活用した導入推進により、まず研究実施機関3社の既存顧客への設備リプレイスから事業化を開始する。

自動車業界における2035年カーボンニュートラル目標の前倒しにより、サプライチェーン全体での脱炭素対応ニーズが高まっており、市場環境は良好である。プラスチック製造業企業約27,000社のうち塗装ラインを持つ事業者への展開により市場拡大を図る。技術的な目標は100%達成しており、実用に耐える外観品質も確保済みであることから、事業化に向けた技術的課題は解決済みである。メディアへの広報活動により認知度向上も進めている。

実用化・事業化にあたっての課題

技術開発過程で静電微粒化方式ノズルの開発を中止した理由として、液柱幅80μmの溝加工や特殊工具の製造、静電気発生装置の小型化などシステム自体の最適化設計や装置組立など技術的難度が高く、開発コストの回収を価格に乗せる必要があり、製品製作コスト等も上乗せされることで販売価格が高額化し、中小事業者が受け入れられないターゲット価格になってしまうことが判明した。製品価格の適正化と中小企業への普及促進が主要な課題である。

事業化に向けた提携や連携の希望

研究開発で完成したプロトタイプを販売用のプロダクションモデルとして改良します。販売に協力してもらえる代理店を募集しています。

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 久保井塗装株式会社
事業管理機関 一般社団法人首都圏産業活性化協会
研究等実施機関 久保井塗装株式会社
株式会社明治機械製作所 岡山地区事業所
武蔵塗料株式会社 入間工場
東京都公立大学法人(東京都立大学)
アドバイザー 藤塗装工業株式会社
国立大学法人 埼玉大学
ki-urushi 工房

参考情報

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 久保井塗装株式会社(法人番号:9030002033540)
事業内容 プラスチック部品の塗装
社員数 18 名
生産拠点 本社工場(埼玉県狭山市)
本社所在地 〒350-1311 埼玉県狭山市中新田1083-3
ホームページ https://www.kuboitosou.co.jp/
連絡先窓口 久保井塗装株式会社 管理部 細田正幸
メールアドレス dev@kuboitosou.co.jp
電話番号 04-2958-5763