バイオ
細胞内部の物性分布構造を立体視する、世界初の細胞三次元観察用超音波顕微鏡の開発
愛知県
本多電子株式会社
2026年2月9日更新
プロジェクトの基本情報
| プロジェクト名 | 細胞三次元観察用超音波顕微鏡の開発 |
|---|---|
| 基盤技術分野 | バイオ |
| 対象となる産業分野 | 医療・健康・介護 |
| 産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加) |
| キーワード | 細胞観察、三次元観察、弾性的構造観察、非侵襲・無染色 |
| 事業化状況 | 実用化に成功し事業化間近 |
| 事業実施年度 | 令和4年度~令和6年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
本研究は、以下の4つの主要テーマを柱とし、その成果を2台の試作機に統合した。
①培養細胞を用いた臨床評価の実施
②解析アルゴリズムの最適化
③初心者でも操作可能な装置化
④約20μm深まで観察可能な非球面レンズ超音波センサの開発
本研究体制においては、本多電子株式会社が中心となり、外部評価機関の参画とアドバイザー体制を整備し、現場での使用評価を繰り返して実施し、その都度、指摘箇所を改善することで、実用的な使用が可能な装置仕様としてまとめ上げました。
開発した技術のポイント
①解析アルゴリズム
調整項目を3以下へ縮減し、4~10μm厚の細胞は無調整三次元観察を確認。
②装置・ステージ
光学顕微鏡と超音波顕微鏡を同時観察できる構造とし、所望の細胞の超音波観察が簡便にできる機能を実現。
傾き調整等、一つの機械的調整が、他の調整に干渉しない構造とし、初心者でも約3分で段取り可能な簡易操作型ステージを実現。
③超音波センサ
新規非球面レンズを開発し、長焦点深度設計により約20μm深さの三次元観察に対応。
具体的な成果
①臨床評価
外胚葉・内胚葉・中胚葉由来の細胞から合計20種類を選択し、三次元観察が可能であることを確認。
②解析アルゴリズムの最適化
パラメータ調整項目を3以下に限定し、厚み4〜10μmの細胞については無調整で観察可能であることを確認。
③現場で使用可能な装置の開発
初心者でも3分以内にステージ調整が可能な簡易操作型ステージを開発完了。
④深さ20μmまで観察可能な超音波センサーを開発。
深さ20μmまで三次元観察を実現する非球面レンズセンサーを開発。
知財出願や広報活動等の状況
細胞三次元観察用に関する特許は6年前から出願し、現在10件を超す特許を出願済み。
2023年から事業成果として細胞の三次元超音波観察の事例を発表。2024年には細胞分裂期の核の硬さの変化を発表。
2025年には正常細胞と癌細胞の比較観察において、核の硬さの相違に関して発表。関連発表を含め7件の学会発表を実施。
2025年9月に開催された「第52回日本小児栄養消化器肝臓学会学術集会」発行の抄録にて2026年4月販売予定と広告掲載。
研究開発成果の利用シーン
・細胞研究/創薬スクリーニング
-無染色・非侵襲での細胞厚さ・核位置・弾性情報を同時把握。
・再生医療でのプロセス監視
-培養中細胞の状態をストレスなく継続観察。
・教育・実験現場
-簡易ステージと操作系により、初心者でも短時間で計測開始可能。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
評価先(医科大学、再生医療会社)において、操作性は良好との評価を得た。一方で、カントネックフラスコへの対応や観察範囲の拡大など、特定の現場での要件が顕在化した。これを踏まえ、光学観察の統合、給水機構の改良、操作画面の最適化など研究後の課題を整理し、製品化に向けた具体的な改修項目を特定した。まずは今回の試作機でも現場要望に対応している研究分野へ供給する装置として、事業化を進めることとした。
提携可能な製品・サービス内容
共同研究・共同開発
製品・サービスのPRポイント
現状、生きた状態の細胞内部構造を非侵襲かつ無染色で観察できる三次元細胞観察用超音波顕微鏡を開発した。
細胞内部を弾性的パラメータで画像化できるので、創薬開発や再生医療など細胞を用いた医療での活用が期待される。
今後の実用化・事業化の見通し
2026年4月から研究機関向け製品の供給を開始する。さらに、2027年10月を目標に、再生医療向け機能を追加した装置の再開発・製品化を計画している。
加えて、より幅広いユーザーへの利用拡大を図るため、観察範囲の拡大や低周波・高周波プローブの開発を進め、幅広い細胞観察に対応できるよう機能整備を推進する。
実用化・事業化にあたっての課題
研究目的で使用する製品への移行に際しては、操作・機構・観察性能に関して大きな変更を要せず実施可能であり、2026年4月の販売開始を目標に進行中である。
一方、実際の再生医療・創薬分野等の現場での使用を目的とした製品については、用途別に追加開発が必要となる。
例えば再生医療向けの改良では、光学画像観察と超音波観察ソフトウェアへ統合して操作親和性の向上や、観察範囲を拡大してカントネックフラスコに対応可能な機械構造へ改良すること、さらに層状の細胞シートに対応し深さ情報を重視する用途に適合する低周波プローブの導入などが課題として挙げられる。
事業化に向けた提携や連携の希望
超音波により細胞内部の弾性的性質を画像化し観察する技術は、世界初の試みである。そのため、観察結果の妥当性や得られた内部構造の意味については、未解明な点が多く残されている。
今後は、細胞研究を行っている研究機関と共同実験を通じたディスカッションを重ね、連携を推進していくことを希望する。
プロジェクトの実施体制
| 主たる研究等実施機関 | 本多電子株式会社 研究部 |
|---|---|
| 事業管理機関 | 株式会社サイエンス・クリエイト 事業推進部 |
| 研究等実施機関 | 本多電子株式会社 研究部 小林和人 国立大学法人豊橋技術科学大学 ダイバーシティー推進センター 吉田祥子教授 |
| アドバイザー | 国立大学法人浜松医科大学 株式会社ジャパン・ティッシュエンジニアリング 国立大学法人東北大学 国立大学法人富山大学 |
主たる研究等実施機関 企業情報
| 企業名 | 本多電子株式会社(法人番号:4180301007094) |
|---|---|
| 事業内容 | 超音波応用機器(魚群探知機・洗浄機・流量計・診断装置など)の研究・開発・製造・販売 |
| 社員数 | 210 名 |
| 本社所在地 | 〒441-3193 愛知県豊橋市大岩町小山塚20 |
| ホームページ | https://www.honda-el.co.jp/ |
| 連絡先窓口 | 本多電子株式会社・川口祐季:研究部 |
| メールアドレス | y-kawaguchi@honda-el.co.jp |
| 電話番号 | 0532-41-2574 |
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